Pearl番外編
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( アライブ )
窓から気持ちいい風が入ってくる。
それと共に、朝日の光が差し込んできて、眩しさで目が覚めた。
虚ろな目で時計を見ると、まだ6時前。
出勤時間にはまだ時間に余裕があるな…。
ところで、いつのまに寝てたんだろう。
まだ微睡む頭をゆっくり起こそうとすると、自分の頭を乗せていたのは枕でなくて、誰かの腕だったことに気づく。
同時に、隣に感じる気配。
あぁそうか。昨日、レノがうちに泊まったんだっけ。
ようやく頭がハッキリしてきて、昨日の事を思い出してくる。
昨日は、任務があるから来れないってメールが来てたのに。
日が変わるギリギリの時間に、突然インターホンが鳴って、入ってきたのは来る予定じゃなかった彼で。
そのままベッドに流れ込んじゃったんだっけ。
なんだか、いつもより、激しかった…かも。
昨夜の情事の内容まで思い出しちゃって、恥ずかしくなってきた。
昨夜の情熱的な彼とは裏腹に、穏やかな顔で寝息を立てて未だ夢の中のレノを見つめる。
彼の燃えるような赤い髪を一房掬ってクルクルと弄んでみたら、擽ったいのか少しだけ眉を顰めているのがなんとも可愛い。
あ、顔に小さい傷。こないだは無かったと思うけど何処でつけたんだろ。
そういえば、任務、どんな内容だったのかな。
また、危険なものだったのだろうか。
レノと付き合っている以上、拭うことのできない不安が次第に心を支配しそうになって振り払うように頭を振る。
そっと、仰向けに寝てるレノの胸に耳を当ててみる。
心臓の小さな鼓動が、トクトクと規則的なリズムを刻んでいるのを感じて、不安だった心が徐々に温かいもので満たされていく。
あぁ、今日も無事だ。そうやって安心できるこの時間がとても愛おしい。
「ん…ナナシ…?」
胸を擽る私の髪の感触に気づいて、身じろぎながらゆっくり目を開けたレノ。
何故か自分の胸に耳を当てたままこっちを見てる私に、目を丸くする。
「おはよ、レノ。」
「はよ…なに、してんだ?」
「んー、生存確認?」
「はっ何だそりゃぁ」
生きてるに決まってんだろ、とワシワシと少し乱暴に頭を撫でてくる。
「うん、生きてる。良かった。」
別に何かあったわけでもないのに、
また、生きて私の元に来てくれたことに感謝したい気持ちが溢れる。
だから私は、この気持ちが伝われと、少しだけ身体を伸ばして、レノの唇にそっと自分の唇を重ねた。
突然のキスに驚いたレノは、特別何も言わず少しだけ微笑んで、私の体を優しく抱きしめてくれた。
明日、何があるかわからない。
けど、今感じることのできる感じる幸せを、精一杯噛み締めたい。
***
「…で。レノ?」
「ん?」
「さっきまで私が見下ろしてたはずなのに、何で今私がレノを見上げているのか、な?」
「や、生きてる実感もっと欲しいかなーと」
「·····まさか、朝からやる気?!?!」
「時間はまだたっぷりあるからなぁ?」
「いや、時間の問題でなくて!昨夜もしたじゃん!」
「朝っぱらから煽ってきたナナシが悪いんだぞ、と」
「ひぇぇ…っ」
(それでもあなたが愛おしいよ!バカ!)
<end>