Story.05≪Chapter.1-5≫
「つまり一昨日、学院を襲撃してリヴ様を殺そうとした道化会のリーダーは、やってもいない罪を被せられ追放処分を受けたカルマですわ!追放された後に彼はその事件について色々と調べ、ファーウェル先輩を殺害した真犯人が学院内にいるって事を知って会員と共に襲撃を決行したのです!!」
エリザベートは自信満々に自らの推測を説明し、言い切った後は清々しい表情を浮かべていた。
ほとんどの生徒とエンドルが驚いた顔をしている中、カイザーは溜め息を漏らしていた。
「……で、その真犯人は誰なんだよ」
「えっ?」
「自信持ってそう言い切れるって事は、1年前の真犯人の目星も付いてるんだろ?言ってみろよ」
「え、えっと…それは…そのぉ……」
どうやらファーウェルを殺害した真犯人は分かっていない様で、エリザベートの目が混乱のあまり泳いでいる。
他の生徒達も驚いて損したと思わせる様に拍子抜けし、ミシェルも彼女から視線を逸らして溜め息を漏らした。
その様子を見たアンヘルは咳払いをし、微妙になった空気を変えようとする。
「エリザベートは、リヴマージ抹殺の舞台が何故この学院なのか引っ掛かって調べてる内に、その事件に辿り着いたんだね。これは僕も無視出来ないと思います。こちらも他の教職員の方々に報告しておきましょう」
「お願いしますわ…」
教え子が懸命に調査した内容の発表を無駄にさせるワケにはいかないという思いでの評価だが、エリザベートは恥ずかしそうに顔を赤らめた。
とはいえ、1年前に起きた学院内の事件はミシェルも調べており、批判の言葉を出さないと同時にこの発表を控える事にした。
彼女もカルマが主犯ではないかという考えもあり、何せ主な入手方法は学院の裏サイト経由だからだ。
それに加え、あの事件の全容もまだ解明出来ていないので恥をかきたくないというのもある。
「では次はミシェル、発表の方をお願いします」
そうして出番は自分に回り、引き出しから自分の黒いタブレット端末を取り出しては操作を始める。
「おや?あの子も何か映像を出すのでしょうか」
「そうですね。彼女の発表内容は、言葉で説明するより実際に見せた方が良いと思っているのでしょう」
ミシェルの行動を一番後ろで見ていたエンドルが不思議そうに見ており、その呟きを聞いたセロンがそう返した。
「先生、俺の音声付きの動画をあんたのパソコンに送り込んだ。それをそこのスクリーンに流してくれ」
「分かったよ。これだね」
彼女の頼みにアンヘルは自らの背後にあるスクリーンを起動させる中、エンドルはそんな事が出来るのかと少し驚いたような顔をした。
他の生徒達は何が映し出されるのかと期待と緊張の思いで見つめると、目にしたのは森の中でミシェルとセロンが手合わせをしている場面だった。
画面の一番下に表示されているのは日時と時刻が書かれており、それが今日の6時38分を示していた。
互いの刃がぶつかり合う音が響くだけで異変を感じさせる音はなく、また仮面を被った会員らしき姿もない。
「……これの何処が道化会に繋がる情報なんだ?」
いつもの修行の風景を見せられているだけかと感じたエクセリオンがそう呟いた直後、セロンが弟子の成長を褒める発言やミシェルの悪口とネットでの書き込みを見た事を告げる声もあった。
「こんなの長々と見せられるなんて、本当は何一つ情報が得られなかっただけじゃありませんの?素直にそれを認めて、この映像を消して下さいな」
「良いじゃねぇかよ。これはこれで面白そうだし」
「この後何か起こるのか?俺には何もなさそうに見えるんだけど」
「と、とりあえず最後まで見てみましょう」
エリザベートは下らないと感じ、カルロスはこの手合わせを見て楽しんでおり、レヴィンは変化の兆しが分からないと、同級生は様々な感情を抱いている中でリヴマージはこの映像を一通り見ようと声を掛けた。
エリザベートは自信満々に自らの推測を説明し、言い切った後は清々しい表情を浮かべていた。
ほとんどの生徒とエンドルが驚いた顔をしている中、カイザーは溜め息を漏らしていた。
「……で、その真犯人は誰なんだよ」
「えっ?」
「自信持ってそう言い切れるって事は、1年前の真犯人の目星も付いてるんだろ?言ってみろよ」
「え、えっと…それは…そのぉ……」
どうやらファーウェルを殺害した真犯人は分かっていない様で、エリザベートの目が混乱のあまり泳いでいる。
他の生徒達も驚いて損したと思わせる様に拍子抜けし、ミシェルも彼女から視線を逸らして溜め息を漏らした。
その様子を見たアンヘルは咳払いをし、微妙になった空気を変えようとする。
「エリザベートは、リヴマージ抹殺の舞台が何故この学院なのか引っ掛かって調べてる内に、その事件に辿り着いたんだね。これは僕も無視出来ないと思います。こちらも他の教職員の方々に報告しておきましょう」
「お願いしますわ…」
教え子が懸命に調査した内容の発表を無駄にさせるワケにはいかないという思いでの評価だが、エリザベートは恥ずかしそうに顔を赤らめた。
とはいえ、1年前に起きた学院内の事件はミシェルも調べており、批判の言葉を出さないと同時にこの発表を控える事にした。
彼女もカルマが主犯ではないかという考えもあり、何せ主な入手方法は学院の裏サイト経由だからだ。
それに加え、あの事件の全容もまだ解明出来ていないので恥をかきたくないというのもある。
「では次はミシェル、発表の方をお願いします」
そうして出番は自分に回り、引き出しから自分の黒いタブレット端末を取り出しては操作を始める。
「おや?あの子も何か映像を出すのでしょうか」
「そうですね。彼女の発表内容は、言葉で説明するより実際に見せた方が良いと思っているのでしょう」
ミシェルの行動を一番後ろで見ていたエンドルが不思議そうに見ており、その呟きを聞いたセロンがそう返した。
「先生、俺の音声付きの動画をあんたのパソコンに送り込んだ。それをそこのスクリーンに流してくれ」
「分かったよ。これだね」
彼女の頼みにアンヘルは自らの背後にあるスクリーンを起動させる中、エンドルはそんな事が出来るのかと少し驚いたような顔をした。
他の生徒達は何が映し出されるのかと期待と緊張の思いで見つめると、目にしたのは森の中でミシェルとセロンが手合わせをしている場面だった。
画面の一番下に表示されているのは日時と時刻が書かれており、それが今日の6時38分を示していた。
互いの刃がぶつかり合う音が響くだけで異変を感じさせる音はなく、また仮面を被った会員らしき姿もない。
「……これの何処が道化会に繋がる情報なんだ?」
いつもの修行の風景を見せられているだけかと感じたエクセリオンがそう呟いた直後、セロンが弟子の成長を褒める発言やミシェルの悪口とネットでの書き込みを見た事を告げる声もあった。
「こんなの長々と見せられるなんて、本当は何一つ情報が得られなかっただけじゃありませんの?素直にそれを認めて、この映像を消して下さいな」
「良いじゃねぇかよ。これはこれで面白そうだし」
「この後何か起こるのか?俺には何もなさそうに見えるんだけど」
「と、とりあえず最後まで見てみましょう」
エリザベートは下らないと感じ、カルロスはこの手合わせを見て楽しんでおり、レヴィンは変化の兆しが分からないと、同級生は様々な感情を抱いている中でリヴマージはこの映像を一通り見ようと声を掛けた。