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大学のサークル活動の帰り道。
「干支ってあるでしょ?」と、先輩が私に話を振った。
「はい」
「珍味を制覇するなら、干支を制覇せよって」
「いや、聞いたことないですけれど……」
「ふたりでコンプリートしようよ」
先輩は笑顔で言う。
「あの、辰はどうするんですか?」
「タツノオトシゴじゃないかな」
「あれ、食べられるんですか?」
「ちょっと待って」と、先輩がスマホで調べ出した。
「食べることは出来るけど、保護されてるからダメみたい」
「早速コンプリート出来ないじゃないですか」
「あはは」と先輩は笑う。
先輩が突然こういうことを言い出すのは、いつものことだけれど、少し呆れた。
「とりあえず、ネズミからいく?」
「え!?」
「牛は食べてるでしょ?」
「それはまあ、はい……」
「ネズミはどこで食べられるのかな~」
マズい。ネズミ食べさせられる。
「先輩、ウサギにしましょう!」
「ん?」
「私、ウサギ肉のシチューを食べられるところ知ってます!」
「そうなんだ。じゃあ、そうしようか」
「はい」
危なかった。
でも、あんなに可愛い生き物を食べるのか。
いや、家畜だって可愛いのだから、今さらではあるけれど。
「ウサギを食べたら、ジャンプ力が上がるかな」
「オカルトですか?」
「そうかもね」
先輩は、相変わらずニコニコしている。
「あ、月が綺麗」
先輩が夜空を指差し、私も月を見た。
「わあ、本当ですね」
「で? 月まで行って、ウサギ肉のシチューを食べるんだっけ?」
「そんなこと言ってません!」
「ふふ。月も美味しそうに見えるよねぇ」
先輩って、食いしん坊。
「ウサギも食べるし、ウサギがついてた餅も食べるし、月も食べる。これだね!」
「さすがに悪者では?!」
ウサギが被害者過ぎるだろう。
「冗談だって」
「先輩が言うと冗談に聞こえないんですよ」
私は、深く溜め息をついた。
「ウサギって、どんな味かな~」
「どうでしょうね」
私と先輩は、月夜の下で、そんな話を続ける。
季節は、秋。まさに食欲の秋だった。
「干支ってあるでしょ?」と、先輩が私に話を振った。
「はい」
「珍味を制覇するなら、干支を制覇せよって」
「いや、聞いたことないですけれど……」
「ふたりでコンプリートしようよ」
先輩は笑顔で言う。
「あの、辰はどうするんですか?」
「タツノオトシゴじゃないかな」
「あれ、食べられるんですか?」
「ちょっと待って」と、先輩がスマホで調べ出した。
「食べることは出来るけど、保護されてるからダメみたい」
「早速コンプリート出来ないじゃないですか」
「あはは」と先輩は笑う。
先輩が突然こういうことを言い出すのは、いつものことだけれど、少し呆れた。
「とりあえず、ネズミからいく?」
「え!?」
「牛は食べてるでしょ?」
「それはまあ、はい……」
「ネズミはどこで食べられるのかな~」
マズい。ネズミ食べさせられる。
「先輩、ウサギにしましょう!」
「ん?」
「私、ウサギ肉のシチューを食べられるところ知ってます!」
「そうなんだ。じゃあ、そうしようか」
「はい」
危なかった。
でも、あんなに可愛い生き物を食べるのか。
いや、家畜だって可愛いのだから、今さらではあるけれど。
「ウサギを食べたら、ジャンプ力が上がるかな」
「オカルトですか?」
「そうかもね」
先輩は、相変わらずニコニコしている。
「あ、月が綺麗」
先輩が夜空を指差し、私も月を見た。
「わあ、本当ですね」
「で? 月まで行って、ウサギ肉のシチューを食べるんだっけ?」
「そんなこと言ってません!」
「ふふ。月も美味しそうに見えるよねぇ」
先輩って、食いしん坊。
「ウサギも食べるし、ウサギがついてた餅も食べるし、月も食べる。これだね!」
「さすがに悪者では?!」
ウサギが被害者過ぎるだろう。
「冗談だって」
「先輩が言うと冗談に聞こえないんですよ」
私は、深く溜め息をついた。
「ウサギって、どんな味かな~」
「どうでしょうね」
私と先輩は、月夜の下で、そんな話を続ける。
季節は、秋。まさに食欲の秋だった。
