セドリックと幼なじみ
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朝の空気は少し冷たくて、吐いた息が白くなる。でもなまえの心は、昨日よりずっと澄んでいた。
ホグワーツの前庭で待っていたセドリックが、なまえを見つけて微笑む。
「おはよう、なまえ。……今日はなんだか、いい顔してるね」
その一言に、なまえも思わず笑みを返す。
「おはよう、セドリック。うん、ちょっと気持ちがスッキリしたの。ドラコとは……結局ちゃんと話せなかったけど」
歩き出しながら、なまえは前を向いて続けた。
「でもね、今やるべきことが見えてきたから。それが解決出来たら、もう一度、ドラコと話してみようって思ってるの」
セドリックは少し驚いたようになまえを見て、それからゆっくりと頷いた。
「……そっか。うん、それでいいと思う。君なら、きっと大丈夫だよ」
その声が優しくて、まっすぐで、なまえの胸に温かく広がった。
「ありがとう、セドリック」
「ふふ、どういたしまして」
冷たい風が頬をかすめる中で、ふたりの歩幅が自然と重なっていた。
────
ふたりはグリフィンドール側の観覧席に並んで座り、やがて試合が始まった。
スリザリンは最新型の箒、ニンバス2001を揃えていて、空中での機動力がまるで違う。試合はスリザリン優勢に進み、グリフィンドール側の空気はどこか張り詰めていた。
風を切るホウキの音、歓声、そして──鋭い金属音とともに飛ぶ、ブラッジャー。
「ねぇ、セドリック。あのブラッジャー、さっきから……ハリーばっかり狙ってる気がするんだけど…」
私は隣のセドリックに小声で言った。彼は真剣なまなざしで空を見上げ、頷く。
「うん。普通じゃない。ブラッジャーが誰かに操られてるみたいだね」
フレッドとジョージが左右にぴったり張りついて、ハリーを守るように飛んでいた。
彼らのバットが鋭くブラッジャーを叩き返すたび、客席からもどよめきが起きる。でも、いくら打ち返しても、すぐまたハリーに向かってくる。
あのブラッジャーは、明らかに“ハリーだけ”を狙ってる。
(おかしい……これは、絶対……)
不安が胸に広がる中、ハリーが双子に向かって叫んだ。
「もういい!僕は大丈夫!戻って、プレイして!」
ハリーは思うようにプレーする事の出来ない双子を気遣っているようだった。
フレッドとジョージがためらいながらも距離を取り、再び通常の位置へ戻った瞬間──
ドンッ!
「……っ!」
鋭い衝撃音に、私の心臓が跳ねた。空中でハリーが大きくよろめき、右腕を抱え込むようにして身体を丸めた。
「ハリー……! 腕……っ、当たった……!」
セドリックも息を呑んだ。
でも、ハリーはまだ落ちない。落ちるどころか──追っていたスニッチを、逃がさなかった。
右腕はぶらりと垂れ、明らかに力が入らない。
それでも、彼は左手だけでホウキを操り、片手でバランスを取ったまま、スニッチを追い続けた。
「……うそ。行くの? あの状態で……!」
手に汗が滲む。観客席は静まり返って、誰もが彼の動きに釘付けだった。
そして──
「捕った!!」
歓声が爆発した。グリフィンドールの勝利。
ハリーは左手にスニッチを握ったまま、地上にふらふらと降り立つ。
でも次の瞬間、その場に倒れ込んだ。
「ハリー!」
私はセドリックと一緒に立ち上がり、階段を駆け下りてフィールドへ走る。
ハリーの右腕は、ひどく腫れていた。骨が折れているのが、誰の目にも明らかだった。
「ポッター君、大丈夫かね? おっと、私に任せたまえ!」
ギルデロイ・ロックハート。
金髪をかき上げ、妙に自信満々に杖を構える。
「えっ、先生、やめて…ほっておいて!」
止める間もなく、ロックハートが叫んだ。
「ブラキアム・エンメンドー!」
杖の光がハリーの腕に走る。
……次の瞬間、ぐにゃり。
「えっ……えっ……?」
ロックハートの呪文が炸裂した瞬間、ハリーの右腕がぐにゃりと不自然に垂れ下がったのを見て、私は思わず息を呑んだ。
「げぇ!骨がなくなっちゃったぞ……!」
ジョージが顔をしかめ、フレッドは短く鼻で笑った。
「さすが我らがロックハート先生。骨折の一本も治せないとはな」
皮肉と呆れの入り混じった声。けれどその瞳には、深い心配がにじんでいた。
「ごめんな、ハリー。守ってやれなくて」
フレッドが、ハリーのすぐ隣にしゃがみ込んで、ぽつりと呟いた。ジョージも隣に立ったまま、拳を握りしめている。
ハリーは少しだけ眉を下げて、二人に微笑んだ。
「いや、十分守ってくれたよ。ありがとう」
それ以上、言葉はいらなかった。
試合の勝者であるはずのハリーは、静かに担架に乗せられ、医務室へと運ばれていく。
その後ろを、私とセドリックもついて歩いた。セドリックは私の歩調に合わせて、黙って横にいてくれる。彼の優しさが、言葉よりも強く伝わってくる。
ふと視線を巡らせると、ドラコの姿が見えた。唇を噛み、悔しそうに地面を睨んでいる。
声をかけようかと、迷った。でも――今は違う。私は小さく息を吸って、気持ちを押し込める。
