セドリックと幼なじみ
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「……そうだ」
ドラコがふと、思い出したように声を上げると、クロークの内ポケットから黒く細長い箱を取り出した。
「これ、君に」
「え……?」
不思議そうに手を伸ばすと、ドラコは迷いなくそれを私の手に握らせる。
高級そうな黒のベルベット素材に、銀の留め具がついたその箱は、手の中でひんやりとしていた。
「この前、君に渡そうと思って買った物だ」
「え、どうして……?」
「ただ、君に何かあげたかっただけさ。深い意味はないよ」
ドラコはほんのわずかに目を細め、口元に小さな笑みを浮かべる。気取ったところのない、けれどどこか真剣にも見えるその表情に、私は言葉を失って箱を見つめる。
「……受け取ってくれるかい?」
少し戸惑いながらも頷くと、ドラコは満足げにうなずいてから、さっと身を翻して去っていった。
コンパートメントのドアが静かに閉まる。残された空気は、どこか変にしんと静まり返った。
「……あれ、マルフォイってプレゼントとか渡すタイプだったっけ?」
「いや、初耳だぞ。しかも相手はグリフィンドールだ」
「まさか、ちょっと本気だったりして?」
「こりゃいよいよ目が離せないね、ジョージ」
「僕らの出番かもな、フレッド」
双子がひそひそと相談を始める一方で、セドリックはと言えば──私の隣で黙ったまま窓の外を見ていた。
────
私は手に持った箱をじっと見つめ、そっと蓋を開けた。
中には、艶やかな黒い羽根の羽根ペンが一本、深紅のビロードに収められていた。軸には繊細な銀の装飾が施され、根元に小さく「なまえ・みょうじ」と刻まれている。
「……綺麗。こんなの初めて見た」
呟くと、フレッドがすかさず身を乗り出してきた。
「おいおい、マルフォイがこんなの贈るなんて! なまえの事、妙に特別扱いしてないか?」
ジョージが肩越しに覗き込み、にやっと笑う。
「名前まで入ってるし。なまえ、いつの間にマルフォイとそんな仲に?」
私はくすっと笑って答える。
「魔法薬学の授業で一緒だっただけ。意外と話が合って、仲良くなったの」
「へえ、あのマルフォイと! さすが僕たちの姫!」
フレッドが私の頭をくしゃっと撫でてくる。私は笑いながらその手を振り払う。
「もう、『僕たちの姫』って何! でも、今度ドラコにちゃんとお礼言わなきゃ」
そう言いながら私はそっと羽根ペンの位置を整え、箱の蓋を閉じた。