世界観

【用語集】


《分断戦争》

850年前(諸島歴元年)に発生した、光の勢力対凶悪な5人の魔女達率いる闇の勢力との熾烈な争いの総称。
最初は海底から現れた“嫉妬”を司る邪神が天候を大嵐に悪化させ、周囲の海を荒れさせて多くの港町に多大な被害をもたらした。それを光の勢力が英雄レベルの戦士達を邪神が現れたとされるアイドライズ地方の沿岸部に集めさせ、邪神の討伐に挑む。しかしこの隙に4人の魔女達が数多くの都市内に潜伏していた闇の勢力を全て集め、侵略戦争を引き起こした。
海上には“嫉妬”の邪神、陸地には数多の闇の勢力が控え、当時の有力貴族達は対応もままならず戦士達の大半が命を落とし、北のガーディアナ地方と西のコマンダル地方が占領された。圧倒的な統率力と戦力の差に、東のアイドライズ地方と南のナチュラリアン地方をも奪われるのは時間の問題だった。
しかし“嫉妬”の邪神の矛先は4人の魔女と闇の勢力にも向けられ、光の勢力は敵の混乱を極めた隙を突いて2人の魔女を討伐。コマンダル地方の南の領土を取り戻す事に成功する。
この勢いに乗った光の勢力が残る2人の魔女も討伐しようとした瞬間、その内の一人の魔女と“嫉妬”の邪神が同時に発せられた激しい魔力がぶつかり合い、超強力で巨大な稲妻と化した魔力は島の地面を引き裂いて4つに分断されたのだった。そして光の勢力と闇の勢力は共に力を消耗し、“嫉妬”の邪神も一人の魔女の手により強力な封印術を掛けられて海底に沈められた。
後に分断された4つの島々は『聖冥諸島』と名付けられ、それぞれの島は地方の名をそのまま冠する事になった。
この戦争により、東の島アイドライズは数多くの遺跡が発見され、北の島ガーディアナの環境が大きく変化したと云われている。また“嫉妬”の邪神の外見が上半身が人間、下半身が魚と云った人魚の種族―マーメイディアンの女性である事から、歴史書では“嫉妬”の邪神も魔女の一人として数えられている(しかし『古の四大魔女』の内には入っていない)。


《古の四大魔女》

聖冥諸島がまだ一つの大きな島だった時代に、光の勢力との戦いを通じて島を4つに分断させた元凶である4人の魔女達を意味する。
歴史書にて名前が明らかになっているのは『ハイドレッド』、『ブランバード』、『スパーキラ』の3人であるが、最後の一人は未だ判明されていない。この内のハイドレッドとブランバードは分断戦争で戦死し、スパーキラと最後の一人は戦争直後に姿を消したと云われている。
だが近年、魔女の子孫と名乗る者達が北の島ガーディアナと西の島コマンダルに現れたとの噂があり、傭兵や冒険家達はそれぞれのギルドを拠点に情報収集や討伐を試みようとしている。その魔女の子孫というのが、ハイドレッド三姉妹と魔王ブランバードの事である。


《電脳空間(バーチャルスペース)》

街や草原など様々な風景をパソコンでCG作成し、そのデータをトランスポートに繋げて転送させた先の世界。
外観だけでなく空調や天候、更には人類や魔物も出現するようプログラムされている。この世界の出来事は戻った後でもそのまま反映され、人工的とはいえ現実の様に体感出来る。
サクレイド学院内で搭載されているモードはそれぞれ3種類存在する。

プラクティスモード…主に武術や魔術の実技練習に使われる。このモードは予めプログラムされた人類や魔物は出現せず、外観は広々とした場所や闘技場をモチーフにした場所が多い。

バトルモード…主に生徒同士による対戦に使われる。このモードも予めプログラムされた人類や魔物は出現せず、外観もプラクティスモードと同じだが、雲の上だったり大きなキノコの上だったりと一風変わった場所が使用される事も。

ミッションモード…主に探索や救出、潜入や脱出訓練に使われる。このモードは予めプログラムされた人類や魔物が出現し、外観は街や何らかの大きな建物、洞窟などと云ったRPGで言うダンジョン系の場所が多い。

エンシューズコロシアムで搭載されているのはバトルモードだが、勝ち抜きバトルではパソコンでプログラムされた魔物をバーチャルモンスターとして出現させている。


《トランスポート》

装置の上に立つ事で指定された場所へ瞬時に移動出来るという、いわゆるワープ装置。
大きさは様々であり、一人用の小さめのサイズがあれば、大人数もしくは大きな荷物や乗用物ごと入る巨大な装置も存在する。7割が科学技術、3割が魔法技術で出来ている為、足場には魔法陣が描かれているモノが多い。しかし動力は電力でまかなっている為、電源が切られる事態に陥らない限り稼働は続いている。
設置場所から別の場所や地域へワープ出来るモノだけでなく、現実世界と電脳空間を自由に行き来出来るモノも存在している。


