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夕暮れ時。川べりの道。
帰路を行く背の高い少年に、別の少年が近付いていく。
「お前が、オウケンの総長の黒野ってヤツだな? オウケン、潰させてもらうぜ!」
見知らぬ少年は、威圧的な声を上げ、黒野玄武に拳を振り上げてきた。
「……ッ!?」
突然の攻撃に驚きつつも、鞄を放り投げてその拳をかわし、玄武は臨戦態勢に入る。
「お前は、疾風のナマエ!」
「へぇ、オレの名前を知っているのか」
「ああ。だが、オウケンに特攻かけて来るとはどういう了見だ?」
「ウチの総長がオウケン潰せって言ってんだよ! だからテメーをやる!」
「いいだろう。本気でかかって来い!」
「言われるまでもねぇ!」
ふたりは、素手格闘を開始した。
「チッ!」
「ぐッ……!」
玄武の拳と、ナマエの拳が激しくぶつかり合う。お互いに、びりびりとした衝撃が伝わる。
続いて、ナマエの蹴りが玄武の腹を狙う。
その蹴りを見切った玄武は、後退し、受け流す。
「さすが、オウケンの頭、やるじゃねぇか」
ナマエは実に楽しそうに、狂的な笑みを浮かべる。
「けど、まだまだこんなもんじゃねぇぞ、氷刃の玄武さんよぉ!」
「いい度胸だ、受けて立つぜ!」
ふたりの男と男の熱い勝負に、観客はいない。しかし、それはさながら舞うように。ある種の美しさを持っていた。
拳と拳。蹴りと蹴り。時には、頭突きを交えながら、ふたりは闘う。互いの誇り、矜持をかけて、魂をぶつけ合う。
そんな攻防を続けたふたりだったが、しばらくして、同時に河原に倒れ伏す。
「ハァ……ハァ……」
先程まで真剣勝負をしていた玄武もナマエも、荒い呼吸を繰り返している。
「なかなかやるじゃねぇか、玄武」
「お前もな、ナマエ」
「次はテメーから、勝利をもぎ取ってやっからな!」
「ふっ。次も負けねぇ……!」
今日のところは、引き分けである。
氷刃の玄武と疾風のナマエは、立ち上がると、互いに背を向けて歩き出す。
ふたりの漢を、夕日だけが見ていた。
帰路を行く背の高い少年に、別の少年が近付いていく。
「お前が、オウケンの総長の黒野ってヤツだな? オウケン、潰させてもらうぜ!」
見知らぬ少年は、威圧的な声を上げ、黒野玄武に拳を振り上げてきた。
「……ッ!?」
突然の攻撃に驚きつつも、鞄を放り投げてその拳をかわし、玄武は臨戦態勢に入る。
「お前は、疾風のナマエ!」
「へぇ、オレの名前を知っているのか」
「ああ。だが、オウケンに特攻かけて来るとはどういう了見だ?」
「ウチの総長がオウケン潰せって言ってんだよ! だからテメーをやる!」
「いいだろう。本気でかかって来い!」
「言われるまでもねぇ!」
ふたりは、素手格闘を開始した。
「チッ!」
「ぐッ……!」
玄武の拳と、ナマエの拳が激しくぶつかり合う。お互いに、びりびりとした衝撃が伝わる。
続いて、ナマエの蹴りが玄武の腹を狙う。
その蹴りを見切った玄武は、後退し、受け流す。
「さすが、オウケンの頭、やるじゃねぇか」
ナマエは実に楽しそうに、狂的な笑みを浮かべる。
「けど、まだまだこんなもんじゃねぇぞ、氷刃の玄武さんよぉ!」
「いい度胸だ、受けて立つぜ!」
ふたりの男と男の熱い勝負に、観客はいない。しかし、それはさながら舞うように。ある種の美しさを持っていた。
拳と拳。蹴りと蹴り。時には、頭突きを交えながら、ふたりは闘う。互いの誇り、矜持をかけて、魂をぶつけ合う。
そんな攻防を続けたふたりだったが、しばらくして、同時に河原に倒れ伏す。
「ハァ……ハァ……」
先程まで真剣勝負をしていた玄武もナマエも、荒い呼吸を繰り返している。
「なかなかやるじゃねぇか、玄武」
「お前もな、ナマエ」
「次はテメーから、勝利をもぎ取ってやっからな!」
「ふっ。次も負けねぇ……!」
今日のところは、引き分けである。
氷刃の玄武と疾風のナマエは、立ち上がると、互いに背を向けて歩き出す。
ふたりの漢を、夕日だけが見ていた。