Story.02≪Chapter.1-2≫
☆☆☆
4階、屋上を目指すグループの先頭にいるミシェルとバーンは、通路に仮面を付けたローブの者、もしくは既に変貌した怪物がいないか確認している。
「4階は誰もいないんじゃねぇの?」
「俺達が知らない内に訪れているヒトがいるかもしれん。そして襲われていたら助けるのが軍人としての常識だ」
この階層でユリアンとバラッドが2体の怪物を倒したという報告を受けてから、AIによる新たな情報が入って来ない。
後方にいるエクセリオンはそれが気になっており、管制室で何かあったのではないかと考え込み始める。
しかしカルロスは、ヒトや怪物の気配がない事から早く屋上に行きたそうな顔をしているが、一応覗き込む様に通路を確認する。
ミシェルはスカートのポケットから生物感知機能が付いた小型のセンサーを取り出すが、反応はなくそのまま静かに入れた。
「やっぱ誰もいねぇじゃん」
「そうみたいだな」
「んじゃ、屋上へ行くぜ!!」
バーンが一足先に階段を駆け上がり、他の3人も続けて屋上へと上って行く。
ここまでは誰にも邪魔される事はなく、また怪物にも遭遇しなかったがまだ安心は出来ない。
外に繋がるドアは閉まったまま、その状態で耳を澄ましても物音は聞こえない。
しかしそんな時だからこそ開ける時は慎重に、先頭としてミシェルがドアノブに触れ、後ろにいるエクセリオンが≪地脈操技典≫を出現させては詠唱を始める。
「ブラウン・ガード…」
呟く様にそう発すると、クリアブラウンのシールドがあらゆる攻撃から守る様に彼女の身体を包み込んだ。
感謝する様に頷き、ドアノブを右に捻って素早く開けて突入すると、そこには誰もいなかった。
代わりに全長は5mとミシェル達よりも大きく、手足の部分は短いが胴体が一際大きく、中心部には淡い光を発する赤紫の結晶が埋め込まれている黒い機械が佇んでいた。
結晶の大きさは30cmくらいはありそうだが、彼女に気付いていないのか動きは見せていない。
「うおっ!?でっけーっ!!」
「何だありゃ!?」
後から来たバーンとカルロスも驚く程の巨大さであり、エクセリオンも目を見開きながら機械を見るがすぐさま平静を取り戻す。
「この機械、学院の物ではなさそうだな…。少し離れて様子を見よう」
初めて見る存在はまず警戒を、結晶に光があるという事は稼動している証拠なので、それぞれ自身の武器に手を触れる。
バーンはカードケースに入っているカードを確認し、カルロスは機械がどう動くのか楽しみにしながらじっと見つめ、ミシェルはいつでも刀を引き抜けるよう右手で柄を握る。
すると頭部がゆっくりとこちらに向け、足の部分を立たせては目の部分を黄色く光らせる。
『前方に4人の人類を確認。……いずれも道化会(どうけかい)の会員登録なし』
「道化会…?」
男性を思わせる音声の中に、聞き慣れない言語(ワード)がある事に目を細めるミシェル。
他の3人もどういう意味なのか分からないが、突然黒い機械の右腕が細長い銃へと変形し、左腕が巨大な盾に変形した。
『クアトロ・レイドの命令により、攻撃を開始する』
「くあとろれいど?何だそりゃ?」
「俺にも分からんが、味方ではないのは確かだな」
またもや聞き覚えのない言葉にバーンは目を丸くするが、明らかに攻撃して来ると感じたエクセリオンは応戦の意思を示す。
ミシェルも結局こうなるのかと思いつつ、≪斬蒼刀≫を取り出して構える。
「何だか知らねぇが、これはこれで面白い事になりそうだな」
未知の機械との戦闘に興味を示すカルロスも、笑みを浮かべながら≪アサルトコンバット・ウィンド≫に風の魔力を纏わせた。
4階、屋上を目指すグループの先頭にいるミシェルとバーンは、通路に仮面を付けたローブの者、もしくは既に変貌した怪物がいないか確認している。
「4階は誰もいないんじゃねぇの?」
「俺達が知らない内に訪れているヒトがいるかもしれん。そして襲われていたら助けるのが軍人としての常識だ」
この階層でユリアンとバラッドが2体の怪物を倒したという報告を受けてから、AIによる新たな情報が入って来ない。
後方にいるエクセリオンはそれが気になっており、管制室で何かあったのではないかと考え込み始める。
しかしカルロスは、ヒトや怪物の気配がない事から早く屋上に行きたそうな顔をしているが、一応覗き込む様に通路を確認する。
ミシェルはスカートのポケットから生物感知機能が付いた小型のセンサーを取り出すが、反応はなくそのまま静かに入れた。
「やっぱ誰もいねぇじゃん」
「そうみたいだな」
「んじゃ、屋上へ行くぜ!!」
バーンが一足先に階段を駆け上がり、他の3人も続けて屋上へと上って行く。
ここまでは誰にも邪魔される事はなく、また怪物にも遭遇しなかったがまだ安心は出来ない。
外に繋がるドアは閉まったまま、その状態で耳を澄ましても物音は聞こえない。
しかしそんな時だからこそ開ける時は慎重に、先頭としてミシェルがドアノブに触れ、後ろにいるエクセリオンが≪地脈操技典≫を出現させては詠唱を始める。
「ブラウン・ガード…」
呟く様にそう発すると、クリアブラウンのシールドがあらゆる攻撃から守る様に彼女の身体を包み込んだ。
感謝する様に頷き、ドアノブを右に捻って素早く開けて突入すると、そこには誰もいなかった。
代わりに全長は5mとミシェル達よりも大きく、手足の部分は短いが胴体が一際大きく、中心部には淡い光を発する赤紫の結晶が埋め込まれている黒い機械が佇んでいた。
結晶の大きさは30cmくらいはありそうだが、彼女に気付いていないのか動きは見せていない。
「うおっ!?でっけーっ!!」
「何だありゃ!?」
後から来たバーンとカルロスも驚く程の巨大さであり、エクセリオンも目を見開きながら機械を見るがすぐさま平静を取り戻す。
「この機械、学院の物ではなさそうだな…。少し離れて様子を見よう」
初めて見る存在はまず警戒を、結晶に光があるという事は稼動している証拠なので、それぞれ自身の武器に手を触れる。
バーンはカードケースに入っているカードを確認し、カルロスは機械がどう動くのか楽しみにしながらじっと見つめ、ミシェルはいつでも刀を引き抜けるよう右手で柄を握る。
すると頭部がゆっくりとこちらに向け、足の部分を立たせては目の部分を黄色く光らせる。
『前方に4人の人類を確認。……いずれも道化会(どうけかい)の会員登録なし』
「道化会…?」
男性を思わせる音声の中に、聞き慣れない言語(ワード)がある事に目を細めるミシェル。
他の3人もどういう意味なのか分からないが、突然黒い機械の右腕が細長い銃へと変形し、左腕が巨大な盾に変形した。
『クアトロ・レイドの命令により、攻撃を開始する』
「くあとろれいど?何だそりゃ?」
「俺にも分からんが、味方ではないのは確かだな」
またもや聞き覚えのない言葉にバーンは目を丸くするが、明らかに攻撃して来ると感じたエクセリオンは応戦の意思を示す。
ミシェルも結局こうなるのかと思いつつ、≪斬蒼刀≫を取り出して構える。
「何だか知らねぇが、これはこれで面白い事になりそうだな」
未知の機械との戦闘に興味を示すカルロスも、笑みを浮かべながら≪アサルトコンバット・ウィンド≫に風の魔力を纏わせた。