セドリックと幼なじみ
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それからあっという間に数週間が過ぎ、ホグワーツは冬の冷たい匂いに包まれていた。
──セドリックの隣に座った、中庭の午後。
(──君に会えないかなって、待ってた。)
あの言葉を、何度思い返しただろう。
(……ごめん。ちょっと変だったよね。気にしないで)
ほんの少しだけ体をずらして、触れそうだった距離を遠ざけたセドリックの横顔が、今も心に残っている。
他の誰にでも言える冗談も、軽口も、セドリックには通じない。
どんな言葉もまっすぐに受け止められてしまうから──
自分の心が、先に揺れてしまう。
「……はぁ」
そんなことを考えていたせいで、目の前の大鍋から漂う独特の匂いにも、しばらく気づかなかった。
「ちょっと、なまえ!ボーッとしてないで。温度、見ててって言ったじゃない!」
「ご、ごめん、ハーマイオニー!」
慌てて混ぜ棒を取って、大鍋をぐるぐるとかき混ぜる。
凍える風が石壁の隙間をすり抜ける中、なまえはハーマイオニー、ハリー、ロンと一緒に、人けのない女子トイレでポリジュース薬の調合に没頭していた。
昼間でもひっそりとしたこのトイレは、密かに薬を作るのにうってつけの場所だった。
四人はひそひそと声を潜め、秘密の部屋の謎を解く手がかりを得るため、慎重に作業を進めていた。
「コリンが石にされたって、聞いた?」
ハリーが突然口を開いた。皆が手を止めて、彼の方を見つめる。ハリーの顔は真剣そのものだった。
「あの夜、医務室にいたとき、先生たちがコリンを運んできたんだ。ダンブルドアが言ってた。秘密の部屋が再び開かれたって」
なまえはハーマイオニーの隣で材料を量っていたが、その言葉に耳を傾け、胸に重い響きを感じた。
「再び開かれたって……前にも開かれたことがあるって事?」
「決まってるだろ。ルシウス・マルフォイが学生時代に開けたんだ。で、ドラコにその方法を教えたんだよ」
ロンが気まずそうに肩をすくめながら言う。なまえの心に、鋭い痛みが走った。
(ドラコが……本当に?)
かつて優しく笑いかけてくれたドラコが、スリザリンの継承者だなんて。
もし本当なら――私はどうすればいいのだろう。胸の奥で、こう願わずにはいられなかった。
(どうか…ドラコが継承者じゃありませんように)
「そうかもしれないわ。ポリジュース薬が完成すれば、確かめられる」
ハーマイオニーの冷静な声が響き、なまえも小さく頷いた。一刻も早く、真実を突き止めなきゃ。
「でもさ、こんなとこで昼間っから薬作ってて大丈夫か? 女子トイレのど真ん中だぞ。誰かに見つからない?」
ロンが不安げに辺りを見回しながら言う。なまえはハーマイオニーとちらりと目を合わせ、にっこり笑った。
「ふふ、大丈夫だよ、ロン。ここには誰も来ないもん」
「なんで?」
ロンが怪訝そうに首をかしげると、なまえは少し得意げに答えた。
「嘆きのマートルよ」
「マートルって誰?」
ロンがぽかんとした顔で聞き返す。その瞬間、トイレの奥からすすり泣きが響き、突然、半透明のゴーストが現れた。
ゴーストがくるりと振り返り、涙に濡れた目で彼らを睨んだ。
「私が嘆きのマートルよ!」
その声は低く、悲しみに震えていた。
「どうせ私のことなんて知らないんでしょ! 誰も私の話なんかしない! 惨めなメソメソマートルのことなんて!」
マートルは声を荒げ、嘆きながらトイレの奥の個室へと消えていった。
彼女が去った後、トイレに残ったのは、ひんやりとした静けさとロンの呆然とした顔だけだった。
「傷つきやすい子なの」
ハーマイオニーが肩をすくめて言う。
「よし、気を取り直して、早く薬を仕上げよう」
なまえが声をかけると、ハーマイオニーは再び鍋に集中し、慎重に薬をかき混ぜ始めた。なまえは彼女の指示に従い、次の材料を準備する。
(お願い、ドラコは関係ありませんように……。でも、もしそうなら──私が止めなきゃ)
