chapter1
夢小説設定
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一年前
「洗濯はいつしてンだよ」
珍しく一方通行が起き、一緒に朝食を取っている時だった。
「だいたいは朝だよ?帰ってきてからしちゃうこともあるけど」
太陽ないと乾きが悪いもんね、と名前は続けた。
「急にどうしたの?」
「洗濯くらい俺がしようと思ってよ……」
聞かれたくなかった、と一方通行は思う。
彼の性格上、気遣いを知られるのは苦手だ。
「え、干してくれるの?」
「そォ言ってンだろ」
「ありがとう!」
朝食を食べ終えた名前は立ち上がる。
「オマエに頼りっぱなしってのも、ねェだろ」
「まぁそうか、そうだね。じゃあ皿洗いも頼んじゃおうかな」
「テメ……」
反射的に反感は沸くも、まだ食べ終えていない自分の皿を見て一応は納得した。
名前はすぐに家を出るのだ。
自分が完食するまで待ってはいられない。
「じゃあよろしく。いってきます」
「おォ」
皿洗いを終えた一方通行は洗濯機と対峙していた。
家事をしなかった彼でも洗濯はしていた。
使い方くらいわかる。
洗濯カゴを抱え、中身を機械へと放り込んでいく。
ふと小さいネットに入ったものが入った。
――ン?何だァこりゃ
疑問には思ったが気にしなかった。
洗剤を入れスイッチを押しす。
ザァァァァァァァ
水の流れる音が響いた。
電子音がして蓋を開ける。
軽く能力を使いつつ、衣服やタオルを手早くハンガーに掛けていく。
――と、シワ伸ばしゃいいんだっけか
洗濯ばさみも忘れない。
二人分なのでさほど時間はかからなかった。
最後にネットが残っている。
――あァ、コレか。中身は……
ファスナーをジジ……と開けると
ブラジャー。
可愛らしい刺繍のしてある、桃色の下着だった。
「……、…………」
ジジジジジ……
思わずファスナーを戻してしまった。
――名前…!
朝のことを思い返せば自分にも非はあった。
名前の朝は忙しい。
洗濯カゴに自分の下着があることに気が回らなかったのだろう。
――言うタイミングが悪かったか……?
彼女は今日まで自分で洗濯するつもりだった。
洗濯カゴに名前の下着があるのは自然なことだ。
しかし……
見ず知らずの自分を家に上げたのは優しさなのだと思っていた。
――もしかすっと……アイツどっか抜けてンじゃねェかァ?
ここまできたら自分が洗ってしまったのには変わりない。
一方通行は洗濯ネットのファスナーを再び開けた。
「ただいまー」
名前が帰ってきた。
今日は買い物をして来なかったようだ。
「おォ、おかえり」
「今日は起きてるんだねー」
「いつも寝てるわけじゃねェよ」
名前は機嫌が良い様子で頭を撫でてくる。
表面上は軽く嫌がっておくが、内心は嫌ではない。
どちらかというと新鮮な気分だった。
「洗濯物乾いたかな~」
軽い足取りでベランダへ向かう名前。
その後姿が停止した。
「……ん?」
「……どォかしたかよ」
「わ、私の下着……干した?」
ギギ、とぎこちない動きで名前が振り向く。
「あァ。洗っちまったモンは干すしかないだろ」
「そ、そうだけど、あなたがネット入れたまま下着干す方法知ってるとは思わないけど、うああああ!」
そう言うとわなわなと頭を抱え出した。
「まァ、事故だろ。気にしてねェよ」
「私が気にするの!うあああお嫁に行けない……!」
――男と住む方がよっぽどマズいんじゃねェ?
と一方通行は内心思ったが
「……俺のことは家族、だと思えばイイだろ」
「……なるほど」
あっさり納得されてしまった。
「その台詞がまさかあなたの口から出るなんて。お姉ちゃん嬉しいな」
「誰がお姉ちゃンだ」
名前がニヤニヤしながら除き込んでくる。
顔を背けながら吐き捨てた。
To be continued...
