うちよそ
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鬼兵隊への、摩戸才宴による定期的な健康診断は続いている。
「河上く~ん」
「はい」
才宴に呼ばれ、医務室へ入った。
「じゃあ、採血からやろうか」
「よろしく頼むでござるよ」
注射器を取り出し、慣れた手つきで血を採取しようとする医者。そうしながら、軽い世間話のように、ぽつりと言葉を溢す。
「そうだ。誕生日おめでとう、河上くん」
「ああ、もうそんな時期でござったか。祝いの言葉、ありがたくいただくでござる」
「……友成さんの想いには応えないの?」
「ははは、友成はまだ子供にござるよ」
「そうかなぁ?」
才宴は、そのことについては、それ以上何も言わなかった。
「そう言う先生は、想い人はおらぬのでござるか?」
「いるよ。嫌われてるけれど」
「先生ほどの優しい男でも、そのようなことがあるのでござるな」
万斉は、この男のマッドサイエンティストなところには気付いていないのである。
「私の優しさは、伝わっていないようだよ」
才宴は、さして気にしていないように、いや、実際に全く気にせずにそう答えた。
「こんな人斬りを診て、その誕生まで祝ってくれる先生が、でござるか…………」
「私は、助けた命が何をしようと構わないだけさ。生きる機会は、皆に平等に与えられてほしいからね」
一呼吸置いて、才宴は続ける。
「君が殺したい者を私が生かすとしても、私のことを優しいと思うかい?」
「……ああ、そうでござるな。そうであった。先生は、“白蛇の医鬼”でござったな」
そうだ。摩戸才宴もまた、鬼なのだ。本質的には、高杉と変わらない。
その後。健康診断はつつがなく終わり。
「お疲れ様。友成さんを呼んで来てくれる?」
「承知した」
万斉が去ってから、すぐに酒井友成が訪れた。物凄く嫌そうな顔をしている。
「まずは、採血からね」
「はい…………」
「河上くんは、君に振り向いてくれないみたいだよ?」
「なんでそんな酷いことを言うの!?」
「肩の力を抜いてあげようと思って」
「~っ!」
怒りで力が入ったが?
「君は、私と違うから。恋が実るといいねぇ」
「才宴殿も、恋をしてるの?」と、友成は首を傾げた。
「私の定義では、そうだね」
「実らないんですか? あなたの恋」
「そういう宿業なのさ」
「宿業…………」
「ははは!」と、才宴はいつも通りに笑う。
「ところで、河上くんに誕生日の贈り物はしたのかい?」
「あ、あなたには関係ないっ!」
摩戸才宴は、からから笑った。
「河上く~ん」
「はい」
才宴に呼ばれ、医務室へ入った。
「じゃあ、採血からやろうか」
「よろしく頼むでござるよ」
注射器を取り出し、慣れた手つきで血を採取しようとする医者。そうしながら、軽い世間話のように、ぽつりと言葉を溢す。
「そうだ。誕生日おめでとう、河上くん」
「ああ、もうそんな時期でござったか。祝いの言葉、ありがたくいただくでござる」
「……友成さんの想いには応えないの?」
「ははは、友成はまだ子供にござるよ」
「そうかなぁ?」
才宴は、そのことについては、それ以上何も言わなかった。
「そう言う先生は、想い人はおらぬのでござるか?」
「いるよ。嫌われてるけれど」
「先生ほどの優しい男でも、そのようなことがあるのでござるな」
万斉は、この男のマッドサイエンティストなところには気付いていないのである。
「私の優しさは、伝わっていないようだよ」
才宴は、さして気にしていないように、いや、実際に全く気にせずにそう答えた。
「こんな人斬りを診て、その誕生まで祝ってくれる先生が、でござるか…………」
「私は、助けた命が何をしようと構わないだけさ。生きる機会は、皆に平等に与えられてほしいからね」
一呼吸置いて、才宴は続ける。
「君が殺したい者を私が生かすとしても、私のことを優しいと思うかい?」
「……ああ、そうでござるな。そうであった。先生は、“白蛇の医鬼”でござったな」
そうだ。摩戸才宴もまた、鬼なのだ。本質的には、高杉と変わらない。
その後。健康診断はつつがなく終わり。
「お疲れ様。友成さんを呼んで来てくれる?」
「承知した」
万斉が去ってから、すぐに酒井友成が訪れた。物凄く嫌そうな顔をしている。
「まずは、採血からね」
「はい…………」
「河上くんは、君に振り向いてくれないみたいだよ?」
「なんでそんな酷いことを言うの!?」
「肩の力を抜いてあげようと思って」
「~っ!」
怒りで力が入ったが?
「君は、私と違うから。恋が実るといいねぇ」
「才宴殿も、恋をしてるの?」と、友成は首を傾げた。
「私の定義では、そうだね」
「実らないんですか? あなたの恋」
「そういう宿業なのさ」
「宿業…………」
「ははは!」と、才宴はいつも通りに笑う。
「ところで、河上くんに誕生日の贈り物はしたのかい?」
「あ、あなたには関係ないっ!」
摩戸才宴は、からから笑った。
