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敬虔な信徒である女によって、我が教団に新たな生け贄が運ばれてきた。
「ご苦労」
生け贄は、健康そうな若い男である。この男の肉と魂を捧げれば、造物主である神も、お喜びになることだろう。
「では、儀式を執り行う」
私は、さっそく信徒たちに、儀式の準備に取りかからせた。祭壇を綺麗に磨き上げ、裸にした生け贄を横たえる。四方を囲む燭台の蝋燭に火を灯し、赤いローブを身にまとった信徒たちが祭壇の前に整然と並ぶ。
この光景は、何度見ても神聖な美しさに満ちている。
我らが神、先触れなるもの、グロースに生け贄を捧げる準備は整った。
我々、赤き星の教団は、彼のものの地球への来訪を待ちわびている。
美しき調べと共に来訪し、終末を訪れさせる我らが神、グロース。グロースがもたらす人類の滅びは、美しいものに違いない。
人は、死によってしか救済されないのだから。
人類が死に絶える様を、私は毎日のように夢に見る。人間の終わり。この星の終焉。
我が神は、空を見上げれば視認することが出来る距離まで近付いている。赤く輝く美しい星のように見えるのが、グロースだ。
「さあ、同胞たちよ。我らが神、グロースに祈りを捧げようではないか」
私たちは、グロースを讃える言葉を一斉に声にし出す。
グロースの口ずさむ歌ほどではないだろうが、これもまた、美しいものだ。皆で祈りを捧げ、供物を捧げ、彼のものの来訪を歓迎している。
我々は、小さな教団だが、もうすぐ夢を叶えられるのだ。
私は、グロースの意匠を施したペンダントを握り締める。
ここまで苦労してやって来たのは、死による人類の救済。全ての人類を天に昇らせるためである。その夢を叶えるため、私は、清めた銀色のナイフを生け贄の心臓目掛けて振り下ろした。
すると、生け贄の肉と魂は祭壇から消え失せ、神へと届けられる。
また一歩、人類救済へと近付いたのだ。信徒たちも、歓声を上げている。もちろん、私も満面の笑みで、ナイフを天高く掲げた。
グロースよ、我らに死をもたらしたまえ。
「ご苦労」
生け贄は、健康そうな若い男である。この男の肉と魂を捧げれば、造物主である神も、お喜びになることだろう。
「では、儀式を執り行う」
私は、さっそく信徒たちに、儀式の準備に取りかからせた。祭壇を綺麗に磨き上げ、裸にした生け贄を横たえる。四方を囲む燭台の蝋燭に火を灯し、赤いローブを身にまとった信徒たちが祭壇の前に整然と並ぶ。
この光景は、何度見ても神聖な美しさに満ちている。
我らが神、先触れなるもの、グロースに生け贄を捧げる準備は整った。
我々、赤き星の教団は、彼のものの地球への来訪を待ちわびている。
美しき調べと共に来訪し、終末を訪れさせる我らが神、グロース。グロースがもたらす人類の滅びは、美しいものに違いない。
人は、死によってしか救済されないのだから。
人類が死に絶える様を、私は毎日のように夢に見る。人間の終わり。この星の終焉。
我が神は、空を見上げれば視認することが出来る距離まで近付いている。赤く輝く美しい星のように見えるのが、グロースだ。
「さあ、同胞たちよ。我らが神、グロースに祈りを捧げようではないか」
私たちは、グロースを讃える言葉を一斉に声にし出す。
グロースの口ずさむ歌ほどではないだろうが、これもまた、美しいものだ。皆で祈りを捧げ、供物を捧げ、彼のものの来訪を歓迎している。
我々は、小さな教団だが、もうすぐ夢を叶えられるのだ。
私は、グロースの意匠を施したペンダントを握り締める。
ここまで苦労してやって来たのは、死による人類の救済。全ての人類を天に昇らせるためである。その夢を叶えるため、私は、清めた銀色のナイフを生け贄の心臓目掛けて振り下ろした。
すると、生け贄の肉と魂は祭壇から消え失せ、神へと届けられる。
また一歩、人類救済へと近付いたのだ。信徒たちも、歓声を上げている。もちろん、私も満面の笑みで、ナイフを天高く掲げた。
グロースよ、我らに死をもたらしたまえ。