うちよそ
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ターゲット、小林宜嗣を発見。作戦開始。
「宜嗣!」
「わっ!? 四季!」
「なぁなぁなぁなぁ、明日ヒマ?! ヒマだよな?! ヒマって言え!」
「明日、は…………」
「ヒマですよね?」
澪川四季は、とてもうるさい。両手を合わせて、拝むようにしている。
「午後は空いてる」
「よっしゃあ! 合コン行こうぜ!」
「え、嫌だけど」
「なんで?!」
四季は、電気ショックでも受けたみたいな顔をした。
「そういうの苦手…………」
「座ってるだけでいいから! ね?!」
「本当に?」
「頼む! 一生のお願い!」
何度目かの“一生のお願い”をされ、しばし思案する。
「何人いるの?」
「3対3です、はい」
「うーん」
「頼みますよ、ほんと! 座って、タダ飯食ってればいいから!」
「今回だけだぞ」
「はい!」
いい返事だが、薄っぺらい。紙のようだ。
翌日の午後。待ち合わせ時間の5分前に、宜嗣は到着した。四季は、5分遅れて来た。
「遅い」
「ごめん! 服選ぶのに時間かかった!」
それで、選んだ服がそれか。四季は、ご機嫌なアロハシャツを着ている。
「じゃ、行こうぜ。戦いによ」
「あ、あーうん」
ふたりは、合コンが開かれるカラオケ店へ向かう。
そして。
「よう、おふたりさん」
「達人、よっすよっす~」
「生駒かぁ…………」
いや、予想はしていた。モテたい同盟に巻き込まれていると。
「じゃあ、中入ろうや。女子より先にいた方がいいだろ、たぶん」
四季が、意気揚々と進む。広めの一室を借りて、女子たちを待った。
少ししてから、彼女たちはやって来る。
「やっほー! 四季~」
「やっほー! おつ~」
四季の高校の頃の同級生女子が、気安い挨拶をした。
「はじめまして」
「はじめまして。よろ~」
四季も初対面の女子ふたりが、挨拶をする。
男女で向かい合って座り、簡単に自己紹介をした。
「モノホンの宜嗣くんだ~!」
「すごーい!」
「カッコいい!」
逆風吹いてへん? と、達人から目線をもらう四季。
「あーはいはい。宜嗣くんはね、オフでは寡黙なんだ。女子に免疫もないし」
「マ? 逆にありじゃね?」
「かわいい~」
「なんか喋ってー?」
もちろん、宜嗣は喋らない。黙々とフライドポテトを食べている。
「はーい。じゃあ、席替えね! 10分毎にチェンジで!」
「りょ!」
四季は、喋るのが好きで、得意だ。なんやかんやで、連絡先の交換までこぎ着けることが出来た。
「さなちゃんってオーラあるよねぇ! アイドル的な?」
「えー? ほんとに?」
「やっぱ、時代はアイドルっしょ。スターダム駆け上がっちゃう? 俺、全力で推すよ!」
一方、その頃、達人は。
「本日はお日柄もよく……」
「ナニソレ。ウケる~」
これは、笑わせているのではない。笑われているのだ。
達人は、ヘルプの視線を四季に寄越す。
「あ、注目~! 達人が京都人ギャグ言いまーす」
達人は立ち上がり、「ごほん。ぶぶ漬けおあがりますか?」と言った。
「うわ、本場のぶぶ漬け!」
「ぶぶってナニ? ウケる」
「うちら、帰れって言われてるよ~」
「ごめーん! 帰らないで~」
女子たちは、けらけら笑っている。
「宜嗣くん、歌わないの~?」
「…………」
「地蔵かよ~?」
「はいはい。宜嗣の歌は安くないの! 喉痛めないために喋らないし!」
「マジ地蔵じゃん。おもろ」
帰りたい。今すぐに。宜嗣は、四季を恨んだ。
「つーワケで、澪川四季、歌います!」
「マジか~!」
四季は、流行りの女性アイドルソングを歌う。振り付けも完璧だ。
「すげー! ドルオタ?」
「まーね!」
そんなこんなで、合コンは進行し、お開きの時間になる。
「じゃね、四季~!」
「おう、またな~!」
女子を送り、残った男たちは、顔を見合わせた。
「幹事抜いたら、2」
「3……」
「え? あ、0」
「ひーひっひっひっ! 完勝じゃね? 達人、3だし!」
「四季、愛してるで……」
「俺もー!」
連絡先を交換した女子の数を発表し、何故かお互いに愛を伝えるモテたい同盟。
「もう帰っていい?」
「おう。宜嗣は、ルアー役ご苦労さん!」
「拝んどこ」
ふたりに拝まれる宜嗣。
