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結婚指輪を食べられた。
何ものにかというと、自分の相棒ポケモンのヤミラミにである。幼い頃から、ずっと共にいるポケモン。僕の大切な家族。
「…………」
ヤミラミは無言で、薄い青色の宝石のような目で、こちらを見つめている。
この子の感情は分からないが、実は、指輪を食べた理由について、ひとつ心当たりがあった。ヤミラミが宝石を食べる食性だから、という意味ではない。
それは、この指輪を見る僕が、いつも悲しい表情になってしまうから。亡くなった大切な人を思い出してしまうから。時には、涙を流すことさえもある。
だから、ヤミラミは指輪を僕から奪って食べたのだと思う。
「ぎゅりり!」
ヤミラミが、僕に向かって鳴き声を上げた。
「元気を出して!」と、言っているように聞こえる。
「ははは」
僕は、力なく乾いた笑いをした。
それは、僕の本当に、本当に大切なものだったんだよ。それを、君は食べてしまった。別に、それを責める気持ちはない。それは、ヤミラミの優しさからきた行為だろうから。
けれど、今の僕は、どんな感情になればいいのか分からないのだ。
喜べばいいのか? 悲しめばいいのか? そんなことさえ、分からない。
「ごめんな」
僕は謝りながら、ヤミラミの頭を撫でる。
「ぎゅるりぃ~」
ヤミラミは、嬉しそうに僕にすり寄る。
君は、僕の一番の理解者で、もしかしたら僕自身以上に僕を分かっているのかもしれないね。未来の僕は、君に感謝をするのかもしれない。
未来の自分よ、どうか、あの人との大切な思い出の品を食べたヤミラミに、笑顔で「ありがとう」を言えるようになってくれ。僕は、祈るように思った。
とても大切な指輪を、僕の深い悲しみごと食べようとしてくれたヤミラミ。君の厚意を、僕は忘れない。
あの人を失ったこの先、何十年経ったとしても、忘れたくない。
僕の大切なものは、まだ、この世にある。それを忘れてはいけない。
僕は、相棒のヤミラミと共に、あの人の分まで生きていこうと誓った。
何ものにかというと、自分の相棒ポケモンのヤミラミにである。幼い頃から、ずっと共にいるポケモン。僕の大切な家族。
「…………」
ヤミラミは無言で、薄い青色の宝石のような目で、こちらを見つめている。
この子の感情は分からないが、実は、指輪を食べた理由について、ひとつ心当たりがあった。ヤミラミが宝石を食べる食性だから、という意味ではない。
それは、この指輪を見る僕が、いつも悲しい表情になってしまうから。亡くなった大切な人を思い出してしまうから。時には、涙を流すことさえもある。
だから、ヤミラミは指輪を僕から奪って食べたのだと思う。
「ぎゅりり!」
ヤミラミが、僕に向かって鳴き声を上げた。
「元気を出して!」と、言っているように聞こえる。
「ははは」
僕は、力なく乾いた笑いをした。
それは、僕の本当に、本当に大切なものだったんだよ。それを、君は食べてしまった。別に、それを責める気持ちはない。それは、ヤミラミの優しさからきた行為だろうから。
けれど、今の僕は、どんな感情になればいいのか分からないのだ。
喜べばいいのか? 悲しめばいいのか? そんなことさえ、分からない。
「ごめんな」
僕は謝りながら、ヤミラミの頭を撫でる。
「ぎゅるりぃ~」
ヤミラミは、嬉しそうに僕にすり寄る。
君は、僕の一番の理解者で、もしかしたら僕自身以上に僕を分かっているのかもしれないね。未来の僕は、君に感謝をするのかもしれない。
未来の自分よ、どうか、あの人との大切な思い出の品を食べたヤミラミに、笑顔で「ありがとう」を言えるようになってくれ。僕は、祈るように思った。
とても大切な指輪を、僕の深い悲しみごと食べようとしてくれたヤミラミ。君の厚意を、僕は忘れない。
あの人を失ったこの先、何十年経ったとしても、忘れたくない。
僕の大切なものは、まだ、この世にある。それを忘れてはいけない。
僕は、相棒のヤミラミと共に、あの人の分まで生きていこうと誓った。