セドリックと幼なじみ
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試合の熱気がまだ残るホグワーツの廊下。
なまえはグリフィンドールの塔へ戻る途中で、あちこちから聞こえてくる会話に足を止めた。
「セドリック本当にすごかったな! まさにエースって感じだよ」
「ハッフルパフが勝つとは思ってたけど、あんなに圧倒的だとはね」
「セドリックってさ、クィディッチだけじゃなくて成績もいいし、先生たちの信頼も厚いんだよな」
「それに、性格もいいし……ああいう人がモテるんだよねぇ」
「ほんとそれ! しかも顔もいいし!」
本当に、セドリックはすごい。かっこよくて、優しくて、みんなに慕われる人だ。
「今日の試合、ディゴリー先輩、本当にかっこよかったですね!」
「うんうん! やっぱりディゴリー先輩がホグワーツで一番素敵だよ!」
近くの階段のところで、ハッフルパフの女子生徒たちが話しているのが耳に入った。
「ねえ、告白するなら今がチャンスじゃない?」
「ええっ!? でも、ライバル多すぎるよ~!」
「ディゴリー先輩って、好きな人いるのかな……?」
──好きな人。
その言葉に、なまえは無意識に指先をぎゅっと握りしめた。
(……セドリックは、誰かのことを好きになったりするのかな)
考えたこともなかった。
だって、セドリックにとって私は、ただの幼なじみで──妹みたいな存在でしかないのだから。
優しい言葉も、頭を撫でる手も、困ったように微笑む顔も。
全部、“小さな妹”を気遣うみたいなもの。
(……もし、もう好きな人がいたら?)
その考えが、胸の奥で小さな棘になって刺さる。
「……何考えてるんだろ、私」
自分でも理由が分からないこの感情を振り払うように、なまえは足を速めた。
──どうして、こんな気持ちになるのかなんて、考えないようにして。
────
その夜、グリフィンドールの談話室。
暖炉の火が揺れ、賑やかな笑い声が飛び交う中、なまえはふと目の前の双子に視線を向けた。
「ねえ、フレッド、ジョージ」
「おやおや?」
「何だい、お嬢さん?」
フレッドとジョージが、いたずらっぽい笑みを浮かべながらなまえを見る。
「……セドリックって、人気なんだね」
そう言うと、双子は同時に「はぁ?」と眉をひそめた。
「何を今さら!」
「ハッフルパフの光、セドリック・ディゴリー様を知らぬ者なし!」
「そりゃあ知ってるけど……」
「どの寮にもファンクラブがあるって噂だぜ?」
「ハッフルパフの生徒なんか、彼のことを”太陽”って呼んでるとか……?」
「たい、よう……?」
なまえは呆然としながら、昼間に聞いた女子生徒たちの言葉を思い出す。
《「ディゴリー先輩がホグワーツで一番素敵!」「告白するなら今がチャンス!》
「……そっか、やっぱりセドリックのこと、好きな子いっぱいいるんだ」
「当たり前だろ?」
「でもなんだ、なまえ、なんでそんなに浮かない顔してんの?」
フレッドがじっと覗き込んできて、なまえは思わず視線をそらす。
「えっ、べ、別に……ただ、なんか、よく分からないけど胸がざわざわして…」
その言葉に、双子は目を見合わせると、にやっと笑った。
「へぇ~、ざわざわ?」
「そりゃあれだ、ヤキモチってやつじゃない?」
「ヤ、ヤキモチ!?」
思わず大きな声を出すと、近くにいた生徒たちが一瞬こちらを見る。
「ちょ、ちょっと待って、そんなわけないでしょ!? だって私は──」
「幼なじみだから?」
「妹みたいなもんだから?」
フレッドとジョージが言葉を継ぐと、なまえは何も言えなくなった。
「ま、本人が気づいてないなら、それでいいけどよ」
「でもさ、なまえ、もしセドリックが誰かと付き合ったら……どうする?」
ジョージの発言に、なまえは一瞬、思考が止まった。
「……どう、って」
「“よかったね”って笑えるか?」
その問いに、なまえは答えられなかった。胸の奥でざわざわとした気持ちが渦を巻いている。
「おやおや?」
「これは、かなりの重症ですな」
ジョージが大袈裟に頷き、フレッドも深刻そうな顔を作ってみせる。
「うむ、ここは俺たちが、心の隙間を埋めてあげねばなるまい」
「そうだな。セドリックの代わりに、俺たちが君を甘やかしてあげよう!」
「……は?」
なまえがきょとんとしていると、突然、フレッドが優しげな声で囁いた。
「大丈夫、俺たちがいるじゃないか。君の寂しさも、この腕の中で──」
「ちょ、ちょっと!? 何言って──!」
「おっと、フレッドばかりズルいな」
ジョージが肩をすくめると、今度は彼が優雅に手を差し出した。
「さあ、お姫様。セドリックなんて忘れて、俺と踊らないかい?」
「いやいやいや!! なんでそうなるの!?」
なまえが真っ赤になって慌てると、双子は「はははっ!」と声を揃えて笑った。
「可愛い反応だねぇ」
「ま、俺たちの予想どおりだけどな」
ジョージが肩をすくめると、フレッドが楽しそうに頷いた。
「君はもう、俺たちの大事な妹だからね」
「……っ!!」
なまえは思わず頬を押さえた。冗談だと分かっていても、こういう扱いに慣れてないせいかどうしても過剰に反応してしまう。
「ま、とりあえず、悩みがあるなら俺たちに相談しなさいってことさ!」
「そうそう、俺たちの可愛い妹を泣かせるわけにはいかないからね」
そう言って、双子はにこっと笑う。
──セドリックのことを考えると、胸がざわざわする。
でも、こうして双子と話していると、少しだけ気が紛れる気がした。
なまえはグリフィンドールの塔へ戻る途中で、あちこちから聞こえてくる会話に足を止めた。
「セドリック本当にすごかったな! まさにエースって感じだよ」
「ハッフルパフが勝つとは思ってたけど、あんなに圧倒的だとはね」
「セドリックってさ、クィディッチだけじゃなくて成績もいいし、先生たちの信頼も厚いんだよな」
「それに、性格もいいし……ああいう人がモテるんだよねぇ」
「ほんとそれ! しかも顔もいいし!」
本当に、セドリックはすごい。かっこよくて、優しくて、みんなに慕われる人だ。
「今日の試合、ディゴリー先輩、本当にかっこよかったですね!」
「うんうん! やっぱりディゴリー先輩がホグワーツで一番素敵だよ!」
近くの階段のところで、ハッフルパフの女子生徒たちが話しているのが耳に入った。
「ねえ、告白するなら今がチャンスじゃない?」
「ええっ!? でも、ライバル多すぎるよ~!」
「ディゴリー先輩って、好きな人いるのかな……?」
──好きな人。
その言葉に、なまえは無意識に指先をぎゅっと握りしめた。
(……セドリックは、誰かのことを好きになったりするのかな)
考えたこともなかった。
だって、セドリックにとって私は、ただの幼なじみで──妹みたいな存在でしかないのだから。
優しい言葉も、頭を撫でる手も、困ったように微笑む顔も。
全部、“小さな妹”を気遣うみたいなもの。
(……もし、もう好きな人がいたら?)
