800文字チャレンジ
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「反比例」
「ハンピレー」
「ほんとに分かってんのかな? 君は」
オレは今、勉強がダメダメな当真勇くんに、数学を教えている。麻雀仲間である冬島さんに頼まれたからだ。
算数からやるべきか? 真剣にそう考えてしまう。
だが、彼は高校3年生である。関数を教えるのがオレの役目だ。
なんとか噛み砕いた説明を彼にする。
「ほー」
「分かったか?」
「つまり、アレかー」
いや、理解したのかどうか答えてくれ。
「もう一度訊くけど、理解出来たか?」
「出来ましたよ。ミョウジさん、さすが」
「まあ、オレも騙し騙し勉強してた人間だからな」
だから、オレみたいに勉強の出来ない奴の考えることは、なんとなく分かる。
「じゃ、次はこの問題を、ひとりで解いてみてくれ」
「へーい」
当真くんは、いつものように緩い感じで返事をした。だから、心配になってしまう。オレを無駄にハラハラさせやがって。
オレは、ほんの少しだが、腹が立ってきた。
「出来たぜ」
しばらくして、当真くんが回答用紙をオレに差し出す。
「どれどれ」
緊張の一瞬。オレは、そっと視線を紙に落とした。
「で、出来てる…………! やったぜ、オレ! いや、当真くん! よくやった!」
オレは喜びのあまり、隣にいる当真くんの背中をバシバシと叩く。
「やるじゃん、俺」
当真くんも、少し嬉しそうに微笑んでいる。
なんだ、意外と良い生徒じゃないか。
オレは、一体どんな問題児なのかと心配していたが、当真くんは素直にオレの教えを聞いてくれたので、若干肩透かしでもある。
「ミョウジさん、スゴいですねぇ。俺に勉強を教えようとした人は結構いたけど、すぐに諦められてきたのに」
そりゃ、そうだろうな!
オレは、なんとか言葉を呑み込んだ。
「ありがとうございます、ミョウジさん」
「どういたしまして。試験、ちゃんと頑張ってくれよな」
でないと、冬島さんへの面目が立たない。
まあ、冬島さんに麻雀で負けたせいで当真くんに勉強を教える羽目になっただけなのだが。
「善処しまーす」
「おい、不安になるようなことを言うんじゃねぇよ!」
オレに怒鳴られた彼は、ニヤッと笑顔になった。
オレ、遊ばれてない?
「ハンピレー」
「ほんとに分かってんのかな? 君は」
オレは今、勉強がダメダメな当真勇くんに、数学を教えている。麻雀仲間である冬島さんに頼まれたからだ。
算数からやるべきか? 真剣にそう考えてしまう。
だが、彼は高校3年生である。関数を教えるのがオレの役目だ。
なんとか噛み砕いた説明を彼にする。
「ほー」
「分かったか?」
「つまり、アレかー」
いや、理解したのかどうか答えてくれ。
「もう一度訊くけど、理解出来たか?」
「出来ましたよ。ミョウジさん、さすが」
「まあ、オレも騙し騙し勉強してた人間だからな」
だから、オレみたいに勉強の出来ない奴の考えることは、なんとなく分かる。
「じゃ、次はこの問題を、ひとりで解いてみてくれ」
「へーい」
当真くんは、いつものように緩い感じで返事をした。だから、心配になってしまう。オレを無駄にハラハラさせやがって。
オレは、ほんの少しだが、腹が立ってきた。
「出来たぜ」
しばらくして、当真くんが回答用紙をオレに差し出す。
「どれどれ」
緊張の一瞬。オレは、そっと視線を紙に落とした。
「で、出来てる…………! やったぜ、オレ! いや、当真くん! よくやった!」
オレは喜びのあまり、隣にいる当真くんの背中をバシバシと叩く。
「やるじゃん、俺」
当真くんも、少し嬉しそうに微笑んでいる。
なんだ、意外と良い生徒じゃないか。
オレは、一体どんな問題児なのかと心配していたが、当真くんは素直にオレの教えを聞いてくれたので、若干肩透かしでもある。
「ミョウジさん、スゴいですねぇ。俺に勉強を教えようとした人は結構いたけど、すぐに諦められてきたのに」
そりゃ、そうだろうな!
オレは、なんとか言葉を呑み込んだ。
「ありがとうございます、ミョウジさん」
「どういたしまして。試験、ちゃんと頑張ってくれよな」
でないと、冬島さんへの面目が立たない。
まあ、冬島さんに麻雀で負けたせいで当真くんに勉強を教える羽目になっただけなのだが。
「善処しまーす」
「おい、不安になるようなことを言うんじゃねぇよ!」
オレに怒鳴られた彼は、ニヤッと笑顔になった。
オレ、遊ばれてない?