セドリックと幼なじみ
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ジョージと談話室の入り口まで戻ってくると、ふたりで顔を見合わせ、ふっと笑った。
「……なあ、なまえ」
「うん?」
「おやすみのハグ、してやろうか?……今日の君には、特別サービス」
冗談めかして片眉を上げるジョージに、私は少しだけ驚いて、それから思わず微笑んだ。
「じゃあ……お願いしようかな」
そう言うと、ジョージはほんの少し驚いたように目を丸くした。
「おっと、素直すぎて照れるやつだな、こりゃ」
そう言いながらも、ジョージはそっと腕を広げた。私はその胸の中にすっと飛び込むようにして、短く抱きしめ合った。
あたたかくて、優しいハグ。ふわりと肩の力が抜けて、心の奥に溜まっていた小さなわだかまりが溶けていく気がした。
「おやすみ、ジョージ。ありがとう。」
「どういたしまして。おやすみ、お姫様。」
柔らかく微笑んで、ジョージは階段を上っていった。ジョージの背中を見送って、ふっと笑みがこぼれた、その瞬間──
「……あれ?今のってさ、うちの兄貴と……ハグ、してた?」
振り返ると、談話室のソファに座っていたロンが、目をまんまるにしてこっちを見ていた。
その隣で、ハリーとハーマイオニーも、無言のままこくこくと頷いていた。
「っ……見てたの?」
「見えるだろ!?あんな堂々とド真ん中で!てか何!?あれは何!?兄貴とラブな別れの儀式!?」
「ち、違う!ただジョージが──」
「何が違うんだ!?“おやすみのハグしてやろうか?”って、そういう関係じゃなきゃ出てこないセリフじゃないか!」
「ちが──うってば!」
「なに!?じゃあ今度から、僕も“おやすみのハグ”していいのか!?なあハーマイオニー!」
「巻き込まないでよ、ロン!」
「ほら見ろよハーマイオニーだって困ってんだぞ!てか、なまえ……君、まさか“ウィーズリー兄弟”で選び放題しようとしてないよな!?うち、大家族だからって調子に乗るなよ!」
「だから違うってば!!」
思わず叫ぶと、談話室にいた何人かがこっちを見て吹き出した。ハリーも笑いをこらえながら、ぽんと私の肩を叩く。
「元気そうで何より。……でも、気をつけたほうがいいよ。きっとジョージが本気で口説いてきたら止まらないから」
「ハリーまで!」
そのやりとりに、ハーマイオニーはふふっと笑い、ロンはまだニヤニヤしながら小声で「兄貴に何かされたら、僕に言えよな」なんて付け加えてくる。
「もう……! みんなして……!」
でも、なんだかその空気が嬉しかった。ほんの少し前まで胸の奥が重かったはずなのに、今はこうして笑えてる。
そして私は、深く息をついて、話題を切り替えるように問いかけた。
「…ところで、3人で何の話をしてたの?」
私がそう尋ねると、ハーマイオニーが声をひそめて答えた。
「実はね、今スリザリンの継承者について調べているの。――あの“秘密の部屋”を開いた人物よ」
その言葉に、胸の奥がすっと冷たくなる。
「それって……例の事件の犯人ってこと?」
ハーマイオニーが真剣な眼差しで頷く。
「そうよ。その人物を突き止めれば、次の被害を防げると思って」
ロンが顔をしかめながら言った。
「今のところ、一番怪しいのはマルフォイだ。あいつ、“次はお前たちだ”とか言ってただろう?」
私は一瞬、息を飲んだ。
ドラコの名前が疑いの対象になっていることに、心がざわついた。
でも、それ以上に思ったのは──
(……本当に、ドラコがそんなことをするだろうか?)
