chapter1
夢小説設定
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「おはよ」
「ン」
「お昼は冷蔵庫に入ってるから」
「……あァ」
「行ってきます」
一方通行は案外低血圧なようで、正午近くにならないと起きない。
朝に弱いのは私もだ。正直羨ましく思う。
炬燵で丸くなってる彼を余所に、私は学校へ向かった。
「名前、最近にこにこしてない?」
休み時間、トモが話しかけてきた。
トモは4月にできた友達の一人だ。
短く切り揃えられた髪を揺らし、興味ありげに私を見つめる。
「え、そうかな?」
「なんかあったの?」
「えっと、猫を飼い始めたんだ」
「へーえ名前って猫好きだったっけ」
「んーまぁ」
「いいなー羨ましい。うちの寮はペットダメだからなぁ」
「はは……」
1DKで2人暮らしはツッコまれるかと思い、咄嗟に嘘を吐いてしまった。
トモは猫好きらしく、話題への食い付きが良い。
適当に曖昧な返事をしながら思う。
墓穴を掘ってしまった、と。
帰宅すると一方通行は私のベッドで寝ていた。
眠る横顔は眉間のシワもなく、素直な表情をしている。
天使の寝顔と言うと大袈裟だろうか。
それにしても……
「……すごいねぼすけ」
「誰が寝坊助だ」
起きていたらしい彼は目を眇めてみせる。
「それで夜眠れなくならないの?」
「ならねェよ。昼起きてたし」
一方通行はくァ、と欠伸をしながら身体を起こす。
猫のような仕草だった。
やはり彼を猫と称したのはあながち間違いではなかったようだ。
「ただいま」
「……おかえりィ」
「ん?」
スーパーでの戦利品を冷蔵庫に入れようとした時、普段買わないものがあることに気がついた。
「コーヒー……これ一方通行の?」
「ン、買ってきた」
「5本もあるけど」
「それでも譲歩してンだよ」
まぁ5本なら……この冷蔵庫、一人暮らし向けで小さいんだけどなぁ。
「わーブラックばっかり……」
一方通行はコーヒー党だったらしい。
私は苦い顔を作ってみせる。
「飲むのは俺だからオマエは関係ねェだろが」
「まぁそうだけど」
微糖だったら拝借できたのに、とひとりごちた。
To be continued...