Story.04≪Chapter.1-4≫
彼女は3人の親友の思考に気付いていないが、セロンは何となくではあるが気付いている様で、少し考えてから首を縦に振る。
「分かった。じゃあユリアン、クラリネ、私と同行するのは良いけど迷惑行為はしないように」
「分かりました」
「はーい!」
そうしてユリアンとクラリネがセロンと共に≪ブルーライド≫へ足を運ぼうとした時、クラリネは一度立ち止まって振り返る。
「ミシェルとアンナは来ないの?」
「悪い。俺はパソコンルームで調べたい事があってな」
「私は生徒会の会議があるの。ブルーライドでの聞き込みは貴方達に任せるわ」
ミシェルは個人的な調査、アンナは生徒会としての仕事で同行出来ない事を伝えると、「そっかぁ…」と残念そうな表情を浮かべるクラリネ。
それを見たユリアンは「私達は私達で聞き込みをしよう」と伝えて納得させ、セロンも二人の用事に頷きつつミシェルに視線を送る。
「ミシェル、明日6時半に武道場へ来なさい。昨日と今日、道化会絡みで修行が出来なくなった分しっかりと叩き込むから覚悟しておいてね」
「マジか…」
セロンから明日の予定を聞かされると、ミシェルは朝早くから登校しなければいけないのかと愕然とした。
確かに連日、剣術の修行が出来ていなかった事を気にしていたが、早朝辺りから行うとは。
そう思っている内にセロンはユリアンとクラリネを連れてこの場から去り、アンナはこっそりとミシェルの隣に歩み寄る。
「貴方も大変ね」
「いつもの事さ…」
敵の情報収集に剣術の修練、この二つを交互にやるのは普通からしたら苦労の連続だと思われる。
前者は望まぬハプニングだが、後者は強さを求め、記憶のない状態から面倒を見てくれているピュアリティ・クラウンへの恩返しを望む、ミシェルが選んだ道なのだ。
弱音や愚痴を吐露する事もあるが、これは本心ではない。
戦う“力”を身に付ける事の大変さを示そうとしているだけである。
「じゃあ、また明日。お互い、良い情報が手に入ると良いわね」
「ああ」
そうしてアンナとも別れ、ミシェルはパソコンルームの利用許可を求めて情報学の教師のラウネの所へ向かった。
あれから時は流れ、16時10分。
3階のパソコンルームにて、ラウネが見せてくれたサイト―『サクレイド学院の裏歴史』を閲覧し、学院襲撃に繋がりそうな書き込みを探している。
『あの情報学の先生マジウザい。今日も普通に廊下歩いてたら、可愛い花柄の髪留め付けただけで怒られた。これ、魔物を寄せ付けない魔力が篭ってるから行きも帰りもめっちゃ安全なんですけどー。』
『化学の先生、目付き怖くね?何も悪い事してないのに睨まれたし。』
今目を通しているのは掲示板で、書き込みの中には対象の名前を伏せているケースが多いが、開設されたのは2年前と比較的最近である為、内容からすると何となく予想出来る人物を思い浮かべる。
教師に対する不満や腹立たしい事が書かれているものの、道化会の目的に繋がりそうなモノは今の所見当たらない。
古い書き込みから順に辿っていくと今年度に書き込まれた内容に入り、ある生徒への悪口の書き込みを見つける。
『エリザベートは一般の生徒に向かって威張り散らしてるクセに、同じ貴族の子供と神子に対してはニコニコしてやがる。四王座に選ばれてないって事は実力も大した事ない。あれ絶対親のコネで入学してるよ。』
『神子はこの聖冥諸島の平和を守り続けている立派なお方。なのにミシェルって奴は偉そうな態度で接して来る。カイザーもそうなんだけどあれは防衛局の息子だから良いとして、あの女は偉大な人物に対する礼儀がなってない。四王座に選ばれないのも当然だ。最近じゃ先生方にも失礼な態度を取ってるし。剣帝のセロンに教えて貰ってるからって調子に乗り過ぎ。』
