セドリックと幼なじみ
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ロックハートの授業は、教室に入る前から異様な空気を纏っていた。
壁には色とりどりのロックハートの写真がずらりと並び、本人の得意げな笑顔がどこを見ても視界に飛び込んでくる。
教科書は分厚い自著ばかりで、机に積まれたそれらはもはや防衛の道具というよりも、彼の名誉の証のようだった。
なまえは、斜め前に座るハーマイオニーがうっとりとロックハートを見つめているのを、半ば呆れながら眺める。
ハリーとロンは顔をしかめ、教室の隅からは軽くため息すら聞こえてきた。
授業が始まると、ロックハートは自己紹介と著書の自慢を延々と語り始めた。その後「実践授業」と称して、檻の中から出されたのは、騒々しいコーンウォール・ピクシーたち。
「さあ、君たち。どう対処するか、見せてもらおう!」
そう言ったロックハートは、自信満々に杖を振った——が、効果はなく、ピクシーたちは一斉に暴れ始めた。
教室は騒然となり、生徒たちは叫び声を上げながら逃げ回る。机がひっくり返り、本が舞い、ネビルが吊るされた。
なまえは咄嗟にハリーと目を合わせ、近くのネビルに駆け寄る。ハリーと一緒に、なんとかネビルを下ろすと、今度はピクシーの一匹がなまえのローブを引っ張る。
「もう……!」
慌てて杖を構え、なんとか簡単な魔法でピクシーを追い払った頃には、教室は完全なカオスと化していた。ロックハートの姿はすでに見えず、逃げ出したようだった。
────
霧が、まだ眠たげにピッチの芝を撫でていた。
朝の空気は冷たくて、吐く息が白くなる。グリフィンドールの赤いローブが、霞む視界の中でいくつも舞っていた。
ハリーがスニッチを追って旋回し、フレッドとジョージが見事な連携でブロッジャーを打ち返している。私はロンとハーマイオニーの間に立ち、息をのんで彼らの動きを目で追っていた。
「ウッド、また熱くなってるわね」
ハーマイオニーが苦笑しながら言い、ロンが「いつもあれだ」と笑う。私も思わず頷いた。大広間とはまた違う、凛とした空気がここにはあった。
しかし、その空気は不意に破られた。
「どいてもらおうか、ウッド。今日のピッチはスリザリンのものだ」
聞き慣れた、嫌味混じりの声。スリザリンの緑が視界に差し込み、マーカス・フリントがスネイプの署名入りの許可証を掲げていた。
その後ろには、最新型のニンバス2001を手にしたスリザリンの選手たち——
そして、ドラコの姿もあった。
彼はいつも通りの余裕そうな顔で、箒を見せびらかすように掲げた。
「見ろよ、最高の箒だ。グリフィンドールのオンボロ箒とは違うんだ」
フレッドが眉を吊り上げ、ジョージが一歩前に出ようとしたとき、ハーマイオニーの声が響いた。
「少なくとも、グリフィンドールの選手は才能で選ばれているわ」
毅然とした口調だった。私はその横顔を誇らしく思った。
でも——
「誰もお前の意見なんて聞いてない、穢れた血め」
私は息を呑んだ。信じられなかった。
ドラコが、そんな言葉を——あの、優しく笑って羽根ペンをくれた彼が。
胸の奥がぎゅっと縮こまり、私は無意識にドラコを見つめていた。
「……なまえ?」
私の視線に気づいたドラコと、目が合った。私は何も言えず、ただ悲しい気持ちで彼を見つめることしかできなかった。
その視線に、ドラコの表情が少しだけ揺らいだ気がした。けれどすぐに、冷たい笑みが戻る。
「良くも言ったな、マルフォイ!ナメクジくらえ!」
ロンの怒鳴り声、杖から放たれた呪文、それが逆に自分に跳ね返って。
「う……ぅぅ……!」
次の瞬間、ロンは口を押さえ、苦悶の表情で膝をついた。口から、ナメクジが――!