ポリジュース薬の完成は、真実への第一歩だ。不安と決意が交錯する中、なまえはハーマイオニーの横で静かに手を動かした。
──セドリックの隣に座った、中庭の午後。
(──君に会えないかなって、待ってた。)
あの言葉を、何度思い返しただろう。
(……ごめん。ちょっと変だったよね。気にしないで)
ほんの少しだけ体をずらして、触れそうだった距離を遠ざけたセドリックの横顔が、今も心に残っている。
他の誰にでも言える冗談も、軽口も、セドリックには通じない。
どんな言葉もまっすぐに受け止められてしまうから──
自分の心が、先に揺れてしまう。
「……はぁ」
そんなことを考えていたせいで、目の前の大鍋から漂う独特の匂いにも、しばらく気づかなかった。
「ちょっと、なまえ!ボーッとしてないで。温度、見ててって言ったじゃない!」
「ご、ごめん、ハーマイオニー!」
慌てて混ぜ棒を取って、大鍋をぐるぐるとかき混ぜる。
凍える風が石壁の隙間をすり抜ける中、なまえはハーマイオニー、ハリー、ロンと一緒に、人けのない女子トイレでポリジュース薬の調合に没頭していた。
昼間でもひっそりとしたこのトイレは、密かに薬を作るのにうってつけの場所だった。
四人はひそひそと声を潜め、秘密の部屋の謎を解く手がかりを得るため、慎重に作業を進めていた。
「コリンが石にされたって、聞いた?」
ハリーが突然口を開いた。皆が手を止めて、彼の方を見つめる。ハリーの顔は真剣そのものだった。
「あの夜、医務室にいたとき、先生たちがコリンを運んできたんだ。ダンブルドアが言ってた。秘密の部屋が再び開かれたって」
なまえはハーマイオニーの隣で材料を量っていたが、その言葉に耳を傾け、胸に重い響きを感じた。
「再び開かれたって……前にも開かれたことがあるって事?」
「決まってるだろ。ルシウス・マルフォイが学生時代に開けたんだ。で、ドラコにその方法を教えたんだよ」
ロンが気まずそうに肩をすくめながら言う。なまえの心に、鋭い痛みが走った。
(ドラコが……本当に?)
かつて優しく笑いかけてくれたドラコが、スリザリンの継承者だなんて。
もし本当なら――私はどうすればいいのだろう。胸の奥で、こう願わずにはいられなかった。
(どうか…ドラコが継承者じゃありませんように)
「そうかもしれないわ。ポリジュース薬が完成すれば、確かめられる」
ハーマイオニーの冷静な声が響き、なまえも小さく頷いた。一刻も早く、真実を突き止めなきゃ。
「でもさ、こんなとこで昼間っから薬作ってて大丈夫か? 女子トイレのど真ん中だぞ。誰かに見つからない?」
ロンが不安げに辺りを見回しながら言う。なまえはハーマイオニーとちらりと目を合わせ、にっこり笑った。
「ふふ、大丈夫だよ、ロン。ここには誰も来ないもん」
「なんで?」
ロンが怪訝そうに首をかしげると、なまえは少し得意げに答えた。
「嘆きのマートルよ」
「マートルって誰?」
ロンがぽかんとした顔で聞き返す。その瞬間、トイレの奥からすすり泣きが響き、突然、半透明のゴーストが現れた。
ゴーストがくるりと振り返り、涙に濡れた目で彼らを睨んだ。
「私が嘆きのマートルよ!」
その声は低く、悲しみに震えていた。
「どうせ私のことなんて知らないんでしょ! 誰も私の話なんかしない! 惨めなメソメソマートルのことなんて!」
マートルは声を荒げ、嘆きながらトイレの奥の個室へと消えていった。
彼女が去った後、トイレに残ったのは、ひんやりとした静けさとロンの呆然とした顔だけだった。
「傷つきやすい子なの」
ハーマイオニーが肩をすくめて言う。
「よし、気を取り直して、早く薬を仕上げよう」
なまえが声をかけると、ハーマイオニーは再び鍋に集中し、慎重に薬をかき混ぜ始めた。なまえは彼女の指示に従い、次の材料を準備する。
(お願い、ドラコは関係ありませんように……。でも、もしそうなら──私が止めなきゃ)
ポリジュース薬の完成は、真実への第一歩だ。不安と決意が交錯する中、なまえはハーマイオニーの横で静かに手を動かした。