セドリックと幼なじみ
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セドリックに手を引かれながら、私は人の少なくなった廊下をゆっくりと歩いていた。
指先から伝わる温かなぬくもりに、少しだけ心が安らぐ。でも、胸の奥にはまだ、あの言葉の傷が残っていた。
そんなときだった。
「なまえ、どうかしたのかい?」
静かな廊下に、少し硬めの声が響いた。振り返ると、赤と金のネクタイをきちんと締めたパーシー・ウィーズリーが、こちらを見ていた。胸元には、監督生の証である光沢のあるバッジが控えめに光っている。
「……僕はグリフィンドールの監督生だ。責任をもって、僕が連れていくよ。」
真っ直ぐな目でセドリックを見つめるパーシー。その真剣なまなざしに、セドリックは一瞬だけ視線を落とした。けれど、すぐに静かに頷く。
「……わかった。ありがとう」
そう言って、セドリックは私の方へと顔を向けた。
「色んな事があって、疲れただろう?」
その声は、優しくて、でも少しだけ寂しげで。
「今日は、ゆっくり眠って。」
私と視線を合わせたまま、セドリックはそっと手を離した。そのぬくもりが消えるのが、ほんの少しだけ名残惜しい。
私は頷いた。言葉は出てこなかったけれど、その気持ちはちゃんと伝わっている気がした。
セドリックは、濃いブラウンの髪を静かに揺らして、廊下の向こうへと歩き出した。
隣でパーシーが、私にそっと声をかける。
「……大丈夫かい? 無理はしなくていい。ゆっくりでいいから」
その声に少し救われて、私は小さく笑って頷いた。
パーシーとともにグリフィンドールの談話室へ戻ると、そこにはほんの数人の生徒が、ざわつく空気を引きずったまま座っていた。
誰もが壁の血文字の話をしていて、低く抑えた声にも、確かな不安が滲んでいた。
私はソファの端に腰を下ろし、小さく息をついた。なんだか身体の芯が冷えているような感覚だった。
「なまえ」
隣に立ったパーシーが、静かに声をかけてくれた。
「…ロンたちなら、きっと大丈夫さ」
私は頷いた。信じている。でも、それでも不安だった。
「“秘密の部屋”については……僕もよく分からない。だけど、」
パーシーは言葉を選ぶように少し間を空けたあと、真っ直ぐな眼差しで私を見つめた。
「監督生として、僕は君たちを守る。安心して、なまえ。前にも言ったが、何かあればすぐ、僕を頼ってほしい。」
その言葉は、どこかぎこちなくも、誠実で。
「……ありがとう、パーシー」
小さな声でそう返すと、彼は一つ頷いたあと、ふと目を伏せた。そして次の瞬間、ためらいがちに、そっと私の肩に触れる。
「……あまり、無理はしないように。君が心配なんだ。…君が、無事でいてくれることが、僕にとっては一番だ。」
その言葉に、胸がふっと熱くなる。思いがけない優しさに、少しだけ視線を逸らした。
パーシーは少しだけ照れたように目を逸らしながら、咳払いをひとつ。
「では、僕は他にも帰ってきていない生徒がいないか、見てくるから。君はもう、休んで」
そう言って、背筋を伸ばしたまま、談話室を後にするパーシーを見送る。
静けさが戻った空間で、私は立ち上がった。
──セドリックも、パーシーも、優しかった。
けれど、その優しさの裏で、胸の奥にはまだ消えないものがあった。
ドラコに──わかってほしい。
ドラコにとっては何でもないあの言葉が、どれほど人を傷つけるものなのか。ハーマイオニーのためにも、自分のためにも、伝えなきゃ。
そして、壁の血文字。
“継承者の敵よ、気をつけよ”
秘密の部屋って一体…?
