うちよそ
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舘上肇と初めて会ったのは、5歳の頃だった。
「はじめまして」
穏やかに笑う子供。
同じく5歳の化野雨音は、すぐに肇と仲良くなった。
雨音は、天真爛漫な子供で、よく肇の好奇心に付き合って“冒険”をする。
両親たちが難しい話をしている間、ふたりで遊んでいた。
「はじめ、おれはいつか、せかいをすくうんだ」
「そうなの?」
「あだしののにんげんは、みんなそうだから」
「あまねなら、できるよ」
「うん!」
友達に肯定されて嬉しい。
雨音の笑顔は、夕日を背にして、キラキラと輝いている。
雨音たちは、たくさんの思い出を共有して成長していった。
春に花見をして、夏に西瓜割りをして、秋に焼き芋をして、冬に雪だるまを作る。
ふたりは、やがて17歳になった。
そして、雨音の父が死に、母も心労が祟って亡くなる。
「雨音」
「…………」
雨音は、虚ろな目を向けるだけで、肇の呼びかけに答えない。
荒れた部屋の壁にもたれて、四肢を投げ出している。
「雨音、ちゃんと寝て食べないと」
肇は、心身ともにボロボロの友人を見て、心配そうに言った。
「……うるさい」
地を這うような声。幼馴染みのこんな声は、初めて聴いた。
雨音が持っていた天真爛漫さは、跡形もなく失われてしまっている。
「君まで倒れてはいけないよ」
「……もういい。俺は、“化野”をやめる」
「やめて、どうする?」
「呪ってやる……何もかも…………」
ストレスで噛んだのであろう人差し指の爪が、天を指す。
肇は、雨音のその手を取ろうとする。しかし、彼に拒絶された。
その後。雨音は、本当に化野の家からいなくなってしまった。
風の噂で聞いたところによると、呪い屋をしているらしい。
そうして月日は流れ。
雨音と肇は、審神者になった。
ふたりが偶然再会を果たした時、肇は、まだ赤子の娘を連れていて。それを見た雨音は、口を引き結んだ。
「立派になったなぁ。人の親になるなんて」
「いや、ちょっと色々と事情が立て込んでいてね。立派ではないよ」
「ふん。どうせ、後先考えずに行動したんだろう。お前は、衝動的だからな」
「……ぐうの音も出ない」
肇は、困った顔をする。
「せっかくだから、娘を抱いてほしいな」
「よくこんな人間に大切な娘を預けようと思えるな」
「まあまあ」
「おい」
半ば無理矢理、赤子を押し付ける肇。
慣れないなりに、赤子を抱く雨音。
雨音は、すっと赤子に指先を向けて、何かを呟く。
「今、何を?」
「さぁな」
化野雨音は、呪うことばかりが得意な男だ。
だから、肇の娘にかけた“祝い”に効果があるかどうかは分からない。
「はじめまして」
穏やかに笑う子供。
同じく5歳の化野雨音は、すぐに肇と仲良くなった。
雨音は、天真爛漫な子供で、よく肇の好奇心に付き合って“冒険”をする。
両親たちが難しい話をしている間、ふたりで遊んでいた。
「はじめ、おれはいつか、せかいをすくうんだ」
「そうなの?」
「あだしののにんげんは、みんなそうだから」
「あまねなら、できるよ」
「うん!」
友達に肯定されて嬉しい。
雨音の笑顔は、夕日を背にして、キラキラと輝いている。
雨音たちは、たくさんの思い出を共有して成長していった。
春に花見をして、夏に西瓜割りをして、秋に焼き芋をして、冬に雪だるまを作る。
ふたりは、やがて17歳になった。
そして、雨音の父が死に、母も心労が祟って亡くなる。
「雨音」
「…………」
雨音は、虚ろな目を向けるだけで、肇の呼びかけに答えない。
荒れた部屋の壁にもたれて、四肢を投げ出している。
「雨音、ちゃんと寝て食べないと」
肇は、心身ともにボロボロの友人を見て、心配そうに言った。
「……うるさい」
地を這うような声。幼馴染みのこんな声は、初めて聴いた。
雨音が持っていた天真爛漫さは、跡形もなく失われてしまっている。
「君まで倒れてはいけないよ」
「……もういい。俺は、“化野”をやめる」
「やめて、どうする?」
「呪ってやる……何もかも…………」
ストレスで噛んだのであろう人差し指の爪が、天を指す。
肇は、雨音のその手を取ろうとする。しかし、彼に拒絶された。
その後。雨音は、本当に化野の家からいなくなってしまった。
風の噂で聞いたところによると、呪い屋をしているらしい。
そうして月日は流れ。
雨音と肇は、審神者になった。
ふたりが偶然再会を果たした時、肇は、まだ赤子の娘を連れていて。それを見た雨音は、口を引き結んだ。
「立派になったなぁ。人の親になるなんて」
「いや、ちょっと色々と事情が立て込んでいてね。立派ではないよ」
「ふん。どうせ、後先考えずに行動したんだろう。お前は、衝動的だからな」
「……ぐうの音も出ない」
肇は、困った顔をする。
「せっかくだから、娘を抱いてほしいな」
「よくこんな人間に大切な娘を預けようと思えるな」
「まあまあ」
「おい」
半ば無理矢理、赤子を押し付ける肇。
慣れないなりに、赤子を抱く雨音。
雨音は、すっと赤子に指先を向けて、何かを呟く。
「今、何を?」
「さぁな」
化野雨音は、呪うことばかりが得意な男だ。
だから、肇の娘にかけた“祝い”に効果があるかどうかは分からない。
