うちよそ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ボーダー本部の喫煙室にて、ふたりの青年が煙草を吸っている。
「須藤くーん、煙草交換して吸ってみようぜ」
なんとなく、本当になんとなく、貝瀬直は須藤清仁に提案してみた。
「ああ、いいぞ」
とくに断る理由もなかったので、須藤は、そう答える。
お互いに新たに煙草を一本取り出し、相手に手渡した。そして、ライターで火を点けて、同時に煙草を吸う。
「苦げぇッ!」
「…………これ、妙に甘くて嫌なんだけど」
貝瀬には、須藤の愛煙する煙草は苦過ぎた。そして、須藤には、貝瀬のバニラの香りの煙草は甘過ぎた。
ふたりで、渋い表情をする。
「まあ、チャレンジ精神は大事ってことで。一本は頑張って吸おうぜ」
「もったいないしな」
ふたりは、シュミではない煙草を燻らせながら、苦笑いを浮かべた。
「おまえの隊さ、ハーレム部隊って揶揄られてたぞ」
「おまえは、煙巻き野郎って言われてたぞ」
「うるせー、似非フェミニスト」
「煙男」
軽口を叩き合う。
哲学好き同士故に、ふたりは仲が良いのだ。馬が合うとも言える。
それに、彼らは希死念慮に取り憑かれながらも生きている者たちでもある。死ねない理由こそ違えど。抱える想いは違えど。
「生きるのって、めんどくさいな」
「そうだな。めんどうだ」
「煙を吸ったり吐いたりしねぇとやってらんないよ」
「言葉を煙みたいにするのは、おまえだけだ」
須藤と貝瀬は、諦観を含んだ笑いを浮かべ、この時を存分に楽しんだ。
「須藤くーん、煙草交換して吸ってみようぜ」
なんとなく、本当になんとなく、貝瀬直は須藤清仁に提案してみた。
「ああ、いいぞ」
とくに断る理由もなかったので、須藤は、そう答える。
お互いに新たに煙草を一本取り出し、相手に手渡した。そして、ライターで火を点けて、同時に煙草を吸う。
「苦げぇッ!」
「…………これ、妙に甘くて嫌なんだけど」
貝瀬には、須藤の愛煙する煙草は苦過ぎた。そして、須藤には、貝瀬のバニラの香りの煙草は甘過ぎた。
ふたりで、渋い表情をする。
「まあ、チャレンジ精神は大事ってことで。一本は頑張って吸おうぜ」
「もったいないしな」
ふたりは、シュミではない煙草を燻らせながら、苦笑いを浮かべた。
「おまえの隊さ、ハーレム部隊って揶揄られてたぞ」
「おまえは、煙巻き野郎って言われてたぞ」
「うるせー、似非フェミニスト」
「煙男」
軽口を叩き合う。
哲学好き同士故に、ふたりは仲が良いのだ。馬が合うとも言える。
それに、彼らは希死念慮に取り憑かれながらも生きている者たちでもある。死ねない理由こそ違えど。抱える想いは違えど。
「生きるのって、めんどくさいな」
「そうだな。めんどうだ」
「煙を吸ったり吐いたりしねぇとやってらんないよ」
「言葉を煙みたいにするのは、おまえだけだ」
須藤と貝瀬は、諦観を含んだ笑いを浮かべ、この時を存分に楽しんだ。