それでね、と、ハーマイオニーが続けた。
「ポリジュース薬を使って、スリザリン生に化けて、マルフォイから話を聞き出す作戦を考えてるの」
「ポリジュース薬……?」
「変身薬よ。正しく作れば、他人の姿になれる。でも、薬が完成するまでには約1ヶ月かかるの」
「……」
私は唇を噛んだ。
ドラコが疑われていることに、複雑な気持ちが湧いてくる。けれど、それを言い訳にして何もしないわけにはいかない。
たしかに、ドラコは時々ひどいことを言う。感じが悪い態度を取るときもある。
でも、あのときの表情や、手を伸ばしかけた一瞬の動き──あれがすべて演技だなんて、どうしても思えなかった。
「……分かった。私も協力する。ドラコが本当に継承者なら、止めなきゃいけないし……違うなら、それを証明したい。」
私の言葉に、3人は少し驚いたように顔を見合わせたあと、ハーマイオニーが優しく頷いた。
「ありがとう、なまえ。一緒に頑張りましょう」
ロンは少し渋い顔をしていたけれど、ハリーが静かに言った。
「信用できる人が味方で、嬉しいよ」
私はそっと微笑んだ。そのとき、奥のテーブルから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「こんな時間に話し込んで……君たち、明日に差し支えるぞ」
パーシーだった。懐から時計を取り出し、やや眉をひそめて私たちを見ている。
「もうすぐ消灯時間だ。ほら、早く休むんだ」
するとロンが、うんざりしたように小さく呟いた。
「げっ……また“真面目な兄貴”の登場かよ……」
その言葉に、パーシーはすっと片眉を上げた。
「“また”とはなんだ、ロン。君が遅刻せず課題をきちんと終わらせられるようにしているのは誰だと思っている?」
「……パーシーがうるさいから、ってことでしょ」
「その“うるさい”おかげで、君は今の成績を保てているんだ。少しは感謝してもらいたいものだな」
ハリーは苦笑しながら、素直に立ち上がった。
「うん、確かにそろそろ寝ないとね。おやすみ、パーシー」
ハーマイオニーも、本を閉じて静かに頷いた。
「そうね。おやすみなさい」
パーシーは少しだけ柔らかい表情で頷くと、皆を見渡して言った。
「よろしい。君たちがきちんと休んでくれれば、僕も安心して寝られるからね」
「じゃあ私も。パーシー、おやすみなさ──」
そう返そうとしたそのとき、パーシーがほんの少しだけ、ためらうような間を置いて言った。
「……さっきのジョージとのやりとり、見ていたよ」
「えっ……」
私が驚いて目を見開くと、彼はわずかに口角を上げた。
「まったく……あいつは、ああいうことが自然にできるんだから、困ったものだ。
……羨ましいと思ってしまう自分が、少し情けないけどね」
「パーシー……」
私が何か言おうとしたとき、パーシーは軽く首を振って制した。
「僕は不器用だから。からかいも、甘い言葉も、上手くは言えないけれど……」
一度だけ、まっすぐ私を見る。
「君の笑顔が見られただけで、今夜は少し、いい気分で眠れそうだよ」
そして少しだけ、冗談めかした調子で付け加えた。
「…まあ、僕も“おやすみのハグ”くらいなら、してもいいんだけどね。…監督生としての威厳が地に落ちるからね。それはさすがに困る」
「ふふ……ありがとう、パーシー」
パーシーは少し照れたように咳払いをしてから、眼鏡を押し上げて背を向けた。
「……おやすみ、なまえ。温かくして寝るように。」
「おやすみなさい、パーシー」
パーシーの背中が階段の影に消えていくのを見送ってから、私は小さく深呼吸をして、女子寮の階段を上がっていった。
────
カーテンで仕切られた自分のベッド。
制服を脱いでパジャマに着替えると、ベッド脇の引き出しから小さな布を取り出し、腕に着けていた銀のブレスレットを外す。
