セドリックと幼なじみ
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───
セドリックは、次の授業へ向かうために広い廊下を歩いていた。
天井から差し込む淡い陽の光が大理石の床に反射し、生徒たちの足音と何気ない会話が混ざり合う。
けれど、そのざわめきの中に、もう随分と聞いていない声があった。
「でね、フレッドとジョージがすっごく分かりやすく教えてくれたんだよ」
足が止まる。
……なまえの声だ。
思わず視線を向けると、少し離れたところでなまえが友人と並んで歩いているところだった。
その表情は、楽しげで、穏やかで――
(……僕と話すとき、こんな顔してたっけ)
最近、なまえとはほとんど話していない。
すれ違うことはあっても、目が合えば逸らされてしまって、それで終わりだった。
以前のように他愛のない話をしたり、一緒に過ごす時間は、気づけば消えてしまっていた。
「君、魔法薬学苦手だもんなぁ。でもフレッド達に教えてもらうとは意外だ」
「フレッドとジョージって、いたずらのイメージが強いけど、勉強は意外と出来るのよね」
ハーマイオニー・グレンジャーの言葉に、なまえは屈託なく笑う。
「そうなの! びっくりするくらい説明が上手でね! もっと早くお願いすればよかったなー」
胸の奥が、ざわりと波立った。
(……フレッドとジョージに?)
セドリックは、なまえが魔法薬学を苦手にしていることを知っていた。
知っていたのに――
(僕も、力になれたはずだ…なのに)
何度も言葉が喉まで上がりながら、結局、声にしなかった。なまえに「教えてあげる」と、たった一言、言えばよかったのだ。
けれど、何も言わないうちに、僕ではなく、なまえは双子に助けを求めた。
「ねえねえ、なまえ。次の悪戯の実験台になってくれる?」
「ちょっと! もう変な薬を飲まされるのはごめんだからね!」
「ははは、それは残念!」
遠くで、なまえと双子が笑い合っている。
フレッドとジョージの隣で、楽しそうに。
(……僕の隣じゃなくても、そんなふうに笑うんだ)
それが当然のことなのに、ひどく胸が苦しくなった。
(こんなふうに思うなんて……僕は最低だな)
フレッドもジョージも、ただなまえが困っていたから手を差し伸べただけだ。それを、どうしてこんなふうに思ってしまうのか。
(……なまえと話がしたい)
本当は、くだらないことで笑い合いたかった。
どうでもいい話をして、以前のように隣にいたかった、なのに。
いつの間にか、彼女は自分の知らないところで、違う誰かと笑っている。
「……そっか」
喉の奥がひどく苦い。
もっと早く、手を伸ばしていたら。
もっと早く、気づいていたら。
─そんな「もしも」を繰り返しても、もう遅い。
彼女の笑い声が、遠ざかっていく。セドリックは、ただそれを聞いていることしかできなかった。
セドリックは、次の授業へ向かうために広い廊下を歩いていた。
天井から差し込む淡い陽の光が大理石の床に反射し、生徒たちの足音と何気ない会話が混ざり合う。
けれど、そのざわめきの中に、もう随分と聞いていない声があった。
「でね、フレッドとジョージがすっごく分かりやすく教えてくれたんだよ」
足が止まる。
……なまえの声だ。
思わず視線を向けると、少し離れたところでなまえが友人と並んで歩いているところだった。
その表情は、楽しげで、穏やかで――
(……僕と話すとき、こんな顔してたっけ)
最近、なまえとはほとんど話していない。
すれ違うことはあっても、目が合えば逸らされてしまって、それで終わりだった。
以前のように他愛のない話をしたり、一緒に過ごす時間は、気づけば消えてしまっていた。
「君、魔法薬学苦手だもんなぁ。でもフレッド達に教えてもらうとは意外だ」
「フレッドとジョージって、いたずらのイメージが強いけど、勉強は意外と出来るのよね」
ハーマイオニー・グレンジャーの言葉に、なまえは屈託なく笑う。
「そうなの! びっくりするくらい説明が上手でね! もっと早くお願いすればよかったなー」
胸の奥が、ざわりと波立った。
(……フレッドとジョージに?)
セドリックは、なまえが魔法薬学を苦手にしていることを知っていた。
知っていたのに――
(僕も、力になれたはずだ…なのに)
何度も言葉が喉まで上がりながら、結局、声にしなかった。なまえに「教えてあげる」と、たった一言、言えばよかったのだ。
けれど、何も言わないうちに、僕ではなく、なまえは双子に助けを求めた。
「ねえねえ、なまえ。次の悪戯の実験台になってくれる?」
「ちょっと! もう変な薬を飲まされるのはごめんだからね!」
「ははは、それは残念!」
遠くで、なまえと双子が笑い合っている。
フレッドとジョージの隣で、楽しそうに。
(……僕の隣じゃなくても、そんなふうに笑うんだ)
それが当然のことなのに、ひどく胸が苦しくなった。
(こんなふうに思うなんて……僕は最低だな)
フレッドもジョージも、ただなまえが困っていたから手を差し伸べただけだ。それを、どうしてこんなふうに思ってしまうのか。
(……なまえと話がしたい)
本当は、くだらないことで笑い合いたかった。
どうでもいい話をして、以前のように隣にいたかった、なのに。
いつの間にか、彼女は自分の知らないところで、違う誰かと笑っている。
「……そっか」
喉の奥がひどく苦い。
もっと早く、手を伸ばしていたら。
もっと早く、気づいていたら。
─そんな「もしも」を繰り返しても、もう遅い。
彼女の笑い声が、遠ざかっていく。セドリックは、ただそれを聞いていることしかできなかった。