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家の水道の蛇口を捻ったら、タールみたいな液体が出てきた。
アパートの管理人を呼ぶか、水道修理業者を呼ぶか迷っていると、その黒い粘性のある液体が動き、みるみる人を象る。
「はじめまして、こんにちは! 電離異音だよ!」
「ぎゃーっ!? 化物!」と、思わず叫べば、隣の部屋から「うるさい」と壁ドンされた。
「なんなの……?」
声を抑えて質問する。
「不定形の男の子! 食べると味はスイカ味!」
ワケ分からん。
「あの、ここは私の家なんだけど……」
「迷い込んじゃった。ごめんごめん」
迷い込んじゃったのかぁ。
「とりあえず、警察かな」
「待って。悪い不定形じゃないから!」
「ええ……」
私が訝しんでいると、彼は、「お菓子あげる」と、べと付いた個包装のチョコ菓子をくれた。これで、なにが改善されるんだよ。
「あのさ、私、これから仕事するから————」
「なんの仕事?」
「ライターだよ」
「火はダメ!」
「そのライターじゃねーよ。物書きだよ、物書き」
「ああ、それね。じゃあ、隣で応援してるね」
「なんでだよ」
わざと大きく溜め息をつき、私は彼を無視することにした。
デスクの上のパソコンを立ち上げ、カタカタとキーボードを打つ。
謎の男子は、本当に隣で私を見守っている。たまに、「がんばれー」と聴こえてきた。
不本意なんだけど、だいぶ助かる。私は、監視の目があると仕事が捗るタイプだから。
コロナ禍があったせいで、ずっとリモートワークだから、久々だな、こういうの。
数時間後。
「終わった」
「お疲れ様~」
「どうも……」
私は、コーヒーを淹れ、休憩することにした。
「君さぁ、なんか食べたいものとかある?」
「お菓子!」
「そう。なんかあったかな……」
流し台の収納スペースを探ると、ラムネ味のグミを発見。
「グミ食べる?」
「食べる。いただきます」
嬉しそうにグミを食べる彼を見ながら、私はコーヒーを飲んだ。
まあ、たまにはこんな日があってもいいか。
その後。電離異音は、しょっちゅう私の家に来るようになった。
「せめて、ドアから来いや!」
アパートの管理人を呼ぶか、水道修理業者を呼ぶか迷っていると、その黒い粘性のある液体が動き、みるみる人を象る。
「はじめまして、こんにちは! 電離異音だよ!」
「ぎゃーっ!? 化物!」と、思わず叫べば、隣の部屋から「うるさい」と壁ドンされた。
「なんなの……?」
声を抑えて質問する。
「不定形の男の子! 食べると味はスイカ味!」
ワケ分からん。
「あの、ここは私の家なんだけど……」
「迷い込んじゃった。ごめんごめん」
迷い込んじゃったのかぁ。
「とりあえず、警察かな」
「待って。悪い不定形じゃないから!」
「ええ……」
私が訝しんでいると、彼は、「お菓子あげる」と、べと付いた個包装のチョコ菓子をくれた。これで、なにが改善されるんだよ。
「あのさ、私、これから仕事するから————」
「なんの仕事?」
「ライターだよ」
「火はダメ!」
「そのライターじゃねーよ。物書きだよ、物書き」
「ああ、それね。じゃあ、隣で応援してるね」
「なんでだよ」
わざと大きく溜め息をつき、私は彼を無視することにした。
デスクの上のパソコンを立ち上げ、カタカタとキーボードを打つ。
謎の男子は、本当に隣で私を見守っている。たまに、「がんばれー」と聴こえてきた。
不本意なんだけど、だいぶ助かる。私は、監視の目があると仕事が捗るタイプだから。
コロナ禍があったせいで、ずっとリモートワークだから、久々だな、こういうの。
数時間後。
「終わった」
「お疲れ様~」
「どうも……」
私は、コーヒーを淹れ、休憩することにした。
「君さぁ、なんか食べたいものとかある?」
「お菓子!」
「そう。なんかあったかな……」
流し台の収納スペースを探ると、ラムネ味のグミを発見。
「グミ食べる?」
「食べる。いただきます」
嬉しそうにグミを食べる彼を見ながら、私はコーヒーを飲んだ。
まあ、たまにはこんな日があってもいいか。
その後。電離異音は、しょっちゅう私の家に来るようになった。
「せめて、ドアから来いや!」
