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2006年6月

「大堰、暇?」

「姉さん、異性の部屋を開けるときはノックぐらいしましょうや」

前日、任務のため日付を跨いで帰還した大堰は朝からシャワーを浴びていた。
今日は休日。サッパリしてから二度寝でもしよう。そんな考えは一瞬のうちに砕けた。

「どーしたんすか」

「買い物行くから付き合え」

「…はい」

拒否権は存在しないらしい。
出掛けるのに流石にスウェットというわけにはいかないだろう。

「結構いい体してんな」

「そりゃどーも、一応でも鍛えてんでね…」

「どうしたの?」

「いや、出掛けんなら着替えるからちょーっと出て欲しいなあ…なんて」

「どうぞお構いなく」

「構うわ!」

平然と大堰の部屋を物色していた家入を追い出し、ため息を一つ吐いた。




「んで、何処行くんすか」

「今度歌姫先輩がこっちに来るんだよね、出かけようって話になったから、服とかかな」

「りょーかい」

同期の男同士ではよく出かけるが、行く先はゲームセンターか五条の要求で甘いものを食べに行くかが大半だ。

「まずどっから?」

「あそこ」

指差す先は有名下着メーカー。もちろん女性ものの、だ。

「待ってまーす」

「別に好みの選んでてもいいけど」

「何、着てることでも見してくれんの?」

「調子乗ってるとくり抜くぞ」

クツクツと笑った大堰はコーヒーでも飲んでると言って向かいの有名コーヒーチェーン店に入って行った。
あまり待たせては悪いだろうか、一瞬過った考えを首を振って打ち払った。

(まあ、大堰だしいいか)
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