セドリックと幼なじみ
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大広間は、普段の面影がまるでなかった。長テーブルは片付けられ、中央には立派な舞台が設けられている。
天井からの光がゆっくりと舞台を照らし、生徒たちのざわめきが辺りに広がっていた。
「……これ、本当に大丈夫なのかな」
私は、隣で立つセドリックにそっと問いかける。すると彼は少しだけ肩をすくめて、小さく笑った。
「ロックハート先生の言う“本格的な決闘クラブ”が、どれくらい本格的かは怪しいけどね。僕は、スネイプ先生がロックハート先生の相手っていうほうが心配かも」
「……わかる」
心から同意した。
壇上ではロックハート先生が、自慢げに金色のローブをひらめかせながら喋り続けていた。
得意げに笑うロックハート先生の横で、スネイプ先生が限界ギリギリといった様子で腕を組んでいる。
「皆さん、今宵は特別な夜です! あの《闇の魔術に対する防衛術》の達人、ギルデロイ・ロックハートが、皆さんに“決闘の極意”をお教えします!」
──はいはい、達人。
思わず心の中でつっこみながらも、セドリックと顔を見合わせる。彼も堪えきれずに笑っていた。
けれど、ロックハート先生が「さあ、お手本を」とスネイプ先生と向かい合った途端、空気が変わった。
「エクスペリアームス!」
鋭いスネイプ先生の声が響いたかと思うと、次の瞬間、ロックハート先生の杖が宙を舞っていた。
「おわっ!」
大げさにひっくり返るロックハート先生を見て、生徒たちからくすくすと笑い声が漏れる。セドリックも小さく吹き出していた。
「……やっぱり、ああなるよね」
「うん、想像通りだった」
私たちは目を合わせて、ひそひそと笑い合う。こんな風に、自然に笑い合えることが少し嬉しかった。
その後、生徒たちはペアを組んで、模擬決闘をすることに。
「一緒にやる?」
セドリックが穏やかな笑みで言った。
「う、うん!よろしくお願いします、セドリック先輩!」
「“先輩”って、何だかくすぐったいな」
構えをとるセドリックの顔は、どこか楽しそうだった。
「準備はいい?」
「いつでも!」
ロックハート先生の「はじめ!」という掛け声と共に、私たちは杖を交えた。
「リクタスセンプラ!」
「プロテゴ!」
私の呪文は、セドリックにきれいに防がれる。軽い気持ちで放ったつもりだったのに、彼はしっかりと構えていて、少しだけ悔しかった。
「やるね。じゃあ僕も――ステューピファイ!」
反撃の呪文。咄嗟に私は横へ転がるように避けた。呪文の光がすぐそばをかすめて、空気がピリッと震える。
「うわっ……!」
地面の冷たさと、観客のざわめきが同時に背中を突き上げる。立ち上がると、セドリックが心配そうに眉をひそめていた。
「大丈夫?」
「う、うん! まだまだいける!」
少しふらつきながらも笑ってみせると、セドリックはどこか安堵したように口角を上げた。
「無理はしないで。でも……容赦はしないよ」
その声は優しいのに、どこか挑むような響きがあった。
「もう、ずるい……!」
「え、何が?」
「その余裕な感じ!」
言い返しながらも、私は内心ちょっと嬉しかった。彼の本気に触れている気がして。
でも、それもつかの間だった。
「ごめん。でも、そろそろ…終わりかな」
その声と同時に、セドリックの動きが変わる。
一瞬、目が合った。彼の瞳が、ふっと揺れる。
「エクスペリアームス!」
眩しい光――次の瞬間、私の手から杖が吹き飛んだ。
「──!」
杖は宙をくるくると舞い、セドリックの手元へと吸い込まれるように収まった。
時間が止まったような気がした。
静かな歓声。張り詰めていた緊張がほどけて、ようやく息を吐いた。
「ありがとう。楽しかった」
セドリックが、少しだけ息を切らしながら、優しく微笑んでくれる。
「……ちょっとだけ、悔しい。でも……さすがだね、セドリック」
自然と漏れたその言葉に、セドリックは一瞬目を見開いてから、ふっと照れくさそうに笑った。
「そ、そう? ……つい、君に良いとこ見せたくなっちゃって」
「え?」
「いや、その……ごめん。本気出しすぎたかも」
「ううん。手加減されるより、ずっと嬉しい」
差し出された私の杖を受け取る。
その瞬間、指先に触れたぬくもりが、じんわりと心まで伝わってきた。
受け取った杖よりも、セドリックの手の温もりが、まだ指先に残っている気がして、胸がふわっと熱くなる。
