Prologue
これはミシェルも、そして他の同級生達も同じ気持ちなのだろう。
何故なら昨日の連絡の時点で、“明日は任務(ミッション)の研修だから、忘れないでね”くらいしか言われなかったのだから。
当日になってからのお楽しみという意味だけなのか、それとも厄介な要素が混ざっているのか、はたまた…、
「神子と四王座絡みで何かすんのか……っと、噂をすれば」
様々な予想が出る内に≪サクレイド学院≫の校門を通った瞬間、ミシェルが口にした人物達の姿を目にした。
「あら、ミシェル、ユリアン、おはよう」
こちらに目を向けた瞬間微笑んだのは、白銀の髪をストレートに腰まで伸ばし、茶色い瞳を持つ女子生徒―リヴマージ・C・クロムヘル。
“穏健の神子”の異名を持ち、アイドライズ島のシンボルとして崇められている存在だが、同級生達の間では“リヴ”と呼ばれている。
「ちぃーっす」
「お前…、他の生徒に見られているんだ。少しはちゃんとした挨拶をしてくれ」
ミシェルの挨拶にツッコミを入れたのは、少々癖のあるショートカットの茶髪に深緑色の瞳を持ち、こげ茶の縁の眼鏡を掛けた男子生徒―エクセリオン・I・クルセイド。
優秀な生徒のみが与えられる称号であり、神子であるリヴマージを守護する『四王座』の一人で、地属性の魔法を巧みに操る“地の座”の地位を持ち、キリッとした目付きで真面目な優等生の印象を受ける。
「それ気にするの、ラウネ先生くらいだろ?良いじゃないか、そのくらい」
そんなエクセリオンを苦笑いで宥めるのは、さっぱりとしたショートカットの銀髪に朱色の瞳を持つ男子生徒―レヴィン・A・フィデリー。
彼もエクセリオンと同じく『四王座』の一人だが、こちらは炎属性の魔力を操る“炎の座”の地位に座しており、穏やかな心の中に意思の強さを感じる。
「そうよ。私も皆と同じ学院の生徒なんだから、普通に接して欲しいわ!」
「そうは言っても、誰だって緊張感はあるのよね…」
硬い態度はいらないとリヴマージは豪語するも、緩くウェーブが掛かった群青色の髪に青い宝石が付いた黄緑色のカチューシャを装着した、水色の瞳を持つ女子生徒―ステファニー・H・ラヴァーズがそう返した。
彼女も“水の座”の地位を持つ『四王座』の一人であり、同属性の攻撃魔法のみならず高度な回復魔法を使いこなせる事から、2年生だけでなく学院全体でも名が知られている。
「私だけ特別扱いしなくたって良いのに…。カイザー、何か言ってよぉ~」
「知るか」
「現時点でお前が一番失礼だな…」
この話題に対して冷たい反応をしたのは、上の方に若干髪の毛が立っていて毛先が跳ねているがさらさらの金髪を膝まで伸ばし、赤い瞳と色白の肌を持つ美形の男子生徒―カイザー・L・ヴァリエンティナ。
風属性の魔力を操る“風の座”の地位を持つ『四王座』の一人で、防衛局ピュアリティ・クラウンの局長の息子でもあり、高い戦闘能力を持つ事から将来有望と噂されている。
ただ神子であるリヴマージのみならず、他の者に対して失礼な態度を取る事を受け、隣にいるエクセリオンは溜め息を漏らすばかりだった。
そこでミシェルは、ユリアンと話していた事をこの5人にも尋ねる。
「ところでよ、今日の任務(ミッション)の研修内容は何なのか聞いてっか?」
「えっ?内容?」
「そういえば聞いてないな…」
その言葉にレヴィンは少し考えつつ他の4人に聞いてみるも、やはり答えは同じだった。
「そっかぁ、あんた達も何も聞いてないのね」
「てっきり先生と結託して何かすんのかと思ったぜ」
「結託って…。俺達を悪人みたいな言い方をするなよ…」
ユリアンの反応はともかく、後のミシェルの返答にエクセリオンは愕然とした。
「ま、まぁまぁ!それはお楽しみって事で良いじゃないっ!簡単な内容だと良いねっ!」
一瞬険悪な雰囲気が出そうな所を、リヴマージがすかさず場を和まそうとしていた。
彼女の一言にステファニーも「そうね」と微笑み、7人はそのまま教室へと足を運んで行った。
