風がやわらかい日
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日が沈んだホグワーツの廊下には、まだ生徒たちの笑い声がかすかに残っていた。
けれどなまえとセドリックが足を踏み入れたそこは、別の世界のように静かだった。
「必要の部屋」は、ふたりの気持ちを映したように、今夜だけの“優しい部屋”に姿を変えていた。
木でできた天井に、小さなランタンが灯っている。窓の代わりに、やわらかな光を放つカーテンが揺れていて、室内にはほのかに甘い香りが漂っていた。
大きなクッションソファと、ふたりが並んで眠れそうなベッド。壁際には紅茶の湯気がのぼるポットと、ふたり分のカップが置かれている。
なまえは、そっとベッドの端に座って、小さく息を吐いた。
「……こんなに居心地がいいと、明日戻れなくなりそうだね」
ふと漏れたその言葉に、セドリックが笑いながら答える。
「それなら、毎晩必要な部屋に来ればいい」
「……先生に怒られるよ?」
「君と一緒にいられるなら、怒られてもいいかな」
いつものように軽やかな口調。でも、その瞳にはまっすぐな光が宿っていた。
なまえは照れたように目を伏せて、クッションを抱きしめた。
セドリックはその隣に腰を下ろすと、なまえの髪にそっと手を伸ばし、指先でやさしくなぞる。
「緊張してる?」
「……うん、少しだけ」
正直に答えるなまえに、彼はそれ以上何も言わずに、ただ隣にいてくれる。
その沈黙が、思いのほか心を落ち着かせてくれる。
しばらくそうしているうちに、なまえの緊張が少しずつ解けていく。
やがて、ふたりで紅茶を一杯ずつ分けて飲み、あたたかな空気の中で、時間は静かに流れていった。
灯りが少し落とされたあと、ふたりは自然とベッドに入った。
距離を取りすぎず、でも焦らず――ただお互いの存在を感じられるように、そっと横になって。
なまえは、セドリックの胸に額を寄せた。
彼の心音が静かに響く。ひとつひとつが、とてもやさしい音だった。
「……今日はありがとう」
ぽつりとなまえが言うと、セドリックは一瞬だけ腕に力をこめて、彼女を抱きしめる。
「ありがとうって言うの、僕のほうだよ」
その声に、なまえは小さく笑った。
どちらかが眠るまで、どちらかが眠ったあとも。
この部屋は、ふたりのために、灯りを絶やさずそこにあり続ける。
それだけで、今夜は充分に思えた。
けれどなまえとセドリックが足を踏み入れたそこは、別の世界のように静かだった。
「必要の部屋」は、ふたりの気持ちを映したように、今夜だけの“優しい部屋”に姿を変えていた。
木でできた天井に、小さなランタンが灯っている。窓の代わりに、やわらかな光を放つカーテンが揺れていて、室内にはほのかに甘い香りが漂っていた。
大きなクッションソファと、ふたりが並んで眠れそうなベッド。壁際には紅茶の湯気がのぼるポットと、ふたり分のカップが置かれている。
なまえは、そっとベッドの端に座って、小さく息を吐いた。
「……こんなに居心地がいいと、明日戻れなくなりそうだね」
ふと漏れたその言葉に、セドリックが笑いながら答える。
「それなら、毎晩必要な部屋に来ればいい」
「……先生に怒られるよ?」
「君と一緒にいられるなら、怒られてもいいかな」
いつものように軽やかな口調。でも、その瞳にはまっすぐな光が宿っていた。
なまえは照れたように目を伏せて、クッションを抱きしめた。
セドリックはその隣に腰を下ろすと、なまえの髪にそっと手を伸ばし、指先でやさしくなぞる。
「緊張してる?」
「……うん、少しだけ」
正直に答えるなまえに、彼はそれ以上何も言わずに、ただ隣にいてくれる。
その沈黙が、思いのほか心を落ち着かせてくれる。
しばらくそうしているうちに、なまえの緊張が少しずつ解けていく。
やがて、ふたりで紅茶を一杯ずつ分けて飲み、あたたかな空気の中で、時間は静かに流れていった。
灯りが少し落とされたあと、ふたりは自然とベッドに入った。
距離を取りすぎず、でも焦らず――ただお互いの存在を感じられるように、そっと横になって。
なまえは、セドリックの胸に額を寄せた。
彼の心音が静かに響く。ひとつひとつが、とてもやさしい音だった。
「……今日はありがとう」
ぽつりとなまえが言うと、セドリックは一瞬だけ腕に力をこめて、彼女を抱きしめる。
「ありがとうって言うの、僕のほうだよ」
その声に、なまえは小さく笑った。
どちらかが眠るまで、どちらかが眠ったあとも。
この部屋は、ふたりのために、灯りを絶やさずそこにあり続ける。
それだけで、今夜は充分に思えた。