お礼小説ログ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
もう、三年も先輩に会えないままでいる。
私と先輩は、かつて同じバンドのメンバーだった。
ボーカルの先輩だけがプロの道を進み、今では先輩の歌をテレビやネットで耳にしない日はない。
「先輩、遠くに行っちゃったな……」
私は、自室でひとり呟いた。
今日は、七夕。織姫と彦星は会えるけれど、私は先輩と会えない。
悲しいけれど、先輩が息災なら、それでいいじゃないか。と、自分に言い聞かせた。
しかし、先輩からの一本の電話で、その願いすらも打ち砕かれてしまう。
「先輩? 今、なんて?」
『実は、最近歌えなくなってしまってね』
「でも、生放送とか出てますよね?」
『凄く申し訳ないんだけど、あれは口パクだよ』
「そんな…………」
あの先輩が、歌えない? 信じられない。
「一体、何があったんですか?」
『それが、どうも歌声を盗まれたみたいで』
「まさか、今でも公園で昼寝してるんですか?」
『そうなんだよ。昼寝してるうちに盗まれたらしい』
「先輩、自分の歌声にどれほどの価値があるか分かってますか?!」
『……ごめん』
私は、一度溜め息をついた。
「警察には?」
『内密に探してる』
「なるほど。それで、探偵の私にご依頼ですか?」
『うん。よろしく頼むよ』
「分かりました。私は、先輩の最初のファンですからね」
それから、私の捜査が始まる。
先輩が寝ていた公園から地道に探していき、私は、歌声を盗んだとおぼしき人物を見付けた。
その人は、海辺で歌っていた。
間違いなく、先輩の歌声である。
「あの、あなたですよね? 歌声を盗んだの」
「……誰?」
「盗まれた歌声を探している探偵です」
「ふーん」
「返してください」
犯人は、薄く笑った。
「いいよ。もう充分歌ったからね。ほれ」
「わっ!?」
盗人は、星のようにキラキラ光る歌声を投げる。
「どうして盗みを?」
「その歌声なら、遠くの恋人に届くと思ったんだ」
寂しそうな笑顔。
「でも、その歌声は、いつも君のために使われていたみたいだ」
「え?」
「あの人も、たったひとりのために歌っていたんだね」
先輩が、私のために?
私の頭の中では、先輩が昔歌ってくれた“きらきら星”が流れていた。
先輩に会いたい。会いに行こう。
私と先輩は、かつて同じバンドのメンバーだった。
ボーカルの先輩だけがプロの道を進み、今では先輩の歌をテレビやネットで耳にしない日はない。
「先輩、遠くに行っちゃったな……」
私は、自室でひとり呟いた。
今日は、七夕。織姫と彦星は会えるけれど、私は先輩と会えない。
悲しいけれど、先輩が息災なら、それでいいじゃないか。と、自分に言い聞かせた。
しかし、先輩からの一本の電話で、その願いすらも打ち砕かれてしまう。
「先輩? 今、なんて?」
『実は、最近歌えなくなってしまってね』
「でも、生放送とか出てますよね?」
『凄く申し訳ないんだけど、あれは口パクだよ』
「そんな…………」
あの先輩が、歌えない? 信じられない。
「一体、何があったんですか?」
『それが、どうも歌声を盗まれたみたいで』
「まさか、今でも公園で昼寝してるんですか?」
『そうなんだよ。昼寝してるうちに盗まれたらしい』
「先輩、自分の歌声にどれほどの価値があるか分かってますか?!」
『……ごめん』
私は、一度溜め息をついた。
「警察には?」
『内密に探してる』
「なるほど。それで、探偵の私にご依頼ですか?」
『うん。よろしく頼むよ』
「分かりました。私は、先輩の最初のファンですからね」
それから、私の捜査が始まる。
先輩が寝ていた公園から地道に探していき、私は、歌声を盗んだとおぼしき人物を見付けた。
その人は、海辺で歌っていた。
間違いなく、先輩の歌声である。
「あの、あなたですよね? 歌声を盗んだの」
「……誰?」
「盗まれた歌声を探している探偵です」
「ふーん」
「返してください」
犯人は、薄く笑った。
「いいよ。もう充分歌ったからね。ほれ」
「わっ!?」
盗人は、星のようにキラキラ光る歌声を投げる。
「どうして盗みを?」
「その歌声なら、遠くの恋人に届くと思ったんだ」
寂しそうな笑顔。
「でも、その歌声は、いつも君のために使われていたみたいだ」
「え?」
「あの人も、たったひとりのために歌っていたんだね」
先輩が、私のために?
私の頭の中では、先輩が昔歌ってくれた“きらきら星”が流れていた。
先輩に会いたい。会いに行こう。