何故なら昨日の連絡の時点で、“明日は任務(ミッション)の研修だから、忘れないでね”くらいしか言われなかったのだから。
当日になってからのお楽しみという意味だけなのか、それとも厄介な要素が混ざっているのか、はたまた…、
「神子と四王座絡みで何かすんのか……っと、噂をすれば」
様々な予想が出る内に≪サクレイド学院≫の校門を通った瞬間、ミシェルが口にした人物達の姿を目にした。
「あら、ミシェル、ユリアン、おはよう」
こちらに目を向けた瞬間微笑んだのは、白銀の髪をストレートに腰まで伸ばし、茶色い瞳を持つ女子生徒―リヴマージ・C・クロムヘル。
“穏健の神子”の異名を持ち、アイドライズ島のシンボルとして崇められている存在だが、同級生達の間では“リヴ”と呼ばれている。
「ちぃーっす」
「お前…、他の生徒に見られているんだ。少しはちゃんとした挨拶をしてくれ」
ミシェルの挨拶にツッコミを入れたのは、少々癖のあるショートカットの茶髪に深緑色の瞳を持ち、こげ茶の縁の眼鏡を掛けた男子生徒―エクセリオン・I・クルセイド。
優秀な生徒のみが与えられる称号であり、神子であるリヴマージを守護する『四王座』の一人で、地属性の魔法を巧みに操る“地の座”の地位を持ち、キリッとした目付きで真面目な優等生の印象を受ける。
「それ気にするの、ラウネ先生くらいだろ?良いじゃないか、そのくらい」
そんなエクセリオンを苦笑いで宥めるのは、さっぱりとしたショートカットの銀髪に朱色の瞳を持つ男子生徒―レヴィン・A・フィデリー。
彼もエクセリオンと同じく『四王座』の一人だが、こちらは炎属性の魔力を操る“炎の座”の地位に座しており、穏やかな心の中に意思の強さを感じる。
「そうよ。私も皆と同じ学院の生徒なんだから、普通に接して欲しいわ!」
「そうは言っても、誰だって緊張感はあるのよね…」
硬い態度はいらないとリヴマージは豪語するも、緩くウェーブが掛かった群青色の髪に青い宝石が付いた黄緑色のカチューシャを装着した、水色の瞳を持つ女子生徒―ステファニー・H・ラヴァーズがそう返した。
彼女も“水の座”の地位を持つ『四王座』の一人であり、同属性の攻撃魔法のみならず高度な回復魔法を使いこなせる事から、2年生だけでなく学院全体でも名が知られている。
「私だけ特別扱いしなくたって良いのに…。カイザー、何か言ってよぉ~」
「知るか」
「現時点でお前が一番失礼だな…」
この話題に対して冷たい反応をしたのは、上の方に若干髪の毛が立っていて毛先が跳ねているがさらさらの金髪を膝まで伸ばし、赤い瞳と色白の肌を持つ美形の男子生徒―カイザー・L・ヴァリエンティナ。
風属性の魔力を操る“風の座”の地位を持つ『四王座』の一人で、防衛局ピュアリティ・クラウンの局長の息子でもあり、高い戦闘能力を持つ事から将来有望と噂されている。
ただ神子であるリヴマージのみならず、他の者に対して失礼な態度を取る事を受け、隣にいるエクセリオンは溜め息を漏らすばかりだった。
そこでミシェルは、ユリアンと話していた事をこの5人にも尋ねる。
「ところでよ、今日の任務(ミッション)の研修内容は何なのか聞いてっか?」
「えっ?内容?」
「そういえば聞いてないな…」
その言葉にレヴィンは少し考えつつ他の4人に聞いてみるも、やはり答えは同じだった。
「そっかぁ、あんた達も何も聞いてないのね」
「てっきり先生と結託して何かすんのかと思ったぜ」
「結託って…。俺達を悪人みたいな言い方をするなよ…」
ユリアンの反応はともかく、後のミシェルの返答にエクセリオンは愕然とした。
「ま、まぁまぁ!それはお楽しみって事で良いじゃないっ!簡単な内容だと良いねっ!」
一瞬険悪な雰囲気が出そうな所を、リヴマージがすかさず場を和まそうとしていた。
彼女の一言にステファニーも「そうね」と微笑み、7人はそのまま教室へと足を運んで行った。