近づく距離
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ホグワーツに入学して3年目、授業にも寮での生活にもすっかり慣れ、同級生の顔はほとんど知っている。
でも、同じ寮にいても、まだまともに話したことのない相手はいる。
セドリック・ディゴリーもその一人だった。
彼はクィディッチのシーカーとして目立っていたし、整った顔立ちと誠実な人柄で、いつも誰かに声をかけられている。
クラスメイトではあるけれど、私にとっては「遠くから見ている人」でしかなかった。
その日、私は課題に必要な参考書を探して、図書館の高い棚に手を伸ばしていた。指先が背表紙に触れた瞬間、別の手が同じ本を掴もうとして重なった。驚いて顔を上げると、灰色の瞳がまっすぐにこちらを見返していた。
「……あ、ごめん。君もこれ、探してた?」
少し困ったように眉を下げながら、それでも柔らかい笑みを浮かべる彼。その笑顔に心臓が跳ねる。
「う、うん……」
緊張で声が上ずってしまい、慌てて視線を逸らした。
「僕も同じ課題で必要なんだ。よかったら一緒に読まない?」
自然すぎる提案に、断る理由もなく、私は小さくうなずいた。
席に戻ると、彼は隣に座れるように椅子を少し引いてくれる。礼を言う前に「どういたしまして」とでも言いたげな笑みを見せ、本を机に広げた。
静まり返った図書館に、紙をめくる音とペンを走らせる音だけが響く。
肩がほんの少し触れそうな距離に座るセドリックの存在感が、どうしても気になって仕方がない。
ちらりと横を見ると、彼は真剣な表情で文字を追っていた。茶色の髪がランプの光に照らされ、柔らかく揺れる。
(こんなに近くで見るの、初めてかも……)
胸の鼓動が早くなるのを必死に抑えながら、私はノートに文字を書き写した。
やがてセドリックが視線を上げ、こちらを見た。
「やっぱり、君もここで詰まった?」
「え?」
彼が指さした段落は、まさに私が理解できずに止まっていた箇所だった。
「僕もここ、難しくてさ。……一緒に考えてみない?」
その言葉に思わず笑みがこぼれる。
優等生で人気者の彼が、こうして肩を並べて同じことで悩んでいるのが、意外で、そして少し嬉しかった。
でも、同じ寮にいても、まだまともに話したことのない相手はいる。
セドリック・ディゴリーもその一人だった。
彼はクィディッチのシーカーとして目立っていたし、整った顔立ちと誠実な人柄で、いつも誰かに声をかけられている。
クラスメイトではあるけれど、私にとっては「遠くから見ている人」でしかなかった。
その日、私は課題に必要な参考書を探して、図書館の高い棚に手を伸ばしていた。指先が背表紙に触れた瞬間、別の手が同じ本を掴もうとして重なった。驚いて顔を上げると、灰色の瞳がまっすぐにこちらを見返していた。
「……あ、ごめん。君もこれ、探してた?」
少し困ったように眉を下げながら、それでも柔らかい笑みを浮かべる彼。その笑顔に心臓が跳ねる。
「う、うん……」
緊張で声が上ずってしまい、慌てて視線を逸らした。
「僕も同じ課題で必要なんだ。よかったら一緒に読まない?」
自然すぎる提案に、断る理由もなく、私は小さくうなずいた。
席に戻ると、彼は隣に座れるように椅子を少し引いてくれる。礼を言う前に「どういたしまして」とでも言いたげな笑みを見せ、本を机に広げた。
静まり返った図書館に、紙をめくる音とペンを走らせる音だけが響く。
肩がほんの少し触れそうな距離に座るセドリックの存在感が、どうしても気になって仕方がない。
ちらりと横を見ると、彼は真剣な表情で文字を追っていた。茶色の髪がランプの光に照らされ、柔らかく揺れる。
(こんなに近くで見るの、初めてかも……)
胸の鼓動が早くなるのを必死に抑えながら、私はノートに文字を書き写した。
やがてセドリックが視線を上げ、こちらを見た。
「やっぱり、君もここで詰まった?」
「え?」
彼が指さした段落は、まさに私が理解できずに止まっていた箇所だった。
「僕もここ、難しくてさ。……一緒に考えてみない?」
その言葉に思わず笑みがこぼれる。
優等生で人気者の彼が、こうして肩を並べて同じことで悩んでいるのが、意外で、そして少し嬉しかった。
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