変わる
name change
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「…っ、わ、私もう行くね!」
なまえが勢いよくガタリと席を立ちあがる。
なまえの背中が図書館を出ていくのを、僕はただ見送るしかなかった。
足を動かそうと思えば動かせたのに、追いかけることすら忘れていた。
唇に残る感触が、あまりに鮮烈で。
胸の鼓動が、痛いほどに速くて。
「……なまえ」
名前を呼んでも、もうそこにはいない。
────なまえとは、家が隣同士で小さい頃から当たり前のように一緒に育ってきた。
──木の上に登れないと泣く君の手を引いたこと。
──何気ない日に「ずっと一緒にいようね」とふたりで交わした約束。
──ホグワーツに入ってから、寮が離れても必ず僕を探してくれる姿。
全部、全部が鮮やかによみがえる。
僕はずっと「幼馴染だから」と思い込んでいた。
でも本当は、そうじゃなかったんだ。
クディッチの試合で、一番に探すのは観客席のなまえの姿だった。
課題で眠そうにしていれば、代わりに書いてやりたいと思った。
君が他の誰かと楽しそうにしていれば、胸の奥がざわついて仕方なかった。
全部──ずっと前から、恋だった。
「……僕、なんて鈍いんだ」
ようやく気づいた。
君は、ただの友達じゃない。
僕にとって、世界で一番大切で、特別な人だ。
指先がまた唇に触れる。触れただけの一瞬なのに、すべてを変えてしまった。
逃げてしまった君を、このまま放っておけるはずがない。