人を餌にしたな、四季。覚えとけよ。
いずれ、この男に天罰が下ることを願う宜嗣だった。
「宜嗣!」
「わっ!? 四季!」
「なぁなぁなぁなぁ、明日ヒマ?! ヒマだよな?! ヒマって言え!」
「明日、は…………」
「ヒマですよね?」
澪川四季は、とてもうるさい。両手を合わせて、拝むようにしている。
「午後は空いてる」
「よっしゃあ! 合コン行こうぜ!」
「え、嫌だけど」
「なんで?!」
四季は、電気ショックでも受けたみたいな顔をした。
「そういうの苦手…………」
「座ってるだけでいいから! ね?!」
「本当に?」
「頼む! 一生のお願い!」
何度目かの“一生のお願い”をされ、しばし思案する。
「何人いるの?」
「3対3です、はい」
「うーん」
「頼みますよ、ほんと! 座って、タダ飯食ってればいいから!」
「今回だけだぞ」
「はい!」
いい返事だが、薄っぺらい。紙のようだ。
翌日の午後。待ち合わせ時間の5分前に、宜嗣は到着した。四季は、5分遅れて来た。
「遅い」
「ごめん! 服選ぶのに時間かかった!」
それで、選んだ服がそれか。四季は、ご機嫌なアロハシャツを着ている。
「じゃ、行こうぜ。戦いによ」
「あ、あーうん」
ふたりは、合コンが開かれるカラオケ店へ向かう。
そして。
「よう、おふたりさん」
「達人、よっすよっす~」
「生駒かぁ…………」
いや、予想はしていた。モテたい同盟に巻き込まれていると。
「じゃあ、中入ろうや。女子より先にいた方がいいだろ、たぶん」
四季が、意気揚々と進む。広めの一室を借りて、女子たちを待った。
少ししてから、彼女たちはやって来る。
「やっほー! 四季~」
「やっほー! おつ~」
四季の高校の頃の同級生女子が、気安い挨拶をした。
「はじめまして」
「はじめまして。よろ~」
四季も初対面の女子ふたりが、挨拶をする。
男女で向かい合って座り、簡単に自己紹介をした。
「モノホンの宜嗣くんだ~!」
「すごーい!」
「カッコいい!」
逆風吹いてへん? と、達人から目線をもらう四季。
「あーはいはい。宜嗣くんはね、オフでは寡黙なんだ。女子に免疫もないし」
「マ? 逆にありじゃね?」
「かわいい~」
「なんか喋ってー?」
もちろん、宜嗣は喋らない。黙々とフライドポテトを食べている。
「はーい。じゃあ、席替えね! 10分毎にチェンジで!」
「りょ!」
四季は、喋るのが好きで、得意だ。なんやかんやで、連絡先の交換までこぎ着けることが出来た。
「さなちゃんってオーラあるよねぇ! アイドル的な?」
「えー? ほんとに?」
「やっぱ、時代はアイドルっしょ。スターダム駆け上がっちゃう? 俺、全力で推すよ!」
一方、その頃、達人は。
「本日はお日柄もよく……」
「ナニソレ。ウケる~」
これは、笑わせているのではない。笑われているのだ。
達人は、ヘルプの視線を四季に寄越す。
「あ、注目~! 達人が京都人ギャグ言いまーす」
達人は立ち上がり、「ごほん。ぶぶ漬けおあがりますか?」と言った。
「うわ、本場のぶぶ漬け!」
「ぶぶってナニ? ウケる」
「うちら、帰れって言われてるよ~」
「ごめーん! 帰らないで~」
女子たちは、けらけら笑っている。
「宜嗣くん、歌わないの~?」
「…………」
「地蔵かよ~?」
「はいはい。宜嗣の歌は安くないの! 喉痛めないために喋らないし!」
「マジ地蔵じゃん。おもろ」
帰りたい。今すぐに。宜嗣は、四季を恨んだ。
「つーワケで、澪川四季、歌います!」
「マジか~!」
四季は、流行りの女性アイドルソングを歌う。振り付けも完璧だ。
「すげー! ドルオタ?」
「まーね!」
そんなこんなで、合コンは進行し、お開きの時間になる。
「じゃね、四季~!」
「おう、またな~!」
女子を送り、残った男たちは、顔を見合わせた。
「幹事抜いたら、2」
「3……」
「え? あ、0」
「ひーひっひっひっ! 完勝じゃね? 達人、3だし!」
「四季、愛してるで……」
「俺もー!」
連絡先を交換した女子の数を発表し、何故かお互いに愛を伝えるモテたい同盟。
「もう帰っていい?」
「おう。宜嗣は、ルアー役ご苦労さん!」
「拝んどこ」
ふたりに拝まれる宜嗣。
人を餌にしたな、四季。覚えとけよ。
いずれ、この男に天罰が下ることを願う宜嗣だった。