その考えが、胸の奥で小さな棘になって刺さる。
「……何考えてるんだろ、私」
自分でも理由が分からないこの感情を振り払うように、なまえは足を速めた。
──どうして、こんな気持ちになるのかなんて、考えないようにして。
────
その夜、グリフィンドールの談話室。
暖炉の火が揺れ、賑やかな笑い声が飛び交う中、なまえはふと目の前の双子に視線を向けた。
「ねえ、フレッド、ジョージ」
「おやおや?」
「何だい、お嬢さん?」
フレッドとジョージが、いたずらっぽい笑みを浮かべながらなまえを見る。
「……セドリックって、人気なんだね」
そう言うと、双子は同時に「はぁ?」と眉をひそめた。
「何を今さら!」
「ハッフルパフの光、セドリック・ディゴリー様を知らぬ者なし!」
「そりゃあ知ってるけど……」
「どの寮にもファンクラブがあるって噂だぜ?」
「ハッフルパフの生徒なんか、彼のことを”太陽”って呼んでるとか……?」
「たい、よう……?」
なまえは呆然としながら、昼間に聞いた女子生徒たちの言葉を思い出す。
《「ディゴリー先輩がホグワーツで一番素敵!」「告白するなら今がチャンス!》
「……そっか、やっぱりセドリックのこと、好きな子いっぱいいるんだ」
「当たり前だろ?」
「でもなんだ、なまえ、なんでそんなに浮かない顔してんの?」
フレッドがじっと覗き込んできて、なまえは思わず視線をそらす。
「えっ、べ、別に……ただ、なんか、よく分からないけど胸がざわざわして…」
その言葉に、双子は目を見合わせると、にやっと笑った。
「へぇ~、ざわざわ?」
「そりゃあれだ、ヤキモチってやつじゃない?」
「ヤ、ヤキモチ!?」
思わず大きな声を出すと、近くにいた生徒たちが一瞬こちらを見る。
「ちょ、ちょっと待って、そんなわけないでしょ!? だって私は──」
「幼なじみだから?」
「妹みたいなもんだから?」
フレッドとジョージが言葉を継ぐと、なまえは何も言えなくなった。
「ま、本人が気づいてないなら、それでいいけどよ」
「でもさ、なまえ、もしセドリックが誰かと付き合ったら……どうする?」
ジョージの発言に、なまえは一瞬、思考が止まった。
「……どう、って」
「“よかったね”って笑えるか?」
その問いに、なまえは答えられなかった。胸の奥でざわざわとした気持ちが渦を巻いている。
「おやおや?」
「これは、かなりの重症ですな」
ジョージが大袈裟に頷き、フレッドも深刻そうな顔を作ってみせる。
「うむ、ここは俺たちが、心の隙間を埋めてあげねばなるまい」
「そうだな。セドリックの代わりに、俺たちが君を甘やかしてあげよう!」
「……は?」
なまえがきょとんとしていると、突然、フレッドが優しげな声で囁いた。
「大丈夫、俺たちがいるじゃないか。君の寂しさも、この腕の中で──」
「ちょ、ちょっと!? 何言って──!」
「おっと、フレッドばかりズルいな」
ジョージが肩をすくめると、今度は彼が優雅に手を差し出した。
「さあ、お姫様。セドリックなんて忘れて、俺と踊らないかい?」
「いやいやいや!! なんでそうなるの!?」
なまえが真っ赤になって慌てると、双子は「はははっ!」と声を揃えて笑った。
「可愛い反応だねぇ」
「ま、俺たちの予想どおりだけどな」
ジョージが肩をすくめると、フレッドが楽しそうに頷いた。
「君はもう、俺たちの大事な妹だからね」
「……っ!!」
なまえは思わず頬を押さえた。冗談だと分かっていても、こういう扱いに慣れてないせいかどうしても過剰に反応してしまう。
「ま、とりあえず、悩みがあるなら俺たちに相談しなさいってことさ!」
「そうそう、俺たちの可愛い妹を泣かせるわけにはいかないからね」
そう言って、双子はにこっと笑う。
──セドリックのことを考えると、胸がざわざわする。
でも、こうして双子と話していると、少しだけ気が紛れる気がした。