chapter1
夢小説設定
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ここはとあるコンビニ。
一方通行はコーヒーをカゴに入れているところだった。
一本一本を乱雑に、無心に。
しかし残り一本というところでツンツン頭の少年から声を掛けられる。
「すみません、そのラスト一本わたくしめに譲ってくれないでせうか?」
「あァ?まァいいけどよォ」
「うおお、ありがとうございます!」
最後の一本を少年に譲ると一方通行はコンビニを出た。
今日は名前も学校がない。
のどかな午後だ。
「ただいまァ」
「おかえりー」
いつものやりとりも今日は逆である。
一方通行は頼まれてた飲料を名前に渡してやった。
「ほら、微糖」
「やった!ありがとう」
名前は眺めていた雑誌から目を離してそれを受け取る。
「ううーん、甘苦い」
「なンだよ、頼まれたから買ってきてやったってのに」
「いや、これなら好きになれそうな気がしてね」
「無理に好きになるモンじゃねェだろ」
「そうだけどさ、あなたが飲んでるのが美味しそうに見えちゃって」
「ハッ。他人の芝は青いってかァ?」
「……そうかも」
はぁ、と名前は息を吐いた。
「あなたとコーヒーを楽しめるようになれたらいいのにね」
「……なったところで俺は10日ほどで次の銘柄だがなァ」
「飽きっぽいなぁ」
内心、一方通行には嬉しい台詞だった。
これほど近くにいても尚、名前は自分の方へと歩み寄ってくれる。
今度はこちらが歩み寄る番だろう。
「茶、」
「え?」
「これ飲んだら次は紅茶な」
「……うん。美味しいの淹れてきてあげる」
名前は柔らかな表情で頷いた。
「はい、ダージリンだよ」
「おォ」
一方通行はすぐに口を付けて飲んでいる。
名前はやや猫舌であるので、まだ息を吹きかけて冷ましているところだ。
「熱くないの?」
「あァ。火傷する熱量は能力で弾くからなァ」
「普段使ってるとこあまり見ないけど、便利だねぇ。コーヒーは紅茶より熱いんだっけ」
「まァな。缶ばっかだから熱いヤツ飲む機会も少ないけどよ」
「ああそっか。ドリップで淹れてみたいなぁ」
「台所に置く場所ねェだろ」
「うん。広くてキレイなキッチン欲しいなぁ」
「引っ越すしかねェなそりゃ」
一方通行は名前を半眼で見た。
「ところで、紅茶のお味はどうです?」
「まァいいんじゃねェの。たまには」
To be continued...