《バーチャルモンスター》

パソコンで作成され、電脳空間内に出現させる魔物の総称。現実世界でよく見かける魔物だけでなく、既に絶滅した魔物をデータとして転送し、出現させる事も出来る。また現実世界にも出現させて戦わせる事も可能。しかし当然ながらあらゆる攻撃をすり抜けられず、ヒトや建物などにも被害が出る事もあり、そうなった場合の為にデータに戻す事を可能にしている。
魔物のレベルやパラメータは人工的に調整が可能。単純に本物よりも弱くしたり強くしたりする事が出来れば、知能を高く設定し、本物では出来ない技術(例えば喋れない魔物を喋らせたり、戦闘スタイルを変更したりする)を可能にさせる事も出来る。
電脳空間内や現実世界で倒されると消滅し、自動的にデータに仕組みになっている。その為、エンシューズコロシアムの勝ち抜きバトルで対戦相手がいなくなる心配はない。


《原始固有型武器》

太古から伝わる鍛冶の技術で製作された武器の総称。
武器そのものに魔力は篭っておらず、また誓約を受けない物が圧倒的に多く万人に扱う事を可能にしている。中には魔力を纏わせる事で威力が増幅、または何処かに刻まれた紋様がほのかに光る物が存在している(この武器の事を、遥か東の国では和宝魔器(わほうまき)と呼ばれている)。
伝説で語られている武器の大半が、このカテゴリーに属している。


《魔術形成型武器》

自らの魔力によって形成された武器の総称。
自分の意思での出現や消去を可能とし、武器自体が傷付けられ最悪切断されても自動的に元の形に修復していく。
これに分類(カテゴリー)されている武器は誓約により所有者とは全く異なる属性、もしくは無条件で他人と認識されると触れる事が出来ず、更に肉体的や精神的ダメージを受ける物も存在する。
説明を聞けば利便性の高い武器と思われるのだが、維持するには微量の魔力を必要とし、所有者の魔力の集中が途切れると自動的に消滅してしまう。
ヒトの手で製作された原始固有型武器や最新粒子型武器と違い、魔術形成型武器は所有者自身の想像力で武器の形状やデザインが決まり、形成されていく。その為、一般的に見られるデザインから技術では再現不可能な程の奇抜的なデザインまで様々な魔術形成型武器が存在する。


《最新粒子型武器》

大きく発展した科学技術によって製作された武器の総称。
刃のある武器はスイッチをオンにすればその部分がレーザー状となって出現する物が非常に多く、銃も発砲すると光線が発せられる物が多いのが特徴。
所有者が握っている間のみ持ち主の脳波で物理、魔力の切り替えが可能。しかし機械で出来ているので起動には魔力ではなくバッテリーが必要となり、切れるとレーザー状の刃が消え、銃に関しては自動的に安全装置(ロック)が掛かり引き金が引けなくなる。充電時間は物や使用時間に左右されるが、バッテリー切れの場合は(それも武器によるが)数十分間から数時間充電すれば利用が可能になる。


《海洋保安組織ポセイドン》

聖冥諸島の海域を見回り、遭難者や賊に捕われた人質を救助するマーメイディアンの警備組織で通称『人魚警察』。
防衛局―ピュアリティ・クラウンとは同盟関係にあり、毎日海中を泳いで回り、不審な船や潜水艦を見つけては連絡を取り合い、提携して捜査にあたっている。
他にも同族を狙うハンターの取り締まりや浜に打ち上げられた海洋生物の救助、海に捨てられた産業廃棄物の引き上げと回収をも務めている。


《アルケミスト協会》

世界各地に存在する錬金術師を集めて構成された組織……と言ってもメンバーは5人しかいない。
その少なさの理由は錬金術自体が魔法に比べて人気がない所にあり、材料の調達が大変、学びの為の費用がかなり掛かるなど、あらゆる学術や技術の中で気軽に学べるモノではないという意見が多く寄せられたからである。しかし闇の勢力からアイドライズ島やナチュラリアン島を守る光の勢力にとっては、原始固有型武器を製造する鍛冶師と、特殊効果を持つアクセサリーを作成している宝石職人が所属している点で重宝されている。
この協会に所属するのは協会長、協会長が認める凄腕の錬金術師にして副会長、鍛冶師、鑑定士兼行商人のエル・リトビエンヌ、宝石職人の5人で活動している。


《踏破遺跡》

調査員や冒険家達などが遺跡内の隅々まで調査を終え、財宝も全て持ち帰ったと示されている遺跡。要するに、この遺跡に関する情報が既に多方面に行き渡り、単純に言えば調査済みを示している。
アイドライズにあるほとんどの遺跡がこういう風に呼ばれており、緊急避難通路もしくは緊急避難場所として指定されている場所を除けば訪れるメリットは何もない。


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