Story.06≪Chapter.1-6≫
彼の行動にほとんどの者達が「えっ?」という反応を見せる中、流れたのは次の音声だった。
『貴方達は、私達を人質にして何をするつもり…?』
『決まってんじゃねぇか。ストーン・ロック…』
「あっ!!ちょっと!!」
内容はなんと、ミシェルとアンナが石化する場面から始まり、それを聞いたバジールは驚きながらボイスレコーダーを奪おうとする。
しかしアンヘルは見切ったかの様に回避し、停止ボタンも触れさせぬよう動き回ると同時に会話は続く。
『下手に動くと足がバラバラになっちまうぜぇ?』
『………………………止まった……?』
『そりゃあ、最後まで石化しちまったら人質の意味はなくなるからなぁ。それに、1年前のあの事件の話を聞く耳まで塞がっちまっても意味ねぇし』
「バジール!!壊してでもそいつを止めろ!!」
「今やってます!!ちょっとアンヘル先生っ、マジで止めて下さいって!!」
マンダーは鼓舞させる様にバジールにそう指示を送るも、奪われる隙のない動きでかわすアンヘル。
そうしている間にもミシェルとアンナの下半身が石化していた時の音声は、1年前の事件の話題に入る。
『俺とバジールはこの学院を卒業した後、アヴェンジットを拠点に構えてあの事件の調査を独自でやった』
『そしたら2日で捜査がカルマ先輩の逮捕で打ち切られ、再調査を認めなかったのは、ビューティリス家が必要ないって調査員の連中に伝えたからなんだよ!犯人を逮捕してからも何度も何度も捜査すると島民が不安がる、それを一番回避したがっているのは神子だっていう噂が広まったんだ!!』
『ビューティリス家とリヴが再調査を認めなかった?それ、マジで言ってんのか?』
『俺も最初は何かの間違いだって思ったんだっ!けど2ヶ月前、“粛清の炎”様がこう言ったんだよ!「リヴマージは下らない事で事件を長引かせる事を好まず、ビューティリス家は己の富と地位を守る為、神子の意向に従って打ち切らせた」ってな!』
「ああっ!!最後だけは止めてぇぇぇっ!!」
途中からシクールのセリフが入り、最後のバジールの一言を機にバラッドはシクールを睨み付ける。
「ほぉ…、“粛清の炎”様……とな?」
「あーもう、バジールさんったら…!!」
「おいバジール!!こうなったら、ここにいる連中を全員殺っちまおうぜ!!」
道化会と関与していた事を、先程まで人質になったミシェルとアンナだけでなく、ボイスレコーダーを通じてアンヘルとバラッドにも知られ、後に他の学院関係者にも聞かされるだろう。
そう思ったマンダーはバジールとシクールに攻撃の指令を下し、その3人は懐からそれぞれ色の異なるトカゲの仮面を取り出した。
「オイオイ、マジかよ…。やっぱこいつら…」
「3人揃って道化会の会員、ってワケだね」
ミシェルは最悪だと思いながらも≪斬蒼刀≫を抜いては構え、水属性の魔力を纏わせる。
アンナは少し下がりながらも彼らから目を離さず、アンヘルも溜め息を漏らしつつもマンダー達3人を警戒する。
「学院内に潜むスパイというのは、お前の事だったか。シクール」
バラッドも≪裁雷≫を握る手を強め、主に同級生であるシクールを見つめている。
「マンダーさんが考えた人質立て篭もり作戦は失敗だったけど、お前らさえ倒せばまたやり直しが出来る!そしてクアトロ・レイドの皆様方にも俺達の事を認めて貰えるんだ!」
シクールもまたバラッドを見つめ返すが、すぐさま視線はミシェルの方に移った。
「特に蒼い刀を持ってるそこの女!!やっと思い出したぜ…。4年前、水の魔力で俺達をボコボコにしやがった例の女だろ!!まさか俺と同じ学院に通ってたとはな!!」