ここからは堂々と実名が出されており、自分の名前がある内容に眉を顰(しか)めながら見つめるミシェル。
「分かった。じゃあユリアン、クラリネ、私と同行するのは良いけど迷惑行為はしないように」
「分かりました」
「はーい!」
そうしてユリアンとクラリネがセロンと共に≪ブルーライド≫へ足を運ぼうとした時、クラリネは一度立ち止まって振り返る。
「ミシェルとアンナは来ないの?」
「悪い。俺はパソコンルームで調べたい事があってな」
「私は生徒会の会議があるの。ブルーライドでの聞き込みは貴方達に任せるわ」
ミシェルは個人的な調査、アンナは生徒会としての仕事で同行出来ない事を伝えると、「そっかぁ…」と残念そうな表情を浮かべるクラリネ。
それを見たユリアンは「私達は私達で聞き込みをしよう」と伝えて納得させ、セロンも二人の用事に頷きつつミシェルに視線を送る。
「ミシェル、明日6時半に武道場へ来なさい。昨日と今日、道化会絡みで修行が出来なくなった分しっかりと叩き込むから覚悟しておいてね」
「マジか…」
セロンから明日の予定を聞かされると、ミシェルは朝早くから登校しなければいけないのかと愕然とした。
確かに連日、剣術の修行が出来ていなかった事を気にしていたが、早朝辺りから行うとは。
そう思っている内にセロンはユリアンとクラリネを連れてこの場から去り、アンナはこっそりとミシェルの隣に歩み寄る。
「貴方も大変ね」
「いつもの事さ…」
敵の情報収集に剣術の修練、この二つを交互にやるのは普通からしたら苦労の連続だと思われる。
前者は望まぬハプニングだが、後者は強さを求め、記憶のない状態から面倒を見てくれているピュアリティ・クラウンへの恩返しを望む、ミシェルが選んだ道なのだ。
弱音や愚痴を吐露する事もあるが、これは本心ではない。
戦う“力”を身に付ける事の大変さを示そうとしているだけである。
「じゃあ、また明日。お互い、良い情報が手に入ると良いわね」
「ああ」
そうしてアンナとも別れ、ミシェルはパソコンルームの利用許可を求めて情報学の教師のラウネの所へ向かった。
あれから時は流れ、16時10分。
3階のパソコンルームにて、ラウネが見せてくれたサイト―『サクレイド学院の裏歴史』を閲覧し、学院襲撃に繋がりそうな書き込みを探している。
『あの情報学の先生マジウザい。今日も普通に廊下歩いてたら、可愛い花柄の髪留め付けただけで怒られた。これ、魔物を寄せ付けない魔力が篭ってるから行きも帰りもめっちゃ安全なんですけどー。』
『化学の先生、目付き怖くね?何も悪い事してないのに睨まれたし。』
今目を通しているのは掲示板で、書き込みの中には対象の名前を伏せているケースが多いが、開設されたのは2年前と比較的最近である為、内容からすると何となく予想出来る人物を思い浮かべる。
教師に対する不満や腹立たしい事が書かれているものの、道化会の目的に繋がりそうなモノは今の所見当たらない。
古い書き込みから順に辿っていくと今年度に書き込まれた内容に入り、ある生徒への悪口の書き込みを見つける。
『エリザベートは一般の生徒に向かって威張り散らしてるクセに、同じ貴族の子供と神子に対してはニコニコしてやがる。四王座に選ばれてないって事は実力も大した事ない。あれ絶対親のコネで入学してるよ。』
『神子はこの聖冥諸島の平和を守り続けている立派なお方。なのにミシェルって奴は偉そうな態度で接して来る。カイザーもそうなんだけどあれは防衛局の息子だから良いとして、あの女は偉大な人物に対する礼儀がなってない。四王座に選ばれないのも当然だ。最近じゃ先生方にも失礼な態度を取ってるし。剣帝のセロンに教えて貰ってるからって調子に乗り過ぎ。』
ここからは堂々と実名が出されており、自分の名前がある内容に眉を顰(しか)めながら見つめるミシェル。