眠りに落ちて
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朝。
「…………おーい、なまえ! 朝飯の時間だぜー!」
ドアの向こうから、ポルナレフの能天気な声が響いた。
返事がない。
「おーい、寝坊か? 珍しいな。入るぞ〜……お?」
ガチャリ。
ドアが開いた瞬間、ポルナレフは固まった。
ベッドの上、毛布にくるまった二人が、ぴったりと寄り添って眠っている。
花京院はなまえの背中を抱き、なまえは花京院の胸に顔を埋めるようにして。
ポルナレフの目が、みるみるうちに輝いた。
「……ッおおおおおおおっ!?」
その大声で、ジョセフが「何事だ!?」と駆けつけ、アヴドゥルが「おい、ポルナレフ!レディの部屋を勝手に開けるんじゃあない!」と眉をひそめ、承太郎まで廊下に顔を出した。
ポルナレフは両手を広げて、興奮の極みで叫ぶ。もはや止められない勢いで腕をぶんぶん振り回した。
「見ろよみんなっ!!こりゃあ大事件だぜ!?
花京院の奴となまえが──同じベッドで、がっつり抱き合って寝てるぅぅぅ!!」
ジョセフは「なにいいい!?」と奇声を上げ、駆け寄った。
「おいおいおいおい!!これはワシらの見間違いじゃあないよな!?う、うっそぉ〜〜ん、花京院、お前ってそんな積極的な子だったの〜ん!? いつの間に!?」
アヴドゥルは眉間を押さえつつ、しかし口元にはかすかな笑みを浮かべた。
「……ポルナレフ。レディの寝姿を騒ぎ立てるものではないぞ。だがまあ……これは、うん……微笑ましいな」
「……ふん。」
アブドゥルと承太郎も、口角を上げてその様子を見守った。
そんな外野の大騒ぎの中、ベッドの中で最初に目を覚ましたのはなまえだった。
ぼんやりと瞬きして──
目の前、花京院の胸。
腕。
距離。
体温。
そして。
ポルナレフの全力の叫び声。
「目が覚めたかあ!? いやぁ〜若いっていいねぇ〜〜!!」
真っ赤になる暇もなく、頭が真っ白になる。
「ちょ、ちょっと!? な、なんでみんな……!」
その動きで花京院もゆっくり目を開けた。まだ寝ぼけていて、状況が理解できていない顔でなまえを抱いたまま。
「……ん……おはよう、なまえ……」
その瞬間。
ジョセフ、ポルナレフが揃って叫んだ。
「「キャーーーーー!!(※じじいと銀髪)」」
アヴドゥルも肩を震わせながら咳払いし、承太郎は鼻で笑ってつぶやく。
「やれやれだぜ」
花京院は状況を把握するのに5秒かかった。
そして。真っ赤になった。
「ち、ちがっ……これは……! その……!」
ポルナレフがにやにやしながら肘でジョセフをつつく。
「おい見ろよジョースターさん!あの花京院が”しどろもどろ”だぜ!?」
ジョセフは腕を組んで頷く。
「うむうむ、これはからかい甲斐があるのぉ〜〜。さあ花京院、説明してもらおうかね? 昨夜、何があったの〜〜?」
花京院は完全にパニックで、口をぱくぱくさせていた。
なまえは恥ずかしさで顔が熱くなりながらも、花京院の様子を見て思わずくすりと笑った。
──昨夜、自分を安心させるために、あんなにも優しく抱き寄せてくれた花京院が。
今は皆に茶化されて、真っ赤になって慌てふためいている。
不思議と胸が温かくなった。
その様子を見て、承太郎がぼそり。
「……まあ、説明はあとでたっぷり聞いてやるぜ。朝飯、冷める前に来いよな」
アヴドゥルもうなずく。
「からかわれているが……良い夜だったようで、何よりだ」
そして二人は去り、最後までやかましかったのはポルナレフとジョセフだった。
「うわ〜〜青春だねぇ! 羨ましいねぇ!!」
「おいポルナレフ、ワシらも負けてられんのぉぉ!?」
「なんの勝負する気だよ、ジョースターさん!」
そんなやり取りをしながら、二人は廊下へ消えていった。
部屋には、まだ少しだけ残った温もりと、互いに隠し切れない恥ずかしさと。
昨夜よりずっと、確かで優しい距離が残ったままだった。