Story.07≪Chapter.1-7≫
「誰が汚物だ…っ!事実を隠す貴様らの方が…っ!」
「魔物である君達の言い分は、誰一人受け入れてくれないよ」
もう1体のスライムコアが反論する途中、爆発が止まったと同時にいつの間にかエンドルが側まで来ていた。
今の炎属性の魔法が弱点だったせいでかなり弱りながらも、せめて自分達に近い敵からと液体の身体を動かして攻撃するが、全て白い結晶の剣で受け止められていた。
「効かねぇ…!?あの仮面の化け物の奴は効いた筈なのに!?」
「あの時は全部神子(リヴマージ)の歌のおかげ。補助のない君達の実力は、所詮その程度なんだよ」
やはり攻撃力上昇の補助効果があるかないかだけで、ここまでの差が出るのを全く知らなかった。
そんな魔物達に、エンドルは≪コールドエッジ≫で中にある赤い核を斬り付けた。
「そんな…バカな…」
「あれで…お前らに…勝てると思ったのに…」
2体のスライムコアは悔しがる声を最後に、塵となって消滅した。
残すは“黒の砂地獄”のみ、追い詰められた彼女は態勢を立て直して再び≪サンド・ブラインド≫を唱えて砂煙を引き起こす。
しかし今回は魔物にトドメを刺したエンドルにだけ覆わせ、右手に地属性の魔力で作られた茶色い槍を持って投げる態勢に入る。
「貴族の連中は、他の会員達が殺ってくれる…。せめて神子だけでも…!」
矛先から砂煙が纏い始め、それが徐々に大きくなって渦と化す。
言葉の通り何が何でもリヴマージを殺す気だと感じたレヴィンは、彼女の前に立つ。
リヴマージも地属性の初級補助魔法―≪ブラウン・ガード≫を発動し、クリアブラウンのシールドを自分だけでなく他の仲間達と傭兵に覆わせた。
「誰一人死なせはしない!死なせてたまるか!!」
レヴィンは気合いと共に炎属性の魔力を宿らせた≪シャインエッジ≫から炎が噴き出し、熱気が豪邸内に篭り始める。
「私の邪魔をする気か!?だったら貴様も神子ごとあの世に送ってやる!!」
“黒の砂地獄”も更に地属性の魔力を強め、矛先からの砂煙はここにいる全員の姿が隠される程となった。
「死ね!!」
そして彼女はそれを投げ、彼らをまとめて飲み込ませる勢いで砂の渦が襲い掛かる。
あれに巻き込まれた者はたとえ防御の魔法が掛けられていたとしても、そう長くは維持出来ない。
切れた瞬間に大量の砂が体内に入り、反撃どころか呼吸もまともに出来なくなる。
“黒の砂地獄”はレヴィン達が避ける仕草を見せずに掛かったと笑みを浮かべた瞬間…、
「……サイクロン・スピア!!」
真正面から発生した風の渦によって砂煙が反射するかの様に押し返され、直後に見えたのは≪ティアマット・エンペラー≫を構えて突っ込むカイザーだった。
また彼によって打ち砕かれたのか、しかしまだ諦めない“黒の砂地獄”は再び地属性の魔力を集中すると、カイザーは一旦後ろに下がった。
その行動にどういう事だと疑問に思った途端、彼と入れ代わる様にレヴィンが炎に包まれた剣を振りかざして急接近していた。
「フレア・ブレード!!」
気付いた時には防御も回避も間に合わずに直撃し、同時に激しい爆発が起きた。
それによる煙が数秒の内に晴れると、“黒の砂地獄”は仰向けに倒れていた。
レヴィンは生きているのかとそっと彼女の左の手首に触れると、脈は動いている様で気を失っているだけだったと分かり、安堵の一息を付いた。
その一方、エンドルは砂煙から解放されて彼女の状態を見ると既に終わったかとホッとし、カイザーは側に白いカードが落ちているのを目にして拾うと、ある会社と名前が黒字で書かれていた。
「『ライトデイ通信社』、『社会部』……『サンドラ・T・ヘイトロッド』…」
「どうしたの?カイザー」
読み上げる声を耳にしたリヴマージは彼の側まで歩み寄り、エリザベートとアロガントも近寄っては白いカードを見る。
