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最初は海に沈めようと考えていた。
しかし、ジェイド・リーチは山を愛している。そこで、彼の死体を山に埋めに行くことにした。
大きなキャリーバッグに死体を詰めて、夜中に山を登るのは骨が折れたが、なんとか山深くまで辿り着く。
リュックサックから折り畳み式のスコップを取り出し、穴を掘り出し始まる。最低でも2メートルは掘らなければなるまい。ジェイドは、ひたすら穴を掘った。深く、深く。彼を埋葬するために、穴を掘り続ける。
何時間もそうして、やっと墓穴が掘り終わり、穴から出た。
死体をキャリーバッグから出して、無造作に穴へと落とす。
「さよなら」
とても短い別れの挨拶をする。
これで、お別れ。死別。永別。少しばかり、感傷的な気持ちになった。
素っ気ない「さよなら」だけではなく、何か他の言葉を送ることにしようと思う。
「さよなら、愛しい人。僕は、あなたを愛していましたよ」
愛する彼を殺したのは、ジェイド本人である。
動機は、嫉妬である。
別に、愛する彼が、浮気をしたという訳ではない。
ただ、彼が自分以外の人間をその瞳に映すのが嫌だった。他の人間の言葉を聴くのが嫌だった。別の人間と喋っているのが嫌だった。
堪らなく、嫌で。嫌過ぎて、ジェイドは彼の息の根を止めてしまったのだ。
それに、彼と付き合っている今の最高の状態で終わりを迎えるのは、素晴らしく幸福なことだと思う。彼が最初に愛したのは、ジェイド。最期の時まで愛していたのも、ジェイド。そういうことになる。それは、堪らないほどの幸福だった。
「これが僕とあなたとの、最高のエンディング、ですよね?」
季節が巡る度に、あなたを埋めた山に登ろう。あなたの墓に、たくさんの素敵なものを捧げよう。
そして、もしも、あなたがゴーストになったら、エンディングの続きをしよう。あなたという存在を、自分だけのものにするために。
何度でも、あなたを独り占めしてみせよう。
ジェイド・リーチは、歯を見せて笑った。
しかし、ジェイド・リーチは山を愛している。そこで、彼の死体を山に埋めに行くことにした。
大きなキャリーバッグに死体を詰めて、夜中に山を登るのは骨が折れたが、なんとか山深くまで辿り着く。
リュックサックから折り畳み式のスコップを取り出し、穴を掘り出し始まる。最低でも2メートルは掘らなければなるまい。ジェイドは、ひたすら穴を掘った。深く、深く。彼を埋葬するために、穴を掘り続ける。
何時間もそうして、やっと墓穴が掘り終わり、穴から出た。
死体をキャリーバッグから出して、無造作に穴へと落とす。
「さよなら」
とても短い別れの挨拶をする。
これで、お別れ。死別。永別。少しばかり、感傷的な気持ちになった。
素っ気ない「さよなら」だけではなく、何か他の言葉を送ることにしようと思う。
「さよなら、愛しい人。僕は、あなたを愛していましたよ」
愛する彼を殺したのは、ジェイド本人である。
動機は、嫉妬である。
別に、愛する彼が、浮気をしたという訳ではない。
ただ、彼が自分以外の人間をその瞳に映すのが嫌だった。他の人間の言葉を聴くのが嫌だった。別の人間と喋っているのが嫌だった。
堪らなく、嫌で。嫌過ぎて、ジェイドは彼の息の根を止めてしまったのだ。
それに、彼と付き合っている今の最高の状態で終わりを迎えるのは、素晴らしく幸福なことだと思う。彼が最初に愛したのは、ジェイド。最期の時まで愛していたのも、ジェイド。そういうことになる。それは、堪らないほどの幸福だった。
「これが僕とあなたとの、最高のエンディング、ですよね?」
季節が巡る度に、あなたを埋めた山に登ろう。あなたの墓に、たくさんの素敵なものを捧げよう。
そして、もしも、あなたがゴーストになったら、エンディングの続きをしよう。あなたという存在を、自分だけのものにするために。
何度でも、あなたを独り占めしてみせよう。
ジェイド・リーチは、歯を見せて笑った。