ミセス・ノリスの様に、また誰かが傷つくようなことが起こったら…。不安が、そっと心に影を落とす。
それでも今はちゃんと眠らなきゃ。そう思いながら私は階段を上り、女子寮へと向かった。
就寝の準備をし、ベッドに潜り込むと、ふわりと羽毛布団の柔らかさに包まれる。目を閉じて、セドリックの声と手の温もりを思い出す。
そしてパーシーの、誠実な優しさも。
心の奥に、ほんの少しだけ灯ったあたたかさと、まだ消えない葛藤を抱いて──私は静かに、眠りについた。
指先から伝わる温かなぬくもりに、少しだけ心が安らぐ。でも、胸の奥にはまだ、あの言葉の傷が残っていた。
そんなときだった。
「なまえ、どうかしたのかい?」
静かな廊下に、少し硬めの声が響いた。振り返ると、赤と金のネクタイをきちんと締めたパーシー・ウィーズリーが、こちらを見ていた。胸元には、監督生の証である光沢のあるバッジが控えめに光っている。
「……僕はグリフィンドールの監督生だ。責任をもって、僕が連れていくよ。」
真っ直ぐな目でセドリックを見つめるパーシー。その真剣なまなざしに、セドリックは一瞬だけ視線を落とした。けれど、すぐに静かに頷く。
「……わかった。ありがとう」
そう言って、セドリックは私の方へと顔を向けた。
「色んな事があって、疲れただろう?」
その声は、優しくて、でも少しだけ寂しげで。
「今日は、ゆっくり眠って。」
私と視線を合わせたまま、セドリックはそっと手を離した。そのぬくもりが消えるのが、ほんの少しだけ名残惜しい。
私は頷いた。言葉は出てこなかったけれど、その気持ちはちゃんと伝わっている気がした。
セドリックは、濃いブラウンの髪を静かに揺らして、廊下の向こうへと歩き出した。
隣でパーシーが、私にそっと声をかける。
「……大丈夫かい? 無理はしなくていい。ゆっくりでいいから」
その声に少し救われて、私は小さく笑って頷いた。
パーシーとともにグリフィンドールの談話室へ戻ると、そこにはほんの数人の生徒が、ざわつく空気を引きずったまま座っていた。
誰もが壁の血文字の話をしていて、低く抑えた声にも、確かな不安が滲んでいた。
私はソファの端に腰を下ろし、小さく息をついた。なんだか身体の芯が冷えているような感覚だった。
「なまえ」
隣に立ったパーシーが、静かに声をかけてくれた。
「…ロンたちなら、きっと大丈夫さ」
私は頷いた。信じている。でも、それでも不安だった。
「“秘密の部屋”については……僕もよく分からない。だけど、」
パーシーは言葉を選ぶように少し間を空けたあと、真っ直ぐな眼差しで私を見つめた。
「監督生として、僕は君たちを守る。安心して、なまえ。前にも言ったが、何かあればすぐ、僕を頼ってほしい。」
その言葉は、どこかぎこちなくも、誠実で。
「……ありがとう、パーシー」
小さな声でそう返すと、彼は一つ頷いたあと、ふと目を伏せた。そして次の瞬間、ためらいがちに、そっと私の肩に触れる。
「……あまり、無理はしないように。君が心配なんだ。…君が、無事でいてくれることが、僕にとっては一番だ。」
その言葉に、胸がふっと熱くなる。思いがけない優しさに、少しだけ視線を逸らした。
パーシーは少しだけ照れたように目を逸らしながら、咳払いをひとつ。
「では、僕は他にも帰ってきていない生徒がいないか、見てくるから。君はもう、休んで」
そう言って、背筋を伸ばしたまま、談話室を後にするパーシーを見送る。
静けさが戻った空間で、私は立ち上がった。
──セドリックも、パーシーも、優しかった。
けれど、その優しさの裏で、胸の奥にはまだ消えないものがあった。
ドラコに──わかってほしい。
ドラコにとっては何でもないあの言葉が、どれほど人を傷つけるものなのか。ハーマイオニーのためにも、自分のためにも、伝えなきゃ。
そして、壁の血文字。
“継承者の敵よ、気をつけよ”
秘密の部屋って一体…?
ミセス・ノリスの様に、また誰かが傷つくようなことが起こったら…。不安が、そっと心に影を落とす。
それでも今はちゃんと眠らなきゃ。そう思いながら私は階段を上り、女子寮へと向かった。
就寝の準備をし、ベッドに潜り込むと、ふわりと羽毛布団の柔らかさに包まれる。目を閉じて、セドリックの声と手の温もりを思い出す。
そしてパーシーの、誠実な優しさも。
心の奥に、ほんの少しだけ灯ったあたたかさと、まだ消えない葛藤を抱いて──私は静かに、眠りについた。