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2006年9月

「なんだ2人ともいんじゃん」

「おつかれさま」

午前中一杯任務についていた残りの2人が入ってきて教室は久しぶりに全員揃った。

「おけーり」

「ただいま。何してるの?」

夏油が指すのは繋いだ2人の手。状況を知らない者から見れば恋人同士の逢瀬にも見えなくない。

「実験中ー」

「実験?」

「それさ、擬似無下限?」

目を剥いたのは大堰だった。

「は?何、見えんの?」

「なんとなく、硝子の周りにもやもやーって呪力が見える」

「うっそだろ」

突然声を上げて机に突っ伏した大堰に、訳もわからず家入と夏油は目を合わせた。

「多分だけど、もっと結界が滑らかになんじゃねえの?不安定だからモヤモヤしてる感じ」

どお?合ってる?
にやにやと笑いながら近づいてきた五条の顎を的確に捉えた拳は無限の壁により阻まれた。

「実験中だっつってんだろ」

「図星されてキレてやんの、ダッセ」

術式順転・結

大堰が手印を切った瞬間、五条の声が消えた。
五条を見れば口元が動いているのが見えるので、相変わらず騒いでいる事が分かる。しかし、声も、五条から発せられる音の全てが途絶えた。

「世那、何をしたんだ」

「うっせーから音遮断した」

「無音の五条とかウケるー」

1人で暴れる五条があまりにも哀れだ、と言う夏油の一声で結界は解除された。しなければよかったと思った。

「聞こえてっからな!」

「そういや、夜蛾さん遅くね?」

無視するなと言う五条の声は無視して時計を見上げる。午後の授業が始まる時間はとっくに過ぎていた。

「硝子さん、なんか聞いてる?」

「いや、午前は私1人だったけど、特に何もなかったと思う」

「オレ、戻ってから夜蛾さんに会ってねえし」

「先生ならさっき任務だって出て行ったよ」

「は?」

「午後じしゅーだってよ」

「何故先に言わない」
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