Story.06≪Chapter.1-6≫
「あー…、これはですねぇ…」
そう感じたアンヘルは、ウォルフとラウネを呼び寄せてはここで起きた出来事を包み隠さず説明した。
捕まっているマンダー達3人がアンナとミシェルを人質にした事に気付き、『トレーニングルーム』にいたバラッドに助太刀するよう呼び掛けて彼女達を石化から解放した。
そして自分が危険視した3つのトカゲの仮面を破壊、または没収して3人の犯人達を拘束したと語ると、ウォルフは気絶しているシクールに視線を送った。
「……話を聞く限り、学院内に潜むスパイはライトゥン…という事か」
「後程、カメラウィングの映像を確認しますが、私の教え子の中に道化会の会員がいたなんて…」
「残念ながら捕まった3人は全員、それを認める様な発言を…」
ラウネも、自らが担任を務める3年生の一人が道化会の会員のスパイである事にショックを隠し切れなかった。
また学院の生徒が罪を犯してしまった、アンヘルも沈痛な面持ちで拘束した3人を見ていた。
その陰で、ミシェルはマンダーとバジールに目を向けて呟く。
「……後で、マーガレット先生にも報告しないとな」
「ああ、貴方は彼らを探すよう頼まれていましたね。マーガレット先生ならまだ職員室にいらしてました」
ラウネからマーガレットの居場所を聞かされ、ミシェルは彼女に報告すべく『武道場』から去ろうとすると…、
「待て、ストライド。貴様はまだ話がある。メモラブルとピオニーアは下校して良い」
ウォルフに呼び止められ、ミシェルはまだ何かあるのかと溜め息を漏らし、アンナは彼女の行動に問題点はないと言おうとする。
「でも…」
「ミシェルの事も僕が話しておくよ。アンナとバラッドはもう遅いから、今日の所は帰りなさい」
そこへアンヘルが口を挟み、アンナとバラッドに下校するよう促した。
時刻は18時30分、本来なら既に家に帰っている頃であり、この時間まで残っているとなるとさすがに家族にも心配されるであろう。
アンナは心配そうな目でミシェルを見るが、バラッドは仕方ないと溜め息を漏らした。
「……分かりました。ミシェル、俺がマーガレット先生に話しておく」
「悪ぃな」
ウォルフを無視しては帰れそうにないと判断したミシェルは、マンダーとバジールに関するマーガレットへの報告をバラッドに託した。
二人の生徒が『武道場』から出て行く姿を見送り、後にウォルフに話の続きを求めたのであった…。
☆☆☆
時を戻し、時刻は16時30分…。
≪クロスラーン≫の南東にある地下道の前では、レヴィンとリヴマージ、カイザーとエンドルがビューティリス家の二人―アロガントとエリザベートの説明を受けていた。
彼らがここに来た目的は、昨日の宿題の報告で語った左半分が青で右半分が赤の仮面を装着した人物を探す為だ。
道化会の潜伏場所の可能性がある事を理由に封鎖中の地下道だが、いつまでも長く閉ざしていては考古学者や冒険家達による解放のデモが行われ兼ねない。
その為に早期の調査をと、レヴィンとリヴマージがアロガントに説得をし、彼らの側にいる5人の傭兵達を連れて行く事を条件として今に至る。
「地下道と遺跡の調査かぁ…。何だかドキドキするね」
「神子様、我々が選んだ傭兵達は全員貴方様の指示に従い、全力で守ると誓っていました。ですからご安心を」
リヴマージの緊張を和らげる為に、アロガントはここにいる傭兵達は信用出来ると伝えた。
エリザベートも「私も付いて行きますし、カイザー様もレヴィン様もいますから大丈夫ですわ」と安心させる一言を言った。
「ありがとう、皆」
「傭兵の皆さんも、今日は宜しくお願いします。では、行きましょう」
レヴィンは同行してくれる傭兵達にも挨拶をし、11人は道化会に関する真相を確かめに地下道の中に入って行った…。
To be continued.
