嘘で解き明かされる真実
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四年目のホグワーツ。
春が近づき、湖の氷が解け始めた頃。
図書室の奥、静かな窓際でなまえは本を読んでいた。けれど、ページをめくる手はずいぶん前から止まっている。
理由は簡単だ。
向かいの席に、セドリック・ディゴリーがいるから。
「……そんなに睨まないでよ。ページ、焦げちゃいそうだ」
セドリックは苦笑して、灰色の瞳で彼女を見た。彼の声は相変わらず穏やかで、けれど、ほんの少しだけ不安が滲んでいる。
「睨んでなんかない。考えてただけ」
なまえは素っ気なく答えたけれど、自分でも語尾が拗ねているのを自覚していた。
——チョウ・チャンと一緒にいるところを見た。
廊下で、何かを渡していた。
ただのやり取りかもしれない。でも、やっぱり気になってしまう。
「……さっきのこと?」
不意に、セドリックが言った。
なまえが驚いて顔を上げると、彼は少し困ったように、けれどまっすぐに彼女を見ていた。
「チョウに渡してたの、図書室の本だよ。呪文学の課題で使うって言ってて。……君、見てたんだよね」
その説明を聞いて、なまえの頬がほんのり熱を帯びた。バカみたいだ。
セドリックとは恋人でもなんでもないのに勝手に拗ねて、勝手に距離を取って。
「僕が君以外の子に何か特別な想いを持ってたら、きっと、すぐに気づくと思う」
「どうして?」
なまえが問い返すと、セドリックは少し照れたように笑って、静かに言った。
「……だって、僕はずっと、君を目で追ってるから」
窓から差し込む夕陽が、彼をやさしく照らしている。胸の奥がぎゅっと締めつけられて、なまえは思わず目をそらした。
セドリックは立ち上がり、彼女の前に歩み寄る。
「ねえ、なまえ。僕とホグズミードに行かない? 今度の休みに」
その声は、真剣で、どこまでもやさしかった。
何度も聞いたはずの名前が、今日は少しだけ違って聞こえた。
なまえはそっと頷いた。
小さな春の予感が、心の奥で芽吹いた気がした。
春が近づき、湖の氷が解け始めた頃。
図書室の奥、静かな窓際でなまえは本を読んでいた。けれど、ページをめくる手はずいぶん前から止まっている。
理由は簡単だ。
向かいの席に、セドリック・ディゴリーがいるから。
「……そんなに睨まないでよ。ページ、焦げちゃいそうだ」
セドリックは苦笑して、灰色の瞳で彼女を見た。彼の声は相変わらず穏やかで、けれど、ほんの少しだけ不安が滲んでいる。
「睨んでなんかない。考えてただけ」
なまえは素っ気なく答えたけれど、自分でも語尾が拗ねているのを自覚していた。
——チョウ・チャンと一緒にいるところを見た。
廊下で、何かを渡していた。
ただのやり取りかもしれない。でも、やっぱり気になってしまう。
「……さっきのこと?」
不意に、セドリックが言った。
なまえが驚いて顔を上げると、彼は少し困ったように、けれどまっすぐに彼女を見ていた。
「チョウに渡してたの、図書室の本だよ。呪文学の課題で使うって言ってて。……君、見てたんだよね」
その説明を聞いて、なまえの頬がほんのり熱を帯びた。バカみたいだ。
セドリックとは恋人でもなんでもないのに勝手に拗ねて、勝手に距離を取って。
「僕が君以外の子に何か特別な想いを持ってたら、きっと、すぐに気づくと思う」
「どうして?」
なまえが問い返すと、セドリックは少し照れたように笑って、静かに言った。
「……だって、僕はずっと、君を目で追ってるから」
窓から差し込む夕陽が、彼をやさしく照らしている。胸の奥がぎゅっと締めつけられて、なまえは思わず目をそらした。
セドリックは立ち上がり、彼女の前に歩み寄る。
「ねえ、なまえ。僕とホグズミードに行かない? 今度の休みに」
その声は、真剣で、どこまでもやさしかった。
何度も聞いたはずの名前が、今日は少しだけ違って聞こえた。
なまえはそっと頷いた。
小さな春の予感が、心の奥で芽吹いた気がした。
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