ヤラズノアメ
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「お客さん来ないねぇ。」
「そうどすなぁ。」
暇だ。とにかく暇だ。
店のカウンターに座りながら、二人でボーっとしている。
「そういえばアラシヤマくん、どうなの?帰る手がかりとか見つかりそう?」
「暇な時間使うて来た道戻ってみたりはするんやけど、特になーんもないなぁ。」
「そっかぁ。」
アラシヤマがこちらに来て数日。
そんな早くに手がかりが見つかるはずもなく。
ここは気長に探すしかなさそうだ。
「ていうかさ、向こうとこっちって国とか地名が同じなの?」
「そうどすなぁ、おんなじとこもあるんやけど、似て非なるものちゅう感じかもしれへん。」
「例えばどんな国があるの?」
「せやなぁ・・そや、893国いうんがありますわ。知ってはる?」
「何それ、ホントに国の名前?」
「なんや疑ってはるのかいな。」
893といえばあの893しか思い浮かばない。
任侠映画に出てくるアレだ。
「ねぇ、その国の人はみんな入れ墨でも入ってるの?小指は大丈夫?」
「・・ナルはん、おちょくってるやろ。」
半笑いで問いかけるナルに少しだけイラッとするアラシヤマ。
「まぁまぁ。それより、みんなアラシヤマくんのこと心配してるだろうね。なんだっけあの、心友の・・」
「シンタローはん!」
「そうそう、そのシンタローさん?とか心配してるだろうね。」
「そうどすなぁ、今頃血眼になってわてのこと探してはるかも・・はぁ〜〜。」
深ーい溜め息と共にどんよりとした空気が部屋全体を包み込む。
「向こうからアラシヤマくんを見つけられたら良いんだけどね。」
「できひんこともないんやろうけど、時間はえらいかかるやろなぁ。」
ここ数日話を聞いていると、どうやら向こうの科学技術はこちらより発展しているようだ。
なんでも天才科学者でありマッドサイエンティストでもある、とんでもない医者がいるとかいないとか。
それをものすごい顔で語るアラシヤマが忘れられない。
寧ろ科学技術どうこうより、その顔が強烈で話がほとんど頭に入ってこなかった。
一体何があったらそんな顔になるのだろう。
「でもさ、アラシヤマくんがいなくなったことに誰も気づいてなかったりして・・」
「そ、そないなこと!あるわけ・・ッ!」
顔を真っ青にして固まるアラシヤマ。
絶望を通り越した表情に、一体全体向こうの世界でどういう扱い受けてきたんだと改めて思う。
「冗談だってば!とにかく早く助けに来てくれると良いねぇ。そのドクターとシンタローさん。」
「・・!シンタローはんはえぇけど、ドクターは御免こうむりますぅ!」
「ホント、なんかごめん。」
--------
「そういえば最近見かけませんねぇ、特異体質の彼を。」
「なんだよドクター、急に。」
「いやぁね、久々に実験台にでもなっていただきたいと思っただけですよ。」
「相変わらず悪趣味だなァ。」
「そうどすなぁ。」
暇だ。とにかく暇だ。
店のカウンターに座りながら、二人でボーっとしている。
「そういえばアラシヤマくん、どうなの?帰る手がかりとか見つかりそう?」
「暇な時間使うて来た道戻ってみたりはするんやけど、特になーんもないなぁ。」
「そっかぁ。」
アラシヤマがこちらに来て数日。
そんな早くに手がかりが見つかるはずもなく。
ここは気長に探すしかなさそうだ。
「ていうかさ、向こうとこっちって国とか地名が同じなの?」
「そうどすなぁ、おんなじとこもあるんやけど、似て非なるものちゅう感じかもしれへん。」
「例えばどんな国があるの?」
「せやなぁ・・そや、893国いうんがありますわ。知ってはる?」
「何それ、ホントに国の名前?」
「なんや疑ってはるのかいな。」
893といえばあの893しか思い浮かばない。
任侠映画に出てくるアレだ。
「ねぇ、その国の人はみんな入れ墨でも入ってるの?小指は大丈夫?」
「・・ナルはん、おちょくってるやろ。」
半笑いで問いかけるナルに少しだけイラッとするアラシヤマ。
「まぁまぁ。それより、みんなアラシヤマくんのこと心配してるだろうね。なんだっけあの、心友の・・」
「シンタローはん!」
「そうそう、そのシンタローさん?とか心配してるだろうね。」
「そうどすなぁ、今頃血眼になってわてのこと探してはるかも・・はぁ〜〜。」
深ーい溜め息と共にどんよりとした空気が部屋全体を包み込む。
「向こうからアラシヤマくんを見つけられたら良いんだけどね。」
「できひんこともないんやろうけど、時間はえらいかかるやろなぁ。」
ここ数日話を聞いていると、どうやら向こうの科学技術はこちらより発展しているようだ。
なんでも天才科学者でありマッドサイエンティストでもある、とんでもない医者がいるとかいないとか。
それをものすごい顔で語るアラシヤマが忘れられない。
寧ろ科学技術どうこうより、その顔が強烈で話がほとんど頭に入ってこなかった。
一体何があったらそんな顔になるのだろう。
「でもさ、アラシヤマくんがいなくなったことに誰も気づいてなかったりして・・」
「そ、そないなこと!あるわけ・・ッ!」
顔を真っ青にして固まるアラシヤマ。
絶望を通り越した表情に、一体全体向こうの世界でどういう扱い受けてきたんだと改めて思う。
「冗談だってば!とにかく早く助けに来てくれると良いねぇ。そのドクターとシンタローさん。」
「・・!シンタローはんはえぇけど、ドクターは御免こうむりますぅ!」
「ホント、なんかごめん。」
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「そういえば最近見かけませんねぇ、特異体質の彼を。」
「なんだよドクター、急に。」
「いやぁね、久々に実験台にでもなっていただきたいと思っただけですよ。」
「相変わらず悪趣味だなァ。」