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「二宮さんって、天然ですよね~」
二宮さんとブースでの戦闘を終えた後、僕らは立ち話を始めた。
ちなみに、戦闘の結果は、僕の負けである。
「天然…………?」
出た! 天然の人の返し!
怪訝そうな顔の二宮さん、いただきました!
僕には二宮さんの色々な表情を引き出したいという企みがある。
何故なら、彼は僕の射手としての師匠であり、片想い中の相手でもあるのだ。
師匠と言っても、二宮さんが懇切丁寧に僕にものを教えてくれた訳ではなく、僕が勝手にあの人の技を盗んだという、一方的な師弟関係である。
師弟関係が一方的なら、もちろん、片想いだって一方的。二宮さんは、つきまとってくる僕のことを鬱陶しいと思っているのだろう。僕を前にした二宮さんは、だいたい負の感情を発露させるから。
僕の見る彼は、険しい顔や睨みつけるような顔や呆れ顔ばかり。
彼の嬉しそうな表情が見たい。喜ぶ顔が、笑顔が見たい。僕だけにその顔を向けてほしい。
「すいません、今のは忘れてください、師匠」
「師匠じゃない。俺はおまえに何も教えていない」
「いえいえ、二宮さんが僕と戦ってくれるだけで学びがありますから!」
ニコニコと笑顔で反論する僕。僕は、あなたに懐いているんです、という態度を前面に押し出す。
しかし、二宮さんは仏頂面のままである。
やっぱり、僕みたいなのは嫌いなんだろうか?
これは噂なのだが、二宮さんは、今は除隊してしまった鳩原未来さんを好きなんじゃないのか? というものがあり、それは僕の心臓の辺りを冷たくする。
「月って遠いですね~」
僕の憧れの人は、遠い。隣に立っていてくれているけど、心の距離は遠いのだろう。
僕の突然の、月の話題には、「何を当たり前のことを言っているんだ?」という表情をしている、二宮さん。
「月は遠いが、見えないところにあるよりマシだな」
二宮さんが、予想外のことを小さく呟くように言った。
あなたは、今の言葉で誰を想っていましたか?
僕は、開きかけた口を閉じた。
二宮さんとブースでの戦闘を終えた後、僕らは立ち話を始めた。
ちなみに、戦闘の結果は、僕の負けである。
「天然…………?」
出た! 天然の人の返し!
怪訝そうな顔の二宮さん、いただきました!
僕には二宮さんの色々な表情を引き出したいという企みがある。
何故なら、彼は僕の射手としての師匠であり、片想い中の相手でもあるのだ。
師匠と言っても、二宮さんが懇切丁寧に僕にものを教えてくれた訳ではなく、僕が勝手にあの人の技を盗んだという、一方的な師弟関係である。
師弟関係が一方的なら、もちろん、片想いだって一方的。二宮さんは、つきまとってくる僕のことを鬱陶しいと思っているのだろう。僕を前にした二宮さんは、だいたい負の感情を発露させるから。
僕の見る彼は、険しい顔や睨みつけるような顔や呆れ顔ばかり。
彼の嬉しそうな表情が見たい。喜ぶ顔が、笑顔が見たい。僕だけにその顔を向けてほしい。
「すいません、今のは忘れてください、師匠」
「師匠じゃない。俺はおまえに何も教えていない」
「いえいえ、二宮さんが僕と戦ってくれるだけで学びがありますから!」
ニコニコと笑顔で反論する僕。僕は、あなたに懐いているんです、という態度を前面に押し出す。
しかし、二宮さんは仏頂面のままである。
やっぱり、僕みたいなのは嫌いなんだろうか?
これは噂なのだが、二宮さんは、今は除隊してしまった鳩原未来さんを好きなんじゃないのか? というものがあり、それは僕の心臓の辺りを冷たくする。
「月って遠いですね~」
僕の憧れの人は、遠い。隣に立っていてくれているけど、心の距離は遠いのだろう。
僕の突然の、月の話題には、「何を当たり前のことを言っているんだ?」という表情をしている、二宮さん。
「月は遠いが、見えないところにあるよりマシだな」
二宮さんが、予想外のことを小さく呟くように言った。
あなたは、今の言葉で誰を想っていましたか?
僕は、開きかけた口を閉じた。