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2006年4月

「4月かー」

自分がここに来てはや1年…いや、来たのは6月だからもう少しあるな。
しかし、早い1年だった。

「仕事してください、大堰先輩」

目の前には無数の低級呪霊。普段なら実害が出ない限り放置しているレベルだが、今回駆り出されたのは他でもない、今大堰の目の前で呆れたような目をしている彼らの為である。

「オレは保険だったんじゃねえの?」

「明らかに想定していた量より多いです。仕事してください」

七海健人、灰原雄、今年東京高専に入学した1年であり、今日大堰が引率を務める後輩達だ。

「何度も言わねえでくださーい」

「僕たちで頑張るんで、先輩は見ててください!」

「灰原ーお前いい子だな」

廃ビルに近い雑居ビルに巣食う呪霊一掃というかなり低レベルな今回の任務は、1年の力試しのようなものだ。
大堰にもに見覚えのある任務ではあるが、あの時は単独任務だったな…などと思考を飛ばす余裕があるのはこの1年最強を自称する同期達に揉まれた結果だろう。

「手伝いだけな」

あまり手出しをするのはよろしくないのだが、2体ほどと聞いていた呪霊が5体も6体も出て来たのでは1年の手に余るだろ。
というか、自分の行く任務は想定外の何かが起きること多くないか、嫌がらせか?

(そうゆうのは悟の方が得意分野だろうが)

術式順転・結

「1人1体ぐらいは頼むな」

感覚的に面倒くさそうな呪霊に的を絞って串刺しにする。
生憎、大堰には呪霊の弱点を見抜く目などない。
なので経験と感覚で結界を突き刺す。動きの遅い呪霊にかなりの確率で当たるようになったが、動きが早かったり、外装が硬かったりすると弱点を外れることもあるし、そもそも刺さらないこともある。

(お、今日は調子がいいな)
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