✲ FF7 Short story ✲
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( Massage )
「ねぇ、私も手揉みしてもらいたい。」
手揉み屋でマダムマムに極上の手揉みをしてもらった直後、突然ナナシが俺にそう言って思わずさっきまでの余韻が一気にさめた。
「·····は?」
「だってさー!クラウドめちゃくちゃ悦な顔で出てくるし、私だって肩凝ってるのに!クラウドだけ良い思いしてずるいよ!!」
いや、肩じゃなくて手なんだが。
そんなことはどうでも良くて、まさかアレを、ナナシがうけるの、か?本気で?
さっきの思わず声が漏れる程骨抜きにされてしまったマッサージを思い出して、焦りが止まらない。
しかしそんな俺の心配を他所に、ナナシは勝手に話を進めていく。
「ねーマダム!私もマッサージ受けさせて!」
「あんた威勢がいいねぇ、うちは金さえ払ってもらえりゃ男も女も大歓迎だよ!」
「やったー!お願いしまーす!」
「コースはどうするんだい?」
「ちょ、ナナシ!極上だけは·····」
「もちろん極上でーーー!」
俺の制止はナナシの声に呆気なくかき消されて、わーい!とマダムと共に奥に向かうナナシをただ見送るしかできなかった。
隣にいたエアリスに、あーなったナナシはもう止められないから諦めよう。と言われ溜息と共に肩を落とす。 もう勝手にしろ。
とはいえ、やはり中の様子が気になる。
いや、気になるって言うのはナナシが心配だからであって、決してやましい気持ちからではない··········ないっ!
相手は女とは言え、マダムにあ、あんな、い、いいかがわしい行為·····あぁもう、気になって仕方がない。
エアリスの前だからバレないように、神経を研ぎ澄まして、元ソルジャーの力を振り絞ってマダムとナナシの居る場所に向かって耳を澄ました。
「おや、結構凝ってるねぇ」
「·····っあ!·····んん·····!」
「どうだい?気持ちいいだろう?」
「す、すご·····、や、あぁ·····!」
ナナシーーーー!!
俺は聞いてはいけないものを聞いてしまっているのか。
初めて聞くナナシの妖しい声に身体が勝手に反応して、心臓がバクバクと激しく五月蝿い。
熱くなった顔を振り切るようにぶんぶん振ると、隣にいたエアリスが「ど、どうしたの、大丈夫?」と心配そうにしていたが、何でもないと冷静に返事をした。
「ここをこうして·····」
「ひゃっ」
「あぁ、痛かったかい?」
「ん·····!大丈夫、です·····っ」
ちょ、長くないか·····?
俺の時はそんなに長くなかったと思うが!
まさか他に特別なコースでもされているんではないのかと不安がよぎるが、今はとにかく時間が過ぎるのを待つしかできなかった。
そうこうしていたらマダムとすっきりした笑顔のナナシが戻ってきた。
「あーーー気持ち良かったー!」
「相当凝っていたからね、念入りにさせてもらったよ。」
「すーんごい腕が軽くなったー!」
ぶんぶんと腕を回すナナシにエアリスが良かったねーと歩み寄って話をしている。
特に問題なさそうだな、良かった。
でもナナシは普通なのに、俺はなんであそこまで骨抜きにされてしまったんだろうかと、不思議に思っていたらふとナナシと目が合った。
「あ、そうだクラウド―」
「…?何だ。」
「マダムに手揉みの仕方、教えてもらったから今度やったげるねー」
「…は?!」
今なんて言った?こいつは。
「ナナシ、なかなか筋が良いよ、うちで働くかい?」
「ほんと?!転職もありかなー!なはは!」
あ、あれを、ナナシが、俺に?
またさっきの記憶が蘇って、ナナシに手揉みされたならと思うとまた身体が熱くなった。
ま、まぁ、それも、いいかもしれない。
「あ、バレットも手凝ってそうだし、やったげようかなー」
「…なっ!それはダメだ!ナナシ!」
「え?何でよ、クラウド?」
頼むから、それは俺だけの特権にしといてくれ。
(その時の俺をエアリスが生温かい目で見ていたなんて、知らないに決まってるだろ。)
<end>
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