「洗濯はいつしてンだよ」
珍しく一方通行が起き、一緒に朝食を取っている時だった。
「だいたいは朝だよ?帰ってきてからしちゃうこともあるけど」
太陽ないと乾きが悪いもんね、と名前は続けた。
「急にどうしたの?」
「洗濯くらい俺がしようと思ってよ……」
聞かれたくなかった、と一方通行は思う。
彼の性格上、気遣いを知られるのは苦手だ。
「え、干してくれるの?」
「そォ言ってンだろ」
「ありがとう!」
朝食を食べ終えた名前は立ち上がる。
「オマエに頼りっぱなしってのも、ねェだろ」
「まぁそうか、そうだね。じゃあ皿洗いも頼んじゃおうかな」
「テメ……」
反射的に反感は沸くも、まだ食べ終えていない自分の皿を見て一応は納得した。
名前はすぐに家を出るのだ。
自分が完食するまで待ってはいられない。
「じゃあよろしく。いってきます」
「おォ」
皿洗いを終えた一方通行は洗濯機と対峙していた。
家事をしなかった彼でも洗濯はしていた。
使い方くらいわかる。
洗濯カゴを抱え、中身を機械へと放り込んでいく。
ふと小さいネットに入ったものが入った。
――ン?何だァこりゃ
疑問には思ったが気にしなかった。
洗剤を入れスイッチを押しす。
ザァァァァァァァ
水の流れる音が響いた。
電子音がして蓋を開ける。
軽く能力を使いつつ、衣服やタオルを手早くハンガーに掛けていく。
――と、シワ伸ばしゃいいんだっけか
洗濯ばさみも忘れない。
二人分なのでさほど時間はかからなかった。
最後にネットが残っている。
――あァ、コレか。中身は……
ファスナーをジジ……と開けると
ブラジャー。
可愛らしい刺繍のしてある、桃色の下着だった。
「……、…………」
ジジジジジ……
思わずファスナーを戻してしまった。
――名前…!
朝のことを思い返せば自分にも非はあった。
名前の朝は忙しい。
洗濯カゴに自分の下着があることに気が回らなかったのだろう。
――言うタイミングが悪かったか……?
彼女は今日まで自分で洗濯するつもりだった。
洗濯カゴに名前の下着があるのは自然なことだ。
しかし……
見ず知らずの自分を家に上げたのは優しさなのだと思っていた。
――もしかすっと……アイツどっか抜けてンじゃねェかァ?
ここまできたら自分が洗ってしまったのには変わりない。
一方通行は洗濯ネットのファスナーを再び開けた。
「ただいまー」
名前が帰ってきた。
今日は買い物をして来なかったようだ。
「おォ、おかえり」
「今日は起きてるんだねー」
「いつも寝てるわけじゃねェよ」
名前は機嫌が良い様子で頭を撫でてくる。
表面上は軽く嫌がっておくが、内心は嫌ではない。
どちらかというと新鮮な気分だった。
「洗濯物乾いたかな~」
軽い足取りでベランダへ向かう名前。
その後姿が停止した。
「……ん?」
「……どォかしたかよ」
「わ、私の下着……干した?」
ギギ、とぎこちない動きで名前が振り向く。
「あァ。洗っちまったモンは干すしかないだろ」
「そ、そうだけど、あなたがネット入れたまま下着干す方法知ってるとは思わないけど、うああああ!」
そう言うとわなわなと頭を抱え出した。
「まァ、事故だろ。気にしてねェよ」
「私が気にするの!うあああお嫁に行けない……!」
――男と住む方がよっぽどマズいんじゃねェ?
と一方通行は内心思ったが
「……俺のことは家族、だと思えばイイだろ」
「……なるほど」
あっさり納得されてしまった。
「その台詞がまさかあなたの口から出るなんて。お姉ちゃん嬉しいな」
「誰がお姉ちゃンだ」
名前がニヤニヤしながら除き込んでくる。
顔を背けながら吐き捨てた。
To be continued...