「魔物である君達の言い分は、誰一人受け入れてくれないよ」
もう1体のスライムコアが反論する途中、爆発が止まったと同時にいつの間にかエンドルが側まで来ていた。
今の炎属性の魔法が弱点だったせいでかなり弱りながらも、せめて自分達に近い敵からと液体の身体を動かして攻撃するが、全て白い結晶の剣で受け止められていた。
「効かねぇ…!?あの仮面の化け物の奴は効いた筈なのに!?」
「あの時は全部神子(リヴマージ)の歌のおかげ。補助のない君達の実力は、所詮その程度なんだよ」
やはり攻撃力上昇の補助効果があるかないかだけで、ここまでの差が出るのを全く知らなかった。
そんな魔物達に、エンドルは≪コールドエッジ≫で中にある赤い核を斬り付けた。
「そんな…バカな…」
「あれで…お前らに…勝てると思ったのに…」
2体のスライムコアは悔しがる声を最後に、塵となって消滅した。
残すは“黒の砂地獄”のみ、追い詰められた彼女は態勢を立て直して再び≪サンド・ブラインド≫を唱えて砂煙を引き起こす。
しかし今回は魔物にトドメを刺したエンドルにだけ覆わせ、右手に地属性の魔力で作られた茶色い槍を持って投げる態勢に入る。
「貴族の連中は、他の会員達が殺ってくれる…。せめて神子だけでも…!」
矛先から砂煙が纏い始め、それが徐々に大きくなって渦と化す。
言葉の通り何が何でもリヴマージを殺す気だと感じたレヴィンは、彼女の前に立つ。
リヴマージも地属性の初級補助魔法―≪ブラウン・ガード≫を発動し、クリアブラウンのシールドを自分だけでなく他の仲間達と傭兵に覆わせた。
「誰一人死なせはしない!死なせてたまるか!!」
レヴィンは気合いと共に炎属性の魔力を宿らせた≪シャインエッジ≫から炎が噴き出し、熱気が豪邸内に篭り始める。
「私の邪魔をする気か!?だったら貴様も神子ごとあの世に送ってやる!!」
“黒の砂地獄”も更に地属性の魔力を強め、矛先からの砂煙はここにいる全員の姿が隠される程となった。
「死ね!!」
そして彼女はそれを投げ、彼らをまとめて飲み込ませる勢いで砂の渦が襲い掛かる。
あれに巻き込まれた者はたとえ防御の魔法が掛けられていたとしても、そう長くは維持出来ない。
切れた瞬間に大量の砂が体内に入り、反撃どころか呼吸もまともに出来なくなる。
“黒の砂地獄”はレヴィン達が避ける仕草を見せずに掛かったと笑みを浮かべた瞬間…、
「……サイクロン・スピア!!」
真正面から発生した風の渦によって砂煙が反射するかの様に押し返され、直後に見えたのは≪ティアマット・エンペラー≫を構えて突っ込むカイザーだった。
また彼によって打ち砕かれたのか、しかしまだ諦めない“黒の砂地獄”は再び地属性の魔力を集中すると、カイザーは一旦後ろに下がった。
その行動にどういう事だと疑問に思った途端、彼と入れ代わる様にレヴィンが炎に包まれた剣を振りかざして急接近していた。
「フレア・ブレード!!」
気付いた時には防御も回避も間に合わずに直撃し、同時に激しい爆発が起きた。
それによる煙が数秒の内に晴れると、“黒の砂地獄”は仰向けに倒れていた。
レヴィンは生きているのかとそっと彼女の左の手首に触れると、脈は動いている様で気を失っているだけだったと分かり、安堵の一息を付いた。
その一方、エンドルは砂煙から解放されて彼女の状態を見ると既に終わったかとホッとし、カイザーは側に白いカードが落ちているのを目にして拾うと、ある会社と名前が黒字で書かれていた。
「『ライトデイ通信社』、『社会部』……『サンドラ・T・ヘイトロッド』…」
「どうしたの?カイザー」
読み上げる声を耳にしたリヴマージは彼の側まで歩み寄り、エリザベートとアロガントも近寄っては白いカードを見る。