うちよそ
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私の物語は、余白みたい。過去があり、現在はどこにもなく、未来は果てしなく遠い。
休日、特にすることもないので、ボーダー広報部の活動を見に行くことにした。
嵐山隊の面々が、ステージに立ち、インタビューを受けている。
アイドルだなぁ。私は、アイドルが好きだ。人の身でありながら、神様になろうとする者は、美しい。
ステージプログラムは進み、ひとりのアイドルが出てきた。彼女は、小林莉子さん。太刀川隊の一員で、ボーダーの何でも屋さんである。
スタンドマイクの前に立ち、小林さんは、歌う。低めの声で、それはもう、カッコよく旋律を奏でる。話してる時は、小動物的な可愛さがあるタイプの子なので、ギャップが凄い。
小動物的と言っても、私より身長が3㎝ほど高いが。
彼女の歌唱が終わり、私は、力一杯拍手をした。
私は、小林さんのライブ配信のリスナーでもあり、よく彼女の歌配信にお邪魔している。プロフィールに、彼女の推しマークを入れて、ささやかながら応援していた。
全てのプログラムが終わり、私は帰ろうとする。その時、メッセージアプリの通知に気付いた。
メッセージの送り主は、小林莉子さん。
『ステージ見てくれて、ありがとうございます』
わぁ。推しに認知されてる。
『今回も素敵だったよ』
『お疲れ様』
そう返信した。
『砂子さん、この後時間あります?』
『お茶しません?』
と、お誘いがくる。
『いいよ』
『じゃあ、近くのカフェで待ち合わせようか』
『はい』
私は、カフェへと歩き出した。
◆◆◆
「ステージの上で砂子さんを見付けた時、手を振りそうになりましたよ」
「ファンサだねぇ」
カフェの席で向かい合っている私たちは、けらけら笑う。
「そんなんじゃないですけど」
「今度、うちわでも作ろうかな」
「なんて書くんです?」
「莉子さん♡認知して」
「してますよー!」
おかしそうに笑っている彼女は、元気そうだ。私は、安心した。
とことんまで落ち込んだ彼女を見たことがあるから。私は、その明るい余韻がずっと続けばいいのに、と思った。
しかし、人は時に希望を砕かれ、暗闇の底に引きずり落とされる。
私も例外ではない。何度か、地獄にいるかのような心地になったこともある。
君と私は、少し似ているけど、全然違う。その違いを、私は興味深いと思っている。
「砂子さんも、ステージで歌えばいいのに」
「顔出しNGなんだ」
「そっかぁ」
季節限定のフラペチーノを飲みながら、君の美しい残響が、いつまでも続くことを祈った。
休日、特にすることもないので、ボーダー広報部の活動を見に行くことにした。
嵐山隊の面々が、ステージに立ち、インタビューを受けている。
アイドルだなぁ。私は、アイドルが好きだ。人の身でありながら、神様になろうとする者は、美しい。
ステージプログラムは進み、ひとりのアイドルが出てきた。彼女は、小林莉子さん。太刀川隊の一員で、ボーダーの何でも屋さんである。
スタンドマイクの前に立ち、小林さんは、歌う。低めの声で、それはもう、カッコよく旋律を奏でる。話してる時は、小動物的な可愛さがあるタイプの子なので、ギャップが凄い。
小動物的と言っても、私より身長が3㎝ほど高いが。
彼女の歌唱が終わり、私は、力一杯拍手をした。
私は、小林さんのライブ配信のリスナーでもあり、よく彼女の歌配信にお邪魔している。プロフィールに、彼女の推しマークを入れて、ささやかながら応援していた。
全てのプログラムが終わり、私は帰ろうとする。その時、メッセージアプリの通知に気付いた。
メッセージの送り主は、小林莉子さん。
『ステージ見てくれて、ありがとうございます』
わぁ。推しに認知されてる。
『今回も素敵だったよ』
『お疲れ様』
そう返信した。
『砂子さん、この後時間あります?』
『お茶しません?』
と、お誘いがくる。
『いいよ』
『じゃあ、近くのカフェで待ち合わせようか』
『はい』
私は、カフェへと歩き出した。
◆◆◆
「ステージの上で砂子さんを見付けた時、手を振りそうになりましたよ」
「ファンサだねぇ」
カフェの席で向かい合っている私たちは、けらけら笑う。
「そんなんじゃないですけど」
「今度、うちわでも作ろうかな」
「なんて書くんです?」
「莉子さん♡認知して」
「してますよー!」
おかしそうに笑っている彼女は、元気そうだ。私は、安心した。
とことんまで落ち込んだ彼女を見たことがあるから。私は、その明るい余韻がずっと続けばいいのに、と思った。
しかし、人は時に希望を砕かれ、暗闇の底に引きずり落とされる。
私も例外ではない。何度か、地獄にいるかのような心地になったこともある。
君と私は、少し似ているけど、全然違う。その違いを、私は興味深いと思っている。
「砂子さんも、ステージで歌えばいいのに」
「顔出しNGなんだ」
「そっかぁ」
季節限定のフラペチーノを飲みながら、君の美しい残響が、いつまでも続くことを祈った。