Pearl番外編
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
( recupero )
なんか、今日は一段と疲れてる気がする。
先週、後輩のミスフォローの為の急な休日出勤。
そこから相変わらず休みなしの連日残業。
ストレスも疲れもマックスで、さすがの私も体力がゼロに近い。
明日は休み、明日は休みと自分を何とか奮い立たせてギリギリの所でやれている感じだ。
何より、1週間レノに会えてないのが一番堪えてる。しかも連絡すら取れていない。
長期出張に出る、とだけ聞いていた。
いつ帰ってくるのかもわからないし何の任務かいつも教えてくれないから予想もつかない。
そもそも、一言無事の連絡くらいくれたらいいのに。
何処かで何かあったのか、だから連絡出来ないのかな、なんて考え始めたらキリがない。
忙しい、のは理解出来るし任務中に連絡ないのはいつもの事なんだけど、何だか今の私は本当に余裕が無い。
イライラと哀しみが頭の中を渦巻いてて、何かに当たり散らしたい気持ちになる。
「…早く終わらせよ」
今日は疲れで特にメンタルが弱ってるだけだ、と自分に言い聞かせて足早に資料室を後にする。
オフィスに戻って、あとは簡単なデータを打ち込めばもう今日は終了。
早く帰ってゆっくりお風呂につかろう。とオフィスに向かう。
誰もいないオフィスに戻って自分のデスクに向かうと、何かが置かれているのに気づく。
「…ポーション…?」
何でこんなところにポーションがあるんだろう。
自分で持ち歩く習慣もないし、買った覚えもない。
資料室に行っている間に誰かがここに置いていったのだろうか、視線を落とすとポーションの下に小さなメモ。
そこには、ただいま、と一言だけ書かれていて、それだけで誰が来たのか瞬時に理解する。
すぐさま携帯を取り出し、すばやくボタンを押して電話を掛けた。
『…もしもし、ナナシ?』
「レノ?!帰ってきてたの?」
『あーさっき着いたばっか。すぐそっち行ったけどお前いなかったぞ、と』
「資料室行ってた…」
『そうだろーと思った。…おっとわりぃ、まだ仕事残ってんだ』
「あっそっか、ごめんね…仕事中に」
今日は会えると期待していた分、まだレノの仕事が終わってないことにあからさまに残念がってしまった。
レノはすぐにそれを察知したのか、電話の向こうから笑い声が聞こえる。
『なんだなんだぁ?ナナシちゃんそーんなに俺に会いたかった?』
「…1週間も会ってないんだから当り前でしょ」
『お、珍しく素直で可愛いぞ、と』
「もうっ、何も連絡ないから心配してたのに!」
『あーわりぃ、しよーと思ってたけど主任が人遣い荒くってよぉ』
「レノすぐサボりそうだもんね」
『おいおい、俺以上に真面目なヤツいねーよ、と』
久しぶりに聞くレノの声。
それだけで重くなってた心が少しずつ軽くなってくる。
「今日は遅くなる?」
『すぐ終わる。家で待ってろよ、と』
「うん…あっ、ポーション、ありがと」
何でポーション?と聞くと、「なんとなく」と返されて少し驚いた。
なんとなくで今の自分に一番必要な物を持ってくるとは。
さすがタークスと言うべきか、レノが会えない間少なからず自分を思ってくれていたと自惚れるべきか。
何にしても、嬉しいことに変わりはない。
「ふふ、」
『ナナシ?』
「ううん。…そうだね、ちょっと疲れたかな。帰ったら癒してね?」
『それ誘ってんのか?』
「…余計疲れそうな予感…」
電話を挟んで笑いあって、また後でと電話を切る頃にはさっきまでの疲れがほとんど軽くなっていた。
ごはん、食べるかな?作ろうかな。
早く帰って掃除しなきゃ。
あ、疲れてるだろうからお風呂も沸かしておこう。
早く、会いたい。
帰ってきたらまずはぎゅうっと抱き着きたい。
面と向かっておかえりって言いたい。
この先のことを考えて自然と笑顔になるのを隠すことなく、残っていた仕事に手を付けた。
変なの、さっきまで怒って泣きそうだったのに、もう忘れてる。
こんなところレノに見られたら、単純、って笑われるんだろうな。
ポーションなんか無くても会えるだけで簡単に回復しちゃうんだから、早く帰ってきてよね!
(で、やっぱりするのね?)
(会うだけで回復すんなら無限にできんじゃね?)
(…なんか解釈違う気が)
帰るなり美味しく頂かれてEND