嘘で解き明かされる真実
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あのやりとりから数ヶ月が経った頃、ホグワーツの空気は、どこか浮ついていた。
三大魔法学校の合同ダンスパーティーが行われるのだ。
大広間では毎日のように誰かが誰かを誘い、断られた話がすぐに噂になる。
なまえは、そんな賑やかな空気の中でひとり、胸の奥を重くしていた。
───セドリックがチョウ・チャンを誘ったらしい。
その話は、偶然耳に入った。
図書室の隅で目的の本を探していたとき、隣の席の女子ふたりがひそひそと話していたのだ。
「やっぱりチョウ・チャンよね。似合うと思ってたの」
「セドリック、優しいし、チョウも礼儀正しいし…ほら、完璧カップルじゃない?」
笑い声と共に語られるその内容に、なまえは凍りついた。
セドリックが——チョウを?
「……そんな」
ひとり言のように呟いても、確証は得られない。彼に聞けばいい。それだけのことなのに。
けれど、胸の奥がそれを許さなかった。
セドリックは優しい。
きっとそれはチョウにも向けられたはずで、ならば、彼女を誘うことだって不思議じゃない。
しかもセドリックは、誰よりも周囲から好かれている人気者だ。
そんな彼の隣に立つのは、自分じゃないのかもしれない。
────
その日の夜、中庭にある像の前で物思いに耽っていると、後ろから声がした。
「なまえ、探したよ」
振り返れば、そこにセドリックがいた。
焦ったような、それでいて少し戸惑ったような表情。彼がこんな顔をするのは珍しかった。
「さっき、君を見かけたって聞いて……その、話がしたくて」
なまえは視線を逸らし、手元の本に目を落とす。ページは読めていない。
「……チョウと、行くんだってね、ダンスパーティー」
わずかな間を置いて、セドリックがゆっくりと言った。
「それ、どこから……?」
なまえは答えず、本を閉じた。
「良かったね。きっと、お似合いだと思う」
笑顔を作ろうとしたけれど、声が震えた。自分でも驚くほど、悔しくて、情けなくて。
「なまえ、待って」
セドリックが手を伸ばしかけたその時、なまえは立ち上がって背を向けた。
「ごめん。……私、もう行くね」
何かを壊してしまいそうで、逃げるようにその場を後にした。背後で、彼が何かを言おうとしていた。
でも、それを聞く勇気はなかった。
その夜、なまえは自分のベッドのカーテンをきつく閉じて、音もなく涙を流した。
私に向けられた彼の優しさは、皆に向けられているもので、きっと特別などでは無かった。
三大魔法学校の合同ダンスパーティーが行われるのだ。
大広間では毎日のように誰かが誰かを誘い、断られた話がすぐに噂になる。
なまえは、そんな賑やかな空気の中でひとり、胸の奥を重くしていた。
───セドリックがチョウ・チャンを誘ったらしい。
その話は、偶然耳に入った。
図書室の隅で目的の本を探していたとき、隣の席の女子ふたりがひそひそと話していたのだ。
「やっぱりチョウ・チャンよね。似合うと思ってたの」
「セドリック、優しいし、チョウも礼儀正しいし…ほら、完璧カップルじゃない?」
笑い声と共に語られるその内容に、なまえは凍りついた。
セドリックが——チョウを?
「……そんな」
ひとり言のように呟いても、確証は得られない。彼に聞けばいい。それだけのことなのに。
けれど、胸の奥がそれを許さなかった。
セドリックは優しい。
きっとそれはチョウにも向けられたはずで、ならば、彼女を誘うことだって不思議じゃない。
しかもセドリックは、誰よりも周囲から好かれている人気者だ。
そんな彼の隣に立つのは、自分じゃないのかもしれない。
────
その日の夜、中庭にある像の前で物思いに耽っていると、後ろから声がした。
「なまえ、探したよ」
振り返れば、そこにセドリックがいた。
焦ったような、それでいて少し戸惑ったような表情。彼がこんな顔をするのは珍しかった。
「さっき、君を見かけたって聞いて……その、話がしたくて」
なまえは視線を逸らし、手元の本に目を落とす。ページは読めていない。
「……チョウと、行くんだってね、ダンスパーティー」
わずかな間を置いて、セドリックがゆっくりと言った。
「それ、どこから……?」
なまえは答えず、本を閉じた。
「良かったね。きっと、お似合いだと思う」
笑顔を作ろうとしたけれど、声が震えた。自分でも驚くほど、悔しくて、情けなくて。
「なまえ、待って」
セドリックが手を伸ばしかけたその時、なまえは立ち上がって背を向けた。
「ごめん。……私、もう行くね」
何かを壊してしまいそうで、逃げるようにその場を後にした。背後で、彼が何かを言おうとしていた。
でも、それを聞く勇気はなかった。
その夜、なまえは自分のベッドのカーテンをきつく閉じて、音もなく涙を流した。
私に向けられた彼の優しさは、皆に向けられているもので、きっと特別などでは無かった。