そう感じたアンヘルは、ウォルフとラウネを呼び寄せてはここで起きた出来事を包み隠さず説明した。
捕まっているマンダー達3人がアンナとミシェルを人質にした事に気付き、『トレーニングルーム』にいたバラッドに助太刀するよう呼び掛けて彼女達を石化から解放した。
そして自分が危険視した3つのトカゲの仮面を破壊、または没収して3人の犯人達を拘束したと語ると、ウォルフは気絶しているシクールに視線を送った。
「……話を聞く限り、学院内に潜むスパイはライトゥン…という事か」
「後程、カメラウィングの映像を確認しますが、私の教え子の中に道化会の会員がいたなんて…」
「残念ながら捕まった3人は全員、それを認める様な発言を…」
ラウネも、自らが担任を務める3年生の一人が道化会の会員のスパイである事にショックを隠し切れなかった。
また学院の生徒が罪を犯してしまった、アンヘルも沈痛な面持ちで拘束した3人を見ていた。
その陰で、ミシェルはマンダーとバジールに目を向けて呟く。
「……後で、マーガレット先生にも報告しないとな」
「ああ、貴方は彼らを探すよう頼まれていましたね。マーガレット先生ならまだ職員室にいらしてました」
ラウネからマーガレットの居場所を聞かされ、ミシェルは彼女に報告すべく『武道場』から去ろうとすると…、
「待て、ストライド。貴様はまだ話がある。メモラブルとピオニーアは下校して良い」
ウォルフに呼び止められ、ミシェルはまだ何かあるのかと溜め息を漏らし、アンナは彼女の行動に問題点はないと言おうとする。
「でも…」
「ミシェルの事も僕が話しておくよ。アンナとバラッドはもう遅いから、今日の所は帰りなさい」
そこへアンヘルが口を挟み、アンナとバラッドに下校するよう促した。
時刻は18時30分、本来なら既に家に帰っている頃であり、この時間まで残っているとなるとさすがに家族にも心配されるであろう。
アンナは心配そうな目でミシェルを見るが、バラッドは仕方ないと溜め息を漏らした。
「……分かりました。ミシェル、俺がマーガレット先生に話しておく」
「悪ぃな」
ウォルフを無視しては帰れそうにないと判断したミシェルは、マンダーとバジールに関するマーガレットへの報告をバラッドに託した。
二人の生徒が『武道場』から出て行く姿を見送り、後にウォルフに話の続きを求めたのであった…。
☆☆☆
時を戻し、時刻は16時30分…。
≪クロスラーン≫の南東にある地下道の前では、レヴィンとリヴマージ、カイザーとエンドルがビューティリス家の二人―アロガントとエリザベートの説明を受けていた。
彼らがここに来た目的は、昨日の宿題の報告で語った左半分が青で右半分が赤の仮面を装着した人物を探す為だ。
道化会の潜伏場所の可能性がある事を理由に封鎖中の地下道だが、いつまでも長く閉ざしていては考古学者や冒険家達による解放のデモが行われ兼ねない。
その為に早期の調査をと、レヴィンとリヴマージがアロガントに説得をし、彼らの側にいる5人の傭兵達を連れて行く事を条件として今に至る。
「地下道と遺跡の調査かぁ…。何だかドキドキするね」
「神子様、我々が選んだ傭兵達は全員貴方様の指示に従い、全力で守ると誓っていました。ですからご安心を」
リヴマージの緊張を和らげる為に、アロガントはここにいる傭兵達は信用出来ると伝えた。
エリザベートも「私も付いて行きますし、カイザー様もレヴィン様もいますから大丈夫ですわ」と安心させる一言を言った。
「ありがとう、皆」
「傭兵の皆さんも、今日は宜しくお願いします。では、行きましょう」
レヴィンは同行してくれる傭兵達にも挨拶をし、11人は道化会に関する真相を確かめに地下道の中に入って行った…。
To be continued.