セドリックから入学祝いに贈られた、大切なもの。布で丁寧に磨きながら、母から教わった保護の呪文を小さく唱える。
──。
保護呪文をかけてから眠るのが、私の日課だった。今日も一日、無事で過ごせたことに感謝して。
「……どうか、皆が無事で居られますように。」
誰にともなく小さく呟いて、私はベッドにもぐり込み、静かに目を閉じると、優しい眠りがゆっくりと訪れた。
「……なあ、なまえ」
「うん?」
「おやすみのハグ、してやろうか?……今日の君には、特別サービス」
冗談めかして片眉を上げるジョージに、私は少しだけ驚いて、それから思わず微笑んだ。
「じゃあ……お願いしようかな」
そう言うと、ジョージはほんの少し驚いたように目を丸くした。
「おっと、素直すぎて照れるやつだな、こりゃ」
そう言いながらも、ジョージはそっと腕を広げた。私はその胸の中にすっと飛び込むようにして、短く抱きしめ合った。
あたたかくて、優しいハグ。ふわりと肩の力が抜けて、心の奥に溜まっていた小さなわだかまりが溶けていく気がした。
「おやすみ、ジョージ。ありがとう。」
「どういたしまして。おやすみ、お姫様。」
柔らかく微笑んで、ジョージは階段を上っていった。ジョージの背中を見送って、ふっと笑みがこぼれた、その瞬間──
「……あれ?今のってさ、うちの兄貴と……ハグ、してた?」
振り返ると、談話室のソファに座っていたロンが、目をまんまるにしてこっちを見ていた。
その隣で、ハリーとハーマイオニーも、無言のままこくこくと頷いていた。
「っ……見てたの?」
「見えるだろ!?あんな堂々とド真ん中で!てか何!?あれは何!?兄貴とラブな別れの儀式!?」
「ち、違う!ただジョージが──」
「何が違うんだ!?“おやすみのハグしてやろうか?”って、そういう関係じゃなきゃ出てこないセリフじゃないか!」
「ちが──うってば!」
「なに!?じゃあ今度から、僕も“おやすみのハグ”していいのか!?なあハーマイオニー!」
「巻き込まないでよ、ロン!」
「ほら見ろよハーマイオニーだって困ってんだぞ!てか、なまえ……君、まさか“ウィーズリー兄弟”で選び放題しようとしてないよな!?うち、大家族だからって調子に乗るなよ!」
「だから違うってば!!」
思わず叫ぶと、談話室にいた何人かがこっちを見て吹き出した。ハリーも笑いをこらえながら、ぽんと私の肩を叩く。
「元気そうで何より。……でも、気をつけたほうがいいよ。きっとジョージが本気で口説いてきたら止まらないから」
「ハリーまで!」
そのやりとりに、ハーマイオニーはふふっと笑い、ロンはまだニヤニヤしながら小声で「兄貴に何かされたら、僕に言えよな」なんて付け加えてくる。
「もう……! みんなして……!」
でも、なんだかその空気が嬉しかった。ほんの少し前まで胸の奥が重かったはずなのに、今はこうして笑えてる。
そして私は、深く息をついて、話題を切り替えるように問いかけた。
「…ところで、3人で何の話をしてたの?」
私がそう尋ねると、ハーマイオニーが声をひそめて答えた。
「実はね、今スリザリンの継承者について調べているの。――あの“秘密の部屋”を開いた人物よ」
その言葉に、胸の奥がすっと冷たくなる。
「それって……例の事件の犯人ってこと?」
ハーマイオニーが真剣な眼差しで頷く。
「そうよ。その人物を突き止めれば、次の被害を防げると思って」
ロンが顔をしかめながら言った。
「今のところ、一番怪しいのはマルフォイだ。あいつ、“次はお前たちだ”とか言ってただろう?」
私は一瞬、息を飲んだ。
ドラコの名前が疑いの対象になっていることに、心がざわついた。
でも、それ以上に思ったのは──
(……本当に、ドラコがそんなことをするだろうか?)
