一次創作夢
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殺し屋の養成所に、新しく生徒が入った。
その少年は、目元が包帯とガーゼに覆われており、見えない。異様な風体である。
「新入り、名前は?」
好奇心旺盛な生徒が、彼に尋ねた。
「愛坂狂次と申します」
「そっか。よろしくな、キョージ」
「よろしくお願いします」
狂次は、お世辞にも愛想がいいとは言えなかったが、人嫌いというワケでもなく、話しかければちゃんと答えるくらいの社会性はある。
「なあ、狂次はどうして殺し屋になりたいんだ?」
木製のナイフを打ち合いながら、そう質問してみると、狂次は一瞬間を置いてから、「そうしなくては生きられないからですよ」と返答した。
「ふーん。家庭の事情とか?」
「はい。そんなところです」
「ちなみに俺は、本物の銃を撃ちたいから」
「銃、ですか」
この頃の狂次には、まだ銃は馴染みがないものである。
「ガキの頃は、自作の改造エアガンで遊んでたんだけど、物足りなくてさぁ」
「なるほど」
「初めての殺しは、銃でカッコよくやりてぇなぁ」
「出来るといいですね」
「おう!」
後に彼は知ることになるのだが、愛坂狂次は、とっくに人を殺していた。
それは、ふたりが本物のナイフで試合をした際に、遺憾なく発揮される。
「っだー! 負けたぁ!」
「ありがとうございました」
一礼する狂次。
「どーも。狂次は、ナイフを使うのに躊躇いがないな」
「躊躇えば死にます」
「本番じゃあな」
「それに私は、すでに人殺しですから」
「…………」
同期生は、少しの沈黙の後に、狂次を質問攻めにした。
愛坂狂次が淡々と質問に答えている頃、弟の慧三は、ふたりの住まいである養成所の寮で起床する。
「ふぁ……」
大きくあくびをしながら、背伸びをした。
そしてベッドから出て、他人からスった煙草に安っぽいライターで火を着ける。
「なにしようかな~」
スマートフォンでメッセージアプリを起動し、「だ・れ・に・し・よ・う・か・なっ」と、無作為に女をひとり選び、電話をかけた。
『けいちゃん? どうしたの?』
「暇だから、遊ぼ~」
『悪い子だなー。いいよ。家においで』
「わーい。ありがとー。大好き!」
通話を切り、煙草を灰皿に押し付けてから、慧三は、兄に買ってもらったチャイナ服風のシャツに着替えて出かける。
狂次が殺しの技術を学んでいる一方で、慧三は、女たちを相手に日の当たらない世界での遊びを覚えていった。
あまりにも気質が違う兄弟だが、晩ごはんにはふたりで食卓につく。
「慧三君、今日は何をしていましたか?」
「オネーサンと遊んでたよ~」
「そうですか」
「きょーちゃんは、勉強、お疲れ様だね。えらーい」
「ありがとうございます」
愛坂兄弟は今まで、こんなにも人生が穏やかだったことはない。
楽しく過ごせている今を、ふたりで生きていく。
その少年は、目元が包帯とガーゼに覆われており、見えない。異様な風体である。
「新入り、名前は?」
好奇心旺盛な生徒が、彼に尋ねた。
「愛坂狂次と申します」
「そっか。よろしくな、キョージ」
「よろしくお願いします」
狂次は、お世辞にも愛想がいいとは言えなかったが、人嫌いというワケでもなく、話しかければちゃんと答えるくらいの社会性はある。
「なあ、狂次はどうして殺し屋になりたいんだ?」
木製のナイフを打ち合いながら、そう質問してみると、狂次は一瞬間を置いてから、「そうしなくては生きられないからですよ」と返答した。
「ふーん。家庭の事情とか?」
「はい。そんなところです」
「ちなみに俺は、本物の銃を撃ちたいから」
「銃、ですか」
この頃の狂次には、まだ銃は馴染みがないものである。
「ガキの頃は、自作の改造エアガンで遊んでたんだけど、物足りなくてさぁ」
「なるほど」
「初めての殺しは、銃でカッコよくやりてぇなぁ」
「出来るといいですね」
「おう!」
後に彼は知ることになるのだが、愛坂狂次は、とっくに人を殺していた。
それは、ふたりが本物のナイフで試合をした際に、遺憾なく発揮される。
「っだー! 負けたぁ!」
「ありがとうございました」
一礼する狂次。
「どーも。狂次は、ナイフを使うのに躊躇いがないな」
「躊躇えば死にます」
「本番じゃあな」
「それに私は、すでに人殺しですから」
「…………」
同期生は、少しの沈黙の後に、狂次を質問攻めにした。
愛坂狂次が淡々と質問に答えている頃、弟の慧三は、ふたりの住まいである養成所の寮で起床する。
「ふぁ……」
大きくあくびをしながら、背伸びをした。
そしてベッドから出て、他人からスった煙草に安っぽいライターで火を着ける。
「なにしようかな~」
スマートフォンでメッセージアプリを起動し、「だ・れ・に・し・よ・う・か・なっ」と、無作為に女をひとり選び、電話をかけた。
『けいちゃん? どうしたの?』
「暇だから、遊ぼ~」
『悪い子だなー。いいよ。家においで』
「わーい。ありがとー。大好き!」
通話を切り、煙草を灰皿に押し付けてから、慧三は、兄に買ってもらったチャイナ服風のシャツに着替えて出かける。
狂次が殺しの技術を学んでいる一方で、慧三は、女たちを相手に日の当たらない世界での遊びを覚えていった。
あまりにも気質が違う兄弟だが、晩ごはんにはふたりで食卓につく。
「慧三君、今日は何をしていましたか?」
「オネーサンと遊んでたよ~」
「そうですか」
「きょーちゃんは、勉強、お疲れ様だね。えらーい」
「ありがとうございます」
愛坂兄弟は今まで、こんなにも人生が穏やかだったことはない。
楽しく過ごせている今を、ふたりで生きていく。