すると突然、彼女の事を知っているかの様な発言を強く放ち、アンナは思わず「えっ?」と反応しながらミシェルの方を見た。
『貴方達は、私達を人質にして何をするつもり…?』
『決まってんじゃねぇか。ストーン・ロック…』
「あっ!!ちょっと!!」
内容はなんと、ミシェルとアンナが石化する場面から始まり、それを聞いたバジールは驚きながらボイスレコーダーを奪おうとする。
しかしアンヘルは見切ったかの様に回避し、停止ボタンも触れさせぬよう動き回ると同時に会話は続く。
『下手に動くと足がバラバラになっちまうぜぇ?』
『………………………止まった……?』
『そりゃあ、最後まで石化しちまったら人質の意味はなくなるからなぁ。それに、1年前のあの事件の話を聞く耳まで塞がっちまっても意味ねぇし』
「バジール!!壊してでもそいつを止めろ!!」
「今やってます!!ちょっとアンヘル先生っ、マジで止めて下さいって!!」
マンダーは鼓舞させる様にバジールにそう指示を送るも、奪われる隙のない動きでかわすアンヘル。
そうしている間にもミシェルとアンナの下半身が石化していた時の音声は、1年前の事件の話題に入る。
『俺とバジールはこの学院を卒業した後、アヴェンジットを拠点に構えてあの事件の調査を独自でやった』
『そしたら2日で捜査がカルマ先輩の逮捕で打ち切られ、再調査を認めなかったのは、ビューティリス家が必要ないって調査員の連中に伝えたからなんだよ!犯人を逮捕してからも何度も何度も捜査すると島民が不安がる、それを一番回避したがっているのは神子だっていう噂が広まったんだ!!』
『ビューティリス家とリヴが再調査を認めなかった?それ、マジで言ってんのか?』
『俺も最初は何かの間違いだって思ったんだっ!けど2ヶ月前、“粛清の炎”様がこう言ったんだよ!「リヴマージは下らない事で事件を長引かせる事を好まず、ビューティリス家は己の富と地位を守る為、神子の意向に従って打ち切らせた」ってな!』
「ああっ!!最後だけは止めてぇぇぇっ!!」
途中からシクールのセリフが入り、最後のバジールの一言を機にバラッドはシクールを睨み付ける。
「ほぉ…、“粛清の炎”様……とな?」
「あーもう、バジールさんったら…!!」
「おいバジール!!こうなったら、ここにいる連中を全員殺っちまおうぜ!!」
道化会と関与していた事を、先程まで人質になったミシェルとアンナだけでなく、ボイスレコーダーを通じてアンヘルとバラッドにも知られ、後に他の学院関係者にも聞かされるだろう。
そう思ったマンダーはバジールとシクールに攻撃の指令を下し、その3人は懐からそれぞれ色の異なるトカゲの仮面を取り出した。
「オイオイ、マジかよ…。やっぱこいつら…」
「3人揃って道化会の会員、ってワケだね」
ミシェルは最悪だと思いながらも≪斬蒼刀≫を抜いては構え、水属性の魔力を纏わせる。
アンナは少し下がりながらも彼らから目を離さず、アンヘルも溜め息を漏らしつつもマンダー達3人を警戒する。
「学院内に潜むスパイというのは、お前の事だったか。シクール」
バラッドも≪裁雷≫を握る手を強め、主に同級生であるシクールを見つめている。
「マンダーさんが考えた人質立て篭もり作戦は失敗だったけど、お前らさえ倒せばまたやり直しが出来る!そしてクアトロ・レイドの皆様方にも俺達の事を認めて貰えるんだ!」
シクールもまたバラッドを見つめ返すが、すぐさま視線はミシェルの方に移った。
「特に蒼い刀を持ってるそこの女!!やっと思い出したぜ…。4年前、水の魔力で俺達をボコボコにしやがった例の女だろ!!まさか俺と同じ学院に通ってたとはな!!」
すると突然、彼女の事を知っているかの様な発言を強く放ち、アンナは思わず「えっ?」と反応しながらミシェルの方を見た。