セドリックとの模擬戦を終えたばかりの私は、少し息を整えながら観客席に戻った。
天井からの光がゆっくりと舞台を照らし、生徒たちのざわめきが辺りに広がっていた。
「……これ、本当に大丈夫なのかな」
私は、隣で立つセドリックにそっと問いかける。すると彼は少しだけ肩をすくめて、小さく笑った。
「ロックハート先生の言う“本格的な決闘クラブ”が、どれくらい本格的かは怪しいけどね。僕は、スネイプ先生がロックハート先生の相手っていうほうが心配かも」
「……わかる」
心から同意した。
壇上ではロックハート先生が、自慢げに金色のローブをひらめかせながら喋り続けていた。
得意げに笑うロックハート先生の横で、スネイプ先生が限界ギリギリといった様子で腕を組んでいる。
「皆さん、今宵は特別な夜です! あの《闇の魔術に対する防衛術》の達人、ギルデロイ・ロックハートが、皆さんに“決闘の極意”をお教えします!」
──はいはい、達人。
思わず心の中でつっこみながらも、セドリックと顔を見合わせる。彼も堪えきれずに笑っていた。
けれど、ロックハート先生が「さあ、お手本を」とスネイプ先生と向かい合った途端、空気が変わった。
「エクスペリアームス!」
鋭いスネイプ先生の声が響いたかと思うと、次の瞬間、ロックハート先生の杖が宙を舞っていた。
「おわっ!」
大げさにひっくり返るロックハート先生を見て、生徒たちからくすくすと笑い声が漏れる。セドリックも小さく吹き出していた。
「……やっぱり、ああなるよね」
「うん、想像通りだった」
私たちは目を合わせて、ひそひそと笑い合う。こんな風に、自然に笑い合えることが少し嬉しかった。
その後、生徒たちはペアを組んで、模擬決闘をすることに。
「一緒にやる?」
セドリックが穏やかな笑みで言った。
「う、うん!よろしくお願いします、セドリック先輩!」
「“先輩”って、何だかくすぐったいな」
構えをとるセドリックの顔は、どこか楽しそうだった。
「準備はいい?」
「いつでも!」
ロックハート先生の「はじめ!」という掛け声と共に、私たちは杖を交えた。
「リクタスセンプラ!」
「プロテゴ!」
私の呪文は、セドリックにきれいに防がれる。軽い気持ちで放ったつもりだったのに、彼はしっかりと構えていて、少しだけ悔しかった。
「やるね。じゃあ僕も――ステューピファイ!」
反撃の呪文。咄嗟に私は横へ転がるように避けた。呪文の光がすぐそばをかすめて、空気がピリッと震える。
「うわっ……!」
地面の冷たさと、観客のざわめきが同時に背中を突き上げる。立ち上がると、セドリックが心配そうに眉をひそめていた。
「大丈夫?」
「う、うん! まだまだいける!」
少しふらつきながらも笑ってみせると、セドリックはどこか安堵したように口角を上げた。
「無理はしないで。でも……容赦はしないよ」
その声は優しいのに、どこか挑むような響きがあった。
「もう、ずるい……!」
「え、何が?」
「その余裕な感じ!」
言い返しながらも、私は内心ちょっと嬉しかった。彼の本気に触れている気がして。
でも、それもつかの間だった。
「ごめん。でも、そろそろ…終わりかな」
その声と同時に、セドリックの動きが変わる。
一瞬、目が合った。彼の瞳が、ふっと揺れる。
「エクスペリアームス!」
眩しい光――次の瞬間、私の手から杖が吹き飛んだ。
「──!」
杖は宙をくるくると舞い、セドリックの手元へと吸い込まれるように収まった。
時間が止まったような気がした。
静かな歓声。張り詰めていた緊張がほどけて、ようやく息を吐いた。
「ありがとう。楽しかった」
セドリックが、少しだけ息を切らしながら、優しく微笑んでくれる。
「……ちょっとだけ、悔しい。でも……さすがだね、セドリック」
自然と漏れたその言葉に、セドリックは一瞬目を見開いてから、ふっと照れくさそうに笑った。
「そ、そう? ……つい、君に良いとこ見せたくなっちゃって」
「え?」
「いや、その……ごめん。本気出しすぎたかも」
「ううん。手加減されるより、ずっと嬉しい」
差し出された私の杖を受け取る。
その瞬間、指先に触れたぬくもりが、じんわりと心まで伝わってきた。
受け取った杖よりも、セドリックの手の温もりが、まだ指先に残っている気がして、胸がふわっと熱くなる。
セドリックとの模擬戦を終えたばかりの私は、少し息を整えながら観客席に戻った。