2007年9月
保護した少女たちはそれぞれ、菜々子、美々子と名乗った。
夏油の所持する飛行型の呪霊に乗り、通常より遥かに早く戻って来れたとはいえ、高専に到着した頃には日もどっぷりと沈んでいた。
「さて、どうすっかね」
報告は明日に回すことにして、再び眠ってしまった2人を自室のベッドに寝かせた大堰は、ベッドの横で項垂れた体勢とは裏腹に、対して困っていなさそうな声で呟いた。
大堰の頭を悩ませるのは、少女たちの今後のことでも、明日の報告内容でも、今日の傑との話でも無く、ベッドを占領されたことにより寝る場所がなくなったことだった。
「悟…は今日は戻らないんだっけか。
傑のとこ…いや、あんな話した後乗り込めるかよ…」
寝ることは既に諦めたらしい。
長い夜のお供を求め共有スペースに向かうと、ラフな服装に着替え、馴染みのお団子を解いた夏油を発見してしまった。
高専に着いた途端、フラフラと自室に戻っていったからてっきり寝ているものだと思っていた。
「起きてたのか」
「世那こそ」
「ベッド渡しちまったからなあ、どうすっかなって思ってたとこだ。
傑は、寝れねえのか?
兄ちゃんが飲みもんでも入れてやろうか」
「年確されるくせに…」
「あ?年確されんのが普通だろうが。オレら未成年だぞ」
「私はされたことないけどね」
「硝子さんのタバコの出どころがわかったわ」
未成年が年確されて何が悪い。
嫌な顔されながらもきちんと確認しているレジ打ちしてる人に謝れ。
ぶつくさ言いつつも用意しているホットミルクには棚の中に隠されていたブランデーを入れているあたり人のことは言えない。
「んで、なんか吐き出しにきたんか?」
「その言い方はどうにかならないのか」
素直に受け取った夏油に倣い一口飲むとアルコールが体に広がりカッと暖かくなる。
どうやら入れすぎたらしい。
(やっちまったな…これは眠くなるぞ)
夏油の所持する飛行型の呪霊に乗り、通常より遥かに早く戻って来れたとはいえ、高専に到着した頃には日もどっぷりと沈んでいた。
「さて、どうすっかね」
報告は明日に回すことにして、再び眠ってしまった2人を自室のベッドに寝かせた大堰は、ベッドの横で項垂れた体勢とは裏腹に、対して困っていなさそうな声で呟いた。
大堰の頭を悩ませるのは、少女たちの今後のことでも、明日の報告内容でも、今日の傑との話でも無く、ベッドを占領されたことにより寝る場所がなくなったことだった。
「悟…は今日は戻らないんだっけか。
傑のとこ…いや、あんな話した後乗り込めるかよ…」
寝ることは既に諦めたらしい。
長い夜のお供を求め共有スペースに向かうと、ラフな服装に着替え、馴染みのお団子を解いた夏油を発見してしまった。
高専に着いた途端、フラフラと自室に戻っていったからてっきり寝ているものだと思っていた。
「起きてたのか」
「世那こそ」
「ベッド渡しちまったからなあ、どうすっかなって思ってたとこだ。
傑は、寝れねえのか?
兄ちゃんが飲みもんでも入れてやろうか」
「年確されるくせに…」
「あ?年確されんのが普通だろうが。オレら未成年だぞ」
「私はされたことないけどね」
「硝子さんのタバコの出どころがわかったわ」
未成年が年確されて何が悪い。
嫌な顔されながらもきちんと確認しているレジ打ちしてる人に謝れ。
ぶつくさ言いつつも用意しているホットミルクには棚の中に隠されていたブランデーを入れているあたり人のことは言えない。
「んで、なんか吐き出しにきたんか?」
「その言い方はどうにかならないのか」
素直に受け取った夏油に倣い一口飲むとアルコールが体に広がりカッと暖かくなる。
どうやら入れすぎたらしい。
(やっちまったな…これは眠くなるぞ)