「……行こう」
そう呟いて、セドリックとともに、医務室へと向かった。
ホグワーツの前庭で待っていたセドリックが、なまえを見つけて微笑む。
「おはよう、なまえ。……今日はなんだか、いい顔してるね」
その一言に、なまえも思わず笑みを返す。
「おはよう、セドリック。うん、ちょっと気持ちがスッキリしたの。ドラコとは……結局ちゃんと話せなかったけど」
歩き出しながら、なまえは前を向いて続けた。
「でもね、今やるべきことが見えてきたから。それが解決出来たら、もう一度、ドラコと話してみようって思ってるの」
セドリックは少し驚いたようになまえを見て、それからゆっくりと頷いた。
「……そっか。うん、それでいいと思う。君なら、きっと大丈夫だよ」
その声が優しくて、まっすぐで、なまえの胸に温かく広がった。
「ありがとう、セドリック」
「ふふ、どういたしまして」
冷たい風が頬をかすめる中で、ふたりの歩幅が自然と重なっていた。
────
ふたりはグリフィンドール側の観覧席に並んで座り、やがて試合が始まった。
スリザリンは最新型の箒、ニンバス2001を揃えていて、空中での機動力がまるで違う。試合はスリザリン優勢に進み、グリフィンドール側の空気はどこか張り詰めていた。
風を切るホウキの音、歓声、そして──鋭い金属音とともに飛ぶ、ブラッジャー。
「ねぇ、セドリック。あのブラッジャー、さっきから……ハリーばっかり狙ってる気がするんだけど…」
私は隣のセドリックに小声で言った。彼は真剣なまなざしで空を見上げ、頷く。
「うん。普通じゃない。ブラッジャーが誰かに操られてるみたいだね」
フレッドとジョージが左右にぴったり張りついて、ハリーを守るように飛んでいた。
彼らのバットが鋭くブラッジャーを叩き返すたび、客席からもどよめきが起きる。でも、いくら打ち返しても、すぐまたハリーに向かってくる。
あのブラッジャーは、明らかに“ハリーだけ”を狙ってる。
(おかしい……これは、絶対……)
不安が胸に広がる中、ハリーが双子に向かって叫んだ。
「もういい!僕は大丈夫!戻って、プレイして!」
ハリーは思うようにプレーする事の出来ない双子を気遣っているようだった。
フレッドとジョージがためらいながらも距離を取り、再び通常の位置へ戻った瞬間──
ドンッ!
「……っ!」
鋭い衝撃音に、私の心臓が跳ねた。空中でハリーが大きくよろめき、右腕を抱え込むようにして身体を丸めた。
「ハリー……! 腕……っ、当たった……!」
セドリックも息を呑んだ。
でも、ハリーはまだ落ちない。落ちるどころか──追っていたスニッチを、逃がさなかった。
右腕はぶらりと垂れ、明らかに力が入らない。
それでも、彼は左手だけでホウキを操り、片手でバランスを取ったまま、スニッチを追い続けた。
「……うそ。行くの? あの状態で……!」
手に汗が滲む。観客席は静まり返って、誰もが彼の動きに釘付けだった。
そして──
「捕った!!」
歓声が爆発した。グリフィンドールの勝利。
ハリーは左手にスニッチを握ったまま、地上にふらふらと降り立つ。
でも次の瞬間、その場に倒れ込んだ。
「ハリー!」
私はセドリックと一緒に立ち上がり、階段を駆け下りてフィールドへ走る。
ハリーの右腕は、ひどく腫れていた。骨が折れているのが、誰の目にも明らかだった。
「ポッター君、大丈夫かね? おっと、私に任せたまえ!」
ギルデロイ・ロックハート。
金髪をかき上げ、妙に自信満々に杖を構える。
「えっ、先生、やめて…ほっておいて!」
止める間もなく、ロックハートが叫んだ。
「ブラキアム・エンメンドー!」
杖の光がハリーの腕に走る。
……次の瞬間、ぐにゃり。
「えっ……えっ……?」
ロックハートの呪文が炸裂した瞬間、ハリーの右腕がぐにゃりと不自然に垂れ下がったのを見て、私は思わず息を呑んだ。
「げぇ!骨がなくなっちゃったぞ……!」
ジョージが顔をしかめ、フレッドは短く鼻で笑った。
「さすが我らがロックハート先生。骨折の一本も治せないとはな」
皮肉と呆れの入り混じった声。けれどその瞳には、深い心配がにじんでいた。
「ごめんな、ハリー。守ってやれなくて」
フレッドが、ハリーのすぐ隣にしゃがみ込んで、ぽつりと呟いた。ジョージも隣に立ったまま、拳を握りしめている。
ハリーは少しだけ眉を下げて、二人に微笑んだ。
「いや、十分守ってくれたよ。ありがとう」
それ以上、言葉はいらなかった。
試合の勝者であるはずのハリーは、静かに担架に乗せられ、医務室へと運ばれていく。
その後ろを、私とセドリックもついて歩いた。セドリックは私の歩調に合わせて、黙って横にいてくれる。彼の優しさが、言葉よりも強く伝わってくる。
ふと視線を巡らせると、ドラコの姿が見えた。唇を噛み、悔しそうに地面を睨んでいる。
声をかけようかと、迷った。でも――今は違う。私は小さく息を吸って、気持ちを押し込める。
「……行こう」
そう呟いて、セドリックとともに、医務室へと向かった。