それでね、と、ハーマイオニーが続けた。
「ポリジュース薬を使って、スリザリン生に化けて、マルフォイから話を聞き出す作戦を考えてるの」
「ポリジュース薬……?」
「変身薬よ。正しく作れば、他人の姿になれる。でも、薬が完成するまでには約1ヶ月かかるの」
「……」
私は唇を噛んだ。
ドラコが疑われていることに、複雑な気持ちが湧いてくる。けれど、それを言い訳にして何もしないわけにはいかない。
たしかに、ドラコは時々ひどいことを言う。感じが悪い態度を取るときもある。
でも、あのときの表情や、手を伸ばしかけた一瞬の動き──あれがすべて演技だなんて、どうしても思えなかった。
「……分かった。私も協力する。ドラコが本当に継承者なら、止めなきゃいけないし……違うなら、それを証明したい。」
私の言葉に、3人は少し驚いたように顔を見合わせたあと、ハーマイオニーが優しく頷いた。
「ありがとう、なまえ。一緒に頑張りましょう」
ロンは少し渋い顔をしていたけれど、ハリーが静かに言った。
「信用できる人が味方で、嬉しいよ」
私はそっと微笑んだ。そのとき、奥のテーブルから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「こんな時間に話し込んで……君たち、明日に差し支えるぞ」
パーシーだった。懐から時計を取り出し、やや眉をひそめて私たちを見ている。
「もうすぐ消灯時間だ。ほら、早く休むんだ」
するとロンが、うんざりしたように小さく呟いた。
「げっ……また“真面目な兄貴”の登場かよ……」
その言葉に、パーシーはすっと片眉を上げた。
「“また”とはなんだ、ロン。君が遅刻せず課題をきちんと終わらせられるようにしているのは誰だと思っている?」
「……パーシーがうるさいから、ってことでしょ」
「その“うるさい”おかげで、君は今の成績を保てているんだ。少しは感謝してもらいたいものだな」
ハリーは苦笑しながら、素直に立ち上がった。
「うん、確かにそろそろ寝ないとね。おやすみ、パーシー」
ハーマイオニーも、本を閉じて静かに頷いた。
「そうね。おやすみなさい」
パーシーは少しだけ柔らかい表情で頷くと、皆を見渡して言った。
「よろしい。君たちがきちんと休んでくれれば、僕も安心して寝られるからね」
「じゃあ私も。パーシー、おやすみなさ──」
そう返そうとしたそのとき、パーシーがほんの少しだけ、ためらうような間を置いて言った。
「……さっきのジョージとのやりとり、見ていたよ」
「えっ……」
私が驚いて目を見開くと、彼はわずかに口角を上げた。
「まったく……あいつは、ああいうことが自然にできるんだから、困ったものだ。
……羨ましいと思ってしまう自分が、少し情けないけどね」
「パーシー……」
私が何か言おうとしたとき、パーシーは軽く首を振って制した。
「僕は不器用だから。からかいも、甘い言葉も、上手くは言えないけれど……」
一度だけ、まっすぐ私を見る。
「君の笑顔が見られただけで、今夜は少し、いい気分で眠れそうだよ」
そして少しだけ、冗談めかした調子で付け加えた。
「…まあ、僕も“おやすみのハグ”くらいなら、してもいいんだけどね。…監督生としての威厳が地に落ちるからね。それはさすがに困る」
「ふふ……ありがとう、パーシー」
パーシーは少し照れたように咳払いをしてから、眼鏡を押し上げて背を向けた。
「……おやすみ、なまえ。温かくして寝るように。」
「おやすみなさい、パーシー」
パーシーの背中が階段の影に消えていくのを見送ってから、私は小さく深呼吸をして、女子寮の階段を上がっていった。
────
カーテンで仕切られた自分のベッド。
制服を脱いでパジャマに着替えると、ベッド脇の引き出しから小さな布を取り出し、腕に着けていた銀のブレスレットを外す。
セドリックから入学祝いに贈られた、大切なもの。布で丁寧に磨きながら、母から教わった保護の呪文を小さく唱える。
──。
保護呪文をかけてから眠るのが、私の日課だった。今日も一日、無事で過ごせたことに感謝して。
「……どうか、皆が無事で居られますように。」
誰にともなく小さく呟いて、私はベッドにもぐり込み、静かに目を閉じると、優しい眠りがゆっくりと訪れた。