「ロン!」
「ハグリッドのところに行こう!」
「そうね、きっと何とかしてくれる!」
私は慌ててロンに駆け寄り、ハリーと一緒にロンを支えるようにしてその場を離れた。
────
ハグリッドの小屋に着くと、ハグリッドはすぐに私たちを中へと招き入れてくれた。
「専門の道具が無いねぇとどうにもな。自然に止まるのを待つしかねぇな。」
ロンは苦しげに頷きながら、重たそうにバケツに顔を近づける。再び、粘り気のある音とともにナメクジが一匹這い出てきた。
私はロンの背をそっとさすり、心配そうに彼の顔を覗き込むと、その隣に静かに座るハーマイオニーのそばへ腰を下ろした。
彼女は顔を伏せ、膝の上で手をぎゅっと握りしめていた。
「誰を呪うつもりだった?」
ハグリッドが低く、しかし優しく問いかけると、沈黙を破ったのはハリーだった。
「マルフォイだよ。あいつ、ハーマイオニーをよく分からないけど、ひどい呼び方してた」
ハーマイオニーの肩がぴくりと揺れる。
「穢れた血ですって。血が穢れてるって!マグル生まれの魔法使いを蔑む呼び方よ。教養ある人なら口にしないような言葉よ。」
その声は震えていて、怒りとも悲しみともつかない感情が滲んでいた。私はそっとハーマイオニーの手に触れた。
「どういう意味なの?」
ハリーの問いかけに、ハグリッドがゆっくりと椅子に腰を下ろし、ハリーを見つめながら語り出した。
「いいか、ハリー。魔法使いの中にはマルフォイ一家のように純血だから偉いって思い込んでる奴らがいるんだ。マグルの血が混じってると馬鹿にする……くだらねぇ話だよ」
「ひどいね。」
ハリーの一言に、バケツに身を預けたままのロンが苦々しく呟く。
「…ヘドが出るよ」
「何が血だ!今どき魔法使いはほとんどマグルが入っとる。第一俺たちのハーマイオニーが使えねぇ呪文はひとっつもねぇぞ。おいで。」
ハグリッドが大きな手でそっとハーマイオニーの手を包み込む。ハーマイオニーは顔を上げ、うるんだ瞳でハグリッドを見つめた。
私もそっと、ハーマイオニーに向かって笑いかけた。
「気にすることないわ、ハーマイオニー。貴方は優秀な魔法使いだもの、自信を持って。」
小さな沈黙のあと、ハーマイオニーは小さく頷き、そっと目元を拭った。
薪がぱちんとはぜ、あたたかな光がハグリッドの小屋をやさしく照らしていた。
壁には色とりどりのロックハートの写真がずらりと並び、本人の得意げな笑顔がどこを見ても視界に飛び込んでくる。
教科書は分厚い自著ばかりで、机に積まれたそれらはもはや防衛の道具というよりも、彼の名誉の証のようだった。
なまえは、斜め前に座るハーマイオニーがうっとりとロックハートを見つめているのを、半ば呆れながら眺める。
ハリーとロンは顔をしかめ、教室の隅からは軽くため息すら聞こえてきた。
授業が始まると、ロックハートは自己紹介と著書の自慢を延々と語り始めた。その後「実践授業」と称して、檻の中から出されたのは、騒々しいコーンウォール・ピクシーたち。
「さあ、君たち。どう対処するか、見せてもらおう!」
そう言ったロックハートは、自信満々に杖を振った——が、効果はなく、ピクシーたちは一斉に暴れ始めた。
教室は騒然となり、生徒たちは叫び声を上げながら逃げ回る。机がひっくり返り、本が舞い、ネビルが吊るされた。
なまえは咄嗟にハリーと目を合わせ、近くのネビルに駆け寄る。ハリーと一緒に、なんとかネビルを下ろすと、今度はピクシーの一匹がなまえのローブを引っ張る。
「もう……!」
慌てて杖を構え、なんとか簡単な魔法でピクシーを追い払った頃には、教室は完全なカオスと化していた。ロックハートの姿はすでに見えず、逃げ出したようだった。
────
霧が、まだ眠たげにピッチの芝を撫でていた。
朝の空気は冷たくて、吐く息が白くなる。グリフィンドールの赤いローブが、霞む視界の中でいくつも舞っていた。
ハリーがスニッチを追って旋回し、フレッドとジョージが見事な連携でブロッジャーを打ち返している。私はロンとハーマイオニーの間に立ち、息をのんで彼らの動きを目で追っていた。
「ウッド、また熱くなってるわね」
ハーマイオニーが苦笑しながら言い、ロンが「いつもあれだ」と笑う。私も思わず頷いた。大広間とはまた違う、凛とした空気がここにはあった。
しかし、その空気は不意に破られた。
「どいてもらおうか、ウッド。今日のピッチはスリザリンのものだ」
聞き慣れた、嫌味混じりの声。スリザリンの緑が視界に差し込み、マーカス・フリントがスネイプの署名入りの許可証を掲げていた。
その後ろには、最新型のニンバス2001を手にしたスリザリンの選手たち——
そして、ドラコの姿もあった。
彼はいつも通りの余裕そうな顔で、箒を見せびらかすように掲げた。
「見ろよ、最高の箒だ。グリフィンドールのオンボロ箒とは違うんだ」
フレッドが眉を吊り上げ、ジョージが一歩前に出ようとしたとき、ハーマイオニーの声が響いた。
「少なくとも、グリフィンドールの選手は才能で選ばれているわ」
毅然とした口調だった。私はその横顔を誇らしく思った。
でも——
「誰もお前の意見なんて聞いてない、穢れた血め」
私は息を呑んだ。信じられなかった。
ドラコが、そんな言葉を——あの、優しく笑って羽根ペンをくれた彼が。
胸の奥がぎゅっと縮こまり、私は無意識にドラコを見つめていた。
「……なまえ?」
私の視線に気づいたドラコと、目が合った。私は何も言えず、ただ悲しい気持ちで彼を見つめることしかできなかった。
その視線に、ドラコの表情が少しだけ揺らいだ気がした。けれどすぐに、冷たい笑みが戻る。
「良くも言ったな、マルフォイ!ナメクジくらえ!」
ロンの怒鳴り声、杖から放たれた呪文、それが逆に自分に跳ね返って。
「う……ぅぅ……!」
次の瞬間、ロンは口を押さえ、苦悶の表情で膝をついた。口から、ナメクジが――!
「ロン!」
「ハグリッドのところに行こう!」
「そうね、きっと何とかしてくれる!」
私は慌ててロンに駆け寄り、ハリーと一緒にロンを支えるようにしてその場を離れた。
────
ハグリッドの小屋に着くと、ハグリッドはすぐに私たちを中へと招き入れてくれた。
「専門の道具が無いねぇとどうにもな。自然に止まるのを待つしかねぇな。」
ロンは苦しげに頷きながら、重たそうにバケツに顔を近づける。再び、粘り気のある音とともにナメクジが一匹這い出てきた。
私はロンの背をそっとさすり、心配そうに彼の顔を覗き込むと、その隣に静かに座るハーマイオニーのそばへ腰を下ろした。
彼女は顔を伏せ、膝の上で手をぎゅっと握りしめていた。
「誰を呪うつもりだった?」
ハグリッドが低く、しかし優しく問いかけると、沈黙を破ったのはハリーだった。
「マルフォイだよ。あいつ、ハーマイオニーをよく分からないけど、ひどい呼び方してた」
ハーマイオニーの肩がぴくりと揺れる。
「穢れた血ですって。血が穢れてるって!マグル生まれの魔法使いを蔑む呼び方よ。教養ある人なら口にしないような言葉よ。」
その声は震えていて、怒りとも悲しみともつかない感情が滲んでいた。私はそっとハーマイオニーの手に触れた。
「どういう意味なの?」
ハリーの問いかけに、ハグリッドがゆっくりと椅子に腰を下ろし、ハリーを見つめながら語り出した。
「いいか、ハリー。魔法使いの中にはマルフォイ一家のように純血だから偉いって思い込んでる奴らがいるんだ。マグルの血が混じってると馬鹿にする……くだらねぇ話だよ」
「ひどいね。」
ハリーの一言に、バケツに身を預けたままのロンが苦々しく呟く。
「…ヘドが出るよ」
「何が血だ!今どき魔法使いはほとんどマグルが入っとる。第一俺たちのハーマイオニーが使えねぇ呪文はひとっつもねぇぞ。おいで。」
ハグリッドが大きな手でそっとハーマイオニーの手を包み込む。ハーマイオニーは顔を上げ、うるんだ瞳でハグリッドを見つめた。
私もそっと、ハーマイオニーに向かって笑いかけた。
「気にすることないわ、ハーマイオニー。貴方は優秀な魔法使いだもの、自信を持って。」
小さな沈黙のあと、ハーマイオニーは小さく頷き、そっと目元を拭った。
薪がぱちんとはぜ、あたたかな光がハグリッドの小屋をやさしく照らしていた。