ヤラズノアメ
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「頑張って、アラシヤマくん。」
「無責任なお人や・・」
無事に梅雨が明け、ただ今夏真っ盛り。
夏といえば台風シーズンでもある。
ということで、雨に備えて雨漏りしていた箇所をアラシヤマに直してもらうことにした。
「なぁ、ナルはん。やっぱり専門業者に頼んだ方がえぇんとちゃいます?」
「アラシヤマくん、うちにそんなお金があると思ってらして?それでなくても食費も生活費も今までの2倍かかってるんだからね。」
「そないなこと言われら、ぐうの音も出ぇへんわ・・」
痛いところを突かれ言い返すこともできない。
「やっと活躍の場ができたじゃない。今こそアラシヤマくんができる男だというところを見せつけるのよ。」
「遠回しに役立たず言うてへん?」
確かにこちらに来てからというもの、ナルの世話になりっぱなしで何かに役立てた試しはない。
本当のところ、アラシヤマとしては料理も洗濯も一通りできるので、いつでも家事を担う気持ちはある。
だが何かしようにも、気付いたらナルが先回りして事を済ませてしまうので、結局何もやらず仕舞いなのだ。
最初に店番だけしといてと言われたものの、客寄せパンダになれるわけでもなく売上にすら貢献できない。考えれば考えるほど、居た堪れない気持ちでいっぱいになる。
「分かりました!やりますさかい。」
「おー、やる気満々だねぇ。」
意を決して脚立に上がる。
ナルは工具を手渡したが、なぜかアラシヤマはそれを持ったまま動かない。
「・・わてホンマに役立たずかもしれんわ。」
「え、急にどしたの?」
「わてこっち来てからずーっとナルはんに頼りっぱなしやなぁ思て。」
「別に気にしてないよ。」
「ナルはんが気にならん言うても、わては気になるんや。気まずぅてしゃあない。」
俯きながら溢すアラシヤマに、そんなに気を遣わせてしまっていたのかと反省する。
「なんだかごめんね?そんなに気を遣わせてたとは思わなくて・・じゃあさ、これからは何かあったらアラシヤマくんに頼んでも良い?」
「それはもちろんかまいまへんえ。」
「ありがと。じゃあ早速、雨漏りの修理お願いします!それ終わったら、ついでにお店の掃除もしといてね。あとお風呂掃除。」
「さっきまでのしおらしさは・・!わてのナイーブな胸の内は!」
「よろしくね!アラシヤマくん。」
「・・へぇ。」
ニコニコしながら宣うナルに言い返すこともできず、素直に作業を始めるアラシヤマであった。
-------
「まぁ、アラシヤマくんが話し相手になってくれるだけで充分なんだけどね。」
「何か言わはった?」
「別にー。」
「無責任なお人や・・」
無事に梅雨が明け、ただ今夏真っ盛り。
夏といえば台風シーズンでもある。
ということで、雨に備えて雨漏りしていた箇所をアラシヤマに直してもらうことにした。
「なぁ、ナルはん。やっぱり専門業者に頼んだ方がえぇんとちゃいます?」
「アラシヤマくん、うちにそんなお金があると思ってらして?それでなくても食費も生活費も今までの2倍かかってるんだからね。」
「そないなこと言われら、ぐうの音も出ぇへんわ・・」
痛いところを突かれ言い返すこともできない。
「やっと活躍の場ができたじゃない。今こそアラシヤマくんができる男だというところを見せつけるのよ。」
「遠回しに役立たず言うてへん?」
確かにこちらに来てからというもの、ナルの世話になりっぱなしで何かに役立てた試しはない。
本当のところ、アラシヤマとしては料理も洗濯も一通りできるので、いつでも家事を担う気持ちはある。
だが何かしようにも、気付いたらナルが先回りして事を済ませてしまうので、結局何もやらず仕舞いなのだ。
最初に店番だけしといてと言われたものの、客寄せパンダになれるわけでもなく売上にすら貢献できない。考えれば考えるほど、居た堪れない気持ちでいっぱいになる。
「分かりました!やりますさかい。」
「おー、やる気満々だねぇ。」
意を決して脚立に上がる。
ナルは工具を手渡したが、なぜかアラシヤマはそれを持ったまま動かない。
「・・わてホンマに役立たずかもしれんわ。」
「え、急にどしたの?」
「わてこっち来てからずーっとナルはんに頼りっぱなしやなぁ思て。」
「別に気にしてないよ。」
「ナルはんが気にならん言うても、わては気になるんや。気まずぅてしゃあない。」
俯きながら溢すアラシヤマに、そんなに気を遣わせてしまっていたのかと反省する。
「なんだかごめんね?そんなに気を遣わせてたとは思わなくて・・じゃあさ、これからは何かあったらアラシヤマくんに頼んでも良い?」
「それはもちろんかまいまへんえ。」
「ありがと。じゃあ早速、雨漏りの修理お願いします!それ終わったら、ついでにお店の掃除もしといてね。あとお風呂掃除。」
「さっきまでのしおらしさは・・!わてのナイーブな胸の内は!」
「よろしくね!アラシヤマくん。」
「・・へぇ。」
ニコニコしながら宣うナルに言い返すこともできず、素直に作業を始めるアラシヤマであった。
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「まぁ、アラシヤマくんが話し相手になってくれるだけで充分なんだけどね。」
「何か